コラム

公開日:2018年11月27日

/ 最終更新日:2024年02月27日

かんたん内窓のお見積り

コールドドラフトは窓断熱で解決

「暖房しているのに部屋が寒い」

「冷たい風は隙間風?」

「足元が冷える」

暖房をつけている部屋なのに、このような状況になった経験はありますか?もし、日常的にこのような現象が起きているとしたら、冬の室内での暮らしを快適に過ごすことができません。

このような現象はなぜ起こるのでしょうか?

暖房しているのに部屋が暖まらない基本的な原因

冷暖房の効率の良さは、断熱性、気密性と並行します。断熱性と気密性が高い家であれば、冷暖房は効率良く働きます。

しかし、断熱性と気密性が低ければ、夏は外の熱が室内に大量に流入するので、冷房をしても涼しくなりません。冬は、冷気が室内に流入し、室内の熱が流出するので、暖房をしても充分に室内が暖かくなりません。

断熱性の高い家とは、屋根や壁、床、窓などの家の外側を包んでいる面から、失われる熱の量が少ない家のことです。気密性の高い家とは、換気扇やサッシの隙間などから入り込んでくる隙間風の少ない家のことです。

冬、壁や窓から熱が逃げず、換気扇やサッシの隙間から隙間風が入り込まなければ、暖房は効率よく働きます。夏は、壁や窓からの熱が流出せず、換気扇やサッシから冷たい空気が逃げていかなければ、冷房は効率よく働きます。

暖房をしているのに部屋が寒い基本的な理由は断熱性と気密性の問題です。

もう一つ考えられる暖房しているのに部屋が暖まらない原因

暖房しているのに部屋が暖まらない原因として考えられるのは、コールドドラフトという現象です。断熱性と気密性が高い家であるにもかかわらず、暖房をしているのに暖まらない場合には、コールドドラフト現象が起きている可能性があります。この現象は窓が冷える為におこる現象です。

室内側の壁を触っても冷たくないのに窓を触るととても冷たく感じます。室内側の壁のそばに行っても体感温度が下がることはありませんが、窓のそばに行くとヒヤッとして体感温度が下がります。このようなことがおこるのは、同じように外気に面している壁に比べて、窓は外気の影響を直接受けるからです。壁は外気に面している外壁と室内側の壁の間に断熱材が入っているので、熱の移動が抑えられています。しかし、窓ガラスは壁に比べてはるかに薄い上に、アルミサッシの隙間からも冷気が入り込んでいます。その為、窓ガラスは非常に冷えてしまうのです。

もちろん屋根や床にも同様に断熱材が入っています。その為、壁や屋根、床の断熱性が高い家ほど、壁や屋根が外気から受ける影響と、窓が外気から受ける影響の強さに差が出ます。その結果、コールドドラフト現象が起きてしまうのです。

暖房で暖められた空気が冷たい窓ガラスにあたると、暖かい空気は急激に冷やされて、冷気になって下に降りていきます。なぜなら、空気には暖まると上に冷えると下に移動する性質があるからです。冷えた空気は、床を伝って足元に広がります。その結果、顔ばかり熱くなって、足元が冷え、暖房をしているのに部屋が暖まらないという状態になってしまうのです。

上の図から窓で冷やされた空気が足元に広がっているのが分かります。

部屋が寒い原因の大半は窓

暖房で暖めた熱が家の外に逃げてしまう為に部屋が暖まらない場合、失われている熱の半分以上は、窓から流出しています。

屋根から5パーセント、床から7パーセント、換気から15パーセント、外壁から15パーセントが流出しますが、窓からはそのどの部分より多い58パーセントもの熱が逃げているのです。ちなみに夏には、窓から74%もの割合の熱が流入します。その為、窓からの熱の出入りを抑えられれば、冬の寒さ、夏の暑さをほとんど解決できるというわけです。

窓の断熱性を上げると得られる暮らしの快適さ

窓の断熱性が高くなると、コールドドラフト現象を起こさずに済むだけではなく、その他にも暮らしを快適にする様々な効果が得られます。

  • 暖房の効率が良くなる

私達が暖かいと感じるのは、室内に暖房で暖められた空気が循環している時です。部分的に暖まるだけでは熱いと感じ、心地よい暖かさは感じられません。心地よい暖かさで室内を満たす為には、暖房器具からでる暖かい空気が床や壁にあたって、室内を循環する必要があります。

ところが、窓が冷たいと暖かさが反射せずに、冷たい空気になって下に降りてしまい、それと同時に暖かい空気は上に逃げてしまいます。その結果、暖房の効率が上がらず、寒さを感じる部屋になってしまうのです。特にリビングルームでは引き違いの掃き出し窓がついていることが多く、より窓からの熱の流出が増えてしまいます。窓の断熱性を上げると室内全体の断熱性が上がり、暖房の効率が上がります。

  • コールドドラフトを起こさない

窓と壁や床との温度差が少なくなれば、暖められた空気が窓にあたっても、急激に冷気に変わることが避けられます。その結果、暖かい空気が窓にあたっても下に降りて行かず、反射されて室内を循環するようになり、顔ばかり熱くなって足元が冷えるというようなコールドドラフトを防ぎます。

  • 家の中の温度差を小さくする

顔ばかり熱くなって足元が冷える、部屋が暖まらないという以外にも、冬の寒さが生む暮らしにくさがあります。それは暖房をしている部屋としていない玄関や浴室、トイレなど暖房をしていない場所との温度差です。家の中の温度差が大きいと、子どもが寒いからお風呂嫌いになってしまったり、夜中にトイレに行くのを我慢したりするようなことがおきてしまいます。

特に浴室は換気のために壁の面積に対して窓が大きく作られていることが多いので、より窓からの冷気に流入が多く、浴室全体がひんやりとします。子どもがお風呂嫌いになるのも困りますが、高齢者にとってはもっと深刻な問題があります。それは急激な温度差による血圧の乱高下です。温かい部屋から冷え切った脱衣所で着替え、寒い浴室に入り、熱いお湯につかることで、血圧が上がったり下がったりしてヒートショックを起こしてしまう恐れがあるからです。家の窓全てを断熱する予算が組めない場合には、浴室の窓を断熱するだけでも、浴室の冷えを解消できます。

  • 朝起きた時に寒くない

暖房の方法にもよりますが、ほとんどの家庭では就寝中には暖房を止めると思います。その為、朝起きた時に寒いと感じる人は多くいます。しかし、窓の断熱をすると、熱が逃げにくくなるので、ある程度の暖かさが朝まで続きます。暖かさが続くので、子どもが夜中にトイレを我慢することもなくなります。

  • 燃料費が節約できる

暖房の効率が悪いと、暖房をつけている時間が長くなります。エアコンで暖房している家庭では、設定温度を高めにしてしまうこともあるでしょう。その結果、電気代や灯油代が嵩んでしまいます。

YKKAPが10年間の光熱費を通常の窓と断熱効果の高い樹脂窓で比較した結果、地域の気候による違いはありますが、20万円以上節約できることがわかります。

窓の断熱リフォームの優先順位は?

家全体を冷えにくくする為には、家中の窓を交換する必要があります。壁や床に断熱材を入れるよりはリフォーム費用が抑えられるとは言っても、家中の窓を一気に交換すると、やはり費用が嵩みます。そこで毎年、部分的に断熱窓へのリフォームを進めていくとしたら、優先順位としてはどの部分から交換していくべきでしょうか?

コールドドラフト対策には、掃き出し窓のある部屋=リビングを断熱窓にする必要があります。しかし、冬の暮らしを考えた時、非常に寒さを感じるのは、浴室、脱衣所、トイレです。特に高齢者がいる家族の場合には、健康面での心配があります。

浴室の寒さが引き金となり、ヒートショックを起こす高齢者は非常に多く、厚生労働省の統計によると、家庭の浴槽での溺死者数は、平成27年に4,804人にも上ります。なんと交通事故の死者数よりも多いのです。せっかく浴室を最新式のユニットバスにしても、寒さを感じることがありますが、それは窓を断熱窓にしていないからなのです。その為、高齢者がいるご家族での断熱窓のリフォームは、浴室から始めると良いと考えられます。

高齢者が家族にいない場合は、リフォームの優先順位としては、家族団らんの場であるリビングがあげられます。特にここ数十年は、リビング中心の間取りが多く、家族がそれぞれの居室で過ごす時間より、リビングで過ごす時間が長いという家族が増えています。家族団らんだけではなく、子どもが宿題をする、主婦がアイロンかけなどの家事をするなど、リビングには常に家族の誰かがいるというような家族です。そのような状況であれば、リビングは最も居心地の良い場所にしたい部屋です。そして冬に居心地の良い部屋といえば暖かい部屋なので、断熱窓へのリフォームが役立つのです。

その次に断熱窓にしたいのはトイレです。トイレに小さな暖房器具を置くより、断熱窓にリフォームする方が、安全で暖かさを確保できます。

断熱窓ならどれでも同じ?

断熱窓に交換する場合、サッシとガラスによって断熱性の高さが違ってきます。最も断熱効果が高いのは、樹脂サッシとLow-E複層ガラスの組み合わせです。

樹脂サッシは、従来のアルミではなく、樹脂で作られたサッシで、熱を伝えにくい性質があることに加えて、気密性を高めるサッシの構造になっています。その為、アルミサッシに比べてはるかに高い断熱性能を持っています。
Low-E複層ガラスは、Low-E金属膜がコーティングされたガラスで、通常の複層ガラスより高い断熱性能があります。

もちろん、アルミサッシのまま、複層ガラスに変えるだけでも、ある程度の断熱効果は得られます。しかし、枠部分の断熱性能が弱いままでは不十分です。弱い部分を残さないためには、外窓を交換するか内窓を設置する必要があります。

窓の種類によるリフォーム方法の違い

  • アルミサッシのまま複層ガラス、又はLow-E複層ガラスに交換

今使っているアルミサッシからガラスを外し、アタッチメント付き複層ガラスに交換します。

  • サッシごと交換(外窓交換)

複層ガラス、又はLow-E複層ガラスと樹脂サッシが組み合わされた窓と、今使っているアルミサッシと単体ガラスの窓を交換します。

  • 内窓をつけて二重窓にする

 

今ある窓はそのままにし、内側に複層ガラス、又はLow-E複層ガラスと樹脂サッシが組み合わされた窓をつけ、二重窓にします。

コールドドラフトを防ぎ、暖かい家にするなら断熱窓へのリフォームをおすすめします

窓リフォームのことで迷っていることやわからないことがあれば、何でもご相談ください。

窓の交換で断熱性を上げ、季節ごとの暑さや寒さ、結露を抑えることに加えて、リフォームの方法によって耐震性、防犯性、防音性も同時に向上させることができます。

昭和5年の創業以来、建具だけを専門にしている中村建硝はお客様の暮らしを快適にすることと、お客様との信頼関係を大切にリフォームに関わっている会社です。窓の交換リフォームを検討中であれば、ぜひ簡単お見積りをお試しください。お部屋の向きや室内環境に最も適したリフォームをご提案します。

 

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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