コラム

公開日:2018年3月30日

/ 最終更新日:2024年04月07日

かんたん内窓のお見積り

二重窓の防音効果とは?性能の良し悪しと費用について

騒音対策は窓が重要

普段の生活の中で騒音に悩まされていませんか?騒音の原因はたくさんあります。道路を車や通行人が走る時の音、駅の近くであれば電車が走る際の音、繫華街付近であれば群衆や施設から発せられる音、あるいは工事現場の重機の音が聞こえてくるかもしれません。この様に近所で発せられる大きな音は全て騒音になる可能性があります。

逆に室内から外へ音が漏れてしまう可能性もあります。AV機器やテレビを大音量で聞く人、ホームパーティーをして大人数でおしゃべりする機会が多い人、ピアノやギターなどの楽器を奏でる人などは知らず知らずのうちに自分が騒音の原因になってしまっているかもしれません。

室内外で音が行き来するルートは窓・壁・通気口、地面・屋根など外に面している部分は全て可能性があります その中でも最も音を通してしまう部分は窓です。その理由は窓は壁に比べて圧倒的に薄いからです。普通の住宅の壁は木材や断熱材などの様々な資材を含み全体の厚さが約15cmとなっています。それに対して窓ガラスは既存の単板ガラスの場合たった3~5mmしかありません。

dbによる騒音の数値

騒音の数値はdb(デシベル)で表示されます。これによると70db以上の音は騒音と呼ばれる部類に位置します。これらの騒音が室内に入る際に壁を経由するか窓を通るかで侵入して来る騒音の量が大きく違ってきます。

例えば自宅の付近で80dbの騒音が鳴っていたとします。もし自宅が壁に覆われていた場合40dbまで下がるのでかなり静かになります。しかし窓ガラスの場合60dbまでしか下がらないので室内でもかなり騒々しく感じてしまいます。

また既存のサッシはアルミ製なので音を通しやすいですし、サッシの隙間は空気の通り道となっているので音も通してしまいます。そのため何の措置も施していない状態の窓は騒音を通し放題になっています。

二重窓が持つ防音効果について

従来の窓をそのまま使用していると騒音を通してしまうのでリフォームする事で防音性能を上げることが出来ます。窓のリフォームは様々な手段が考えられますが、効率の良い防音措置として知られているのが内窓を取り付けて二重窓にする方法です。

二重窓を取り付けると外側の窓と内窓の間に中間空気層が生まれます。外から騒音が侵入すると、この中間空気層の中で音が反射を繰り返します。その後室内に入る時には音量が小さくなっているので騒音もかなり静かになります。そのためサッシの隙間から侵入して来る騒音も中間空気層で防音できます。同様に室内から発せられる生活音が外へ漏れ出ることも防いでくれます。よって二重窓は防音性能の非常に高いリフォームとして知られています。

樹脂製サッシでさらに防音機能アップ

また二重窓による防音対策をより効率良くする方法として樹脂製サッシの内窓を取り付ける方法があります。樹脂製サッシはアルミ製サッシに比べて気密性が高いのでサッシからの音漏れを防いでくれます。ちなみに中村建硝で取り扱っている二重窓「インプラス」「プラマードU」はどちらも樹脂製サッシを使用しているので非常に優れた防音機能を搭載しています。

どんな状況で防音効果が得られる?

二重窓にすると防音効果を得られますが全ての音を防げるわけではありません。二重窓で防げる音は空気を伝って来る音に限ります。空気を伝って来る音とは人や自動車が通過する時の音や動物の鳴き声や施設の中の音などです。これらに悩まされている方は二重窓を設置する事で騒音の悩みから解消されることでしょう。

屋根や壁を振動する騒音は不可

逆に二重窓でも防げない音とは地面や壁を振動して来る音です。振動する音とは集合住宅の上階で床を踏んだ際や重い荷物を運んだ際の音、工事現場での重機を使って地面に振動を与える音などがあります。これらは窓ではなく壁を伝って来る音なので窓をリフォームしても消すことが出来ません

また人の話し声は空気を伝って来る音ですが隣の部屋の話し声は壁を伝って来るので防げません。自動車の通過音もトラックなどの大型車や間近での列車の通過音は地面を伝って部屋に侵入します。

騒音の種類を間違えると二重窓は逆効果に!

さらに上記の振動して来る音に悩まされているにもかかわらず二重窓を設置してしまった場合、むしろ騒音が大きくなってしまうこともあります。その理由は振動して来る音に対して全く防音出来ていないのに二重窓で空気を伝う音を防いでしまうと室内に侵入してきた振動音が外に逃げることなく室内で反射してしまうからです。

そのため部屋に防音対策を施す際は必ずどんな種類の騒音に悩まされているのかを見極める必要があります

YKK AP「マドリモ」とは?

防音機能に特化した窓は多くのメーカーから発売されていますが、大手資材メーカーYKK APからは「かんたん マドリモ」が発売されています。

マドリモは既存の窓枠に新たな窓枠を設置して断熱性能や防音効果を高めるリフォームです。新たな資材をはめ込むだけの作業なので短時間で工事を済ませることが出来るのが特徴的です。マドリモは既存の窓そのものを交換するタイプと内窓を設置して二重窓にするタイプの2種類が存在します。

窓を交換する「かんたんマドリモ」は既存の窓枠をそのままに防音性能が備わった新たな窓を設置します。かつて窓のリフォームと言えば窓付近の壁を壊して窓枠そのものを交換していたのでかなり大掛かりな作業でした。しかしマドリモは窓を交換するだけなので1か所当たり2時間~半日で完了します。また2階以上のフロアでも室内で作業を完了できるので足場を組むような前準備も不要です。

かんたんマドリモの防音性能の秘密は「ノンシールカバー工法」にあります。これは既存の窓を外した後に気密性の高いシールを窓枠に貼ってその上から新たな窓枠を設置する方法です。これにより窓枠の端から騒音が入るのを防いでくれます。またかんたんマドリモのサッシは樹脂製サッシを使用しているのでアルミ製サッシよりも高い防音効果があります。

中村建硝取扱商品の防音性能:プラマードUとインプラス

中村建硝で取り扱っている内窓商品(プラマードUとインプラス)も防音効果が期待できます。まずはYKK APの内窓「プラマードU」についてご紹介します。

YKK AP プラマードU

プラマードUは既存の窓枠の内側に内窓を設置して窓を二重構造にします。これによって防音だけでなく断熱・遮熱・防犯などあらゆる効果をもたらすことが出来ます。プラマードUの特徴としてサッシの部分が樹脂製で作られています。これによってさらに防音機能が増しています。

プラマードUを取り付ける事によって40dbの騒音をカットすることが出来ます。これを実生活に例えると、自動車や通行人などの交通量が多い場所の騒音80dbを閑静な住宅街の公園の様な実生活に支障をきたさない程度の生活音40dbまで抑えることが出来ます。ただし工事現場の重機や電車が線路を通る時の通過音やマンションの上下階から来る壁を振動する音は防げません。そのため人や自動車による一時的な騒音ならば気にならない程度にまで抑えることが出来ます。

もしそれ以上の防音性能を望む方は、内窓のガラスを従来の3mm単板ガラスではなく厚さ5mmの防音ガラスにすることをメーカーは推奨しています。特に厚みのあるガラスはピアノなどの高音に対する防音性能が高いと言われています。

LIXIL インプラス

インプラスは住宅資材メーカーLIXILから発売されている二重窓です。インプラスもプラマードUと同様に外の騒音を40dbカットすることが出来ます。

以上の事からプラマードUとインプラスはどちらもほとんど似たような構造で防音性能もほとんど同じと言えます。そのため防音目的で二重窓を設置するのであればどちらの製品を選んでも大差無いということになります。

両者の違いとは?

もし二重窓を設置したくてもどちらにすればいいか決めかねている場合は両者が持つそれぞれの特徴を考慮に入れてみましょう。

プラマードUには「お手軽ロック」が付いています。これは窓の中心にある鍵と引手が一体化したもので窓を開ける際に引手を持つと同時にロック解除されて、閉める際に窓を閉め切った状態で引手を離すと施錠されるので解錠・施錠と窓の開閉をワンアクションで済ませることが出来ます。

二重窓を設置すると窓を開閉する際の動作が二度手間になってしまい面倒に感じることがありますが、お手軽ロックが付いているプラマードUならばその様な手間を軽減することが出来ます。よってプラマードUは頻繁に開閉を繰り返す場所の窓に設置するのが良いでしょう。

インプラスには業界初の「ダストバリア」機能が付いています。過去に発売された樹脂製サッシは静電気によってホコリを集めてしまうタイプもあったので掃除の手間が増えてしまうケースもありました。しかしインプラスは静電気を帯びさせない「ダストバリア」機能が搭載されているのでホコリを寄せ付けません。そのためインプラスは普段から下部にホコリが溜まりがちな掃き出し窓や普段あまり開閉しない窓に設置するとその持ち味を十分発揮してくれます。

 

プラマードUとインプラスの費用を比較

ネット上で公開されている両者の販売価格を比較すると170×90㎝の窓の場合プラマードUが37,800円なのに対してインプラスは26,800円となっています。よって商品価格に関してはインプラスの方が安値であると言えます。

防音性能はどちらもほとんど同じなので防音目的で二重窓を設置する場合、値段の安いインプラスの方が良いかもしれません。

ちなみにカラーバリエーションはプラマードUが「ホワイト」「木目クリア」「木目ナチュラル」「ミディアムオーク」の4種類に対して、インプラスは「ホワイト」「ライトグレー」「ライトウッド」「ニュートラルウッド」「キャラメルウッド」「ショコラーデ」の6種類です。よって色合いの選択肢もインプラスの方が多いことになります。

中村建硝での販売価格

実際に二重窓を設置する際は窓ガラスの費用も考慮して計算しないといけません。中村建硝に依頼した場合の費用は以下のリンクの通りです。基本的にはインプラスの方が安値で設定されていますが一般複層ガラス、防音ガラス、和室用ガラス(単板・ペア共に)はプラマードUの方がわずかに安値になっています。

https://nakamura-genkan.com/window-pair/

ちなみに「防音ガラス ソノガラス」はインプラスが96,480円なのに対してプラマードUが98,100円なので差額は約2,000円しかありません。徹底的に防音性能を追求したいのであれば内窓のガラスを防音ガラスにするべきですが、両者の金額はほとんど変わらないのでどちらにするかはそれぞれの特徴を考慮するべきでしょう。

まとめ

二重窓を設置する事は防音対策にとって非常に効果的ですが地面や壁を振動する騒音には効果が無いので注意して下さい。インプラスとプラマードUを比較した場合、防音性能は互角ですが価格設定はインプラスの方が安値になっています。実際に選ぶ際は値段のそれぞれの特徴(お手軽ロックとダストバリア)も考慮してみて下さい。

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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