玄関ドアには、大きくわけて開き戸と引き戸があります。
開き戸には、片扉、片袖フィックス、親子ドア、両扉、両袖フィックスなどがあります。
ランマの有無も選択できます。
既存のドア枠にある程度の大きさがあれば、この中のどれでも付けられるのですが、見た目の印象は大きく変わります。
最近の流行は開口部をできるだけ大きくとった一枚ドア。
左右どちらかに採光窓付きで、ランマ無しが人気です。
両袖にするか、片袖にするか、
微妙なサイズで迷う場合は、ドアを大きくして片袖にするのがおすすめです。
人間が出入りするために必要な開口部の幅は、60cmが最低限と言われているので、60cmあれば出入り自体はできるのですが、あまり小さなドアは玄関にはふさわしくありません。
玄関は、家の顔となる重要なデザインポイントだからです。
外壁はいじっていないのに、玄関ドアを変えるだけで威厳や風格が出るというのも、玄関ドアリフォームをおすすめする理由です。
玄関ドアの幅は、最低800cm〜850cmが一般的です。
高級マンションや大きめのお宅だと、900cmのタイプもあります。
無理に両袖にするよりは片袖でゆとりを持たせ、
800cmを確保する方が将来的にもメリットがあります。
もしご家族の誰かが体が不自由になって、車椅子を使うことになった場合、幅の狭い玄関では再びリフォームの必要が出るかもしれないからです。
車椅子のサイズはJIS規格で決められていて、手動が幅630mm、電動が幅700mmです。
肘の張り出しがありますから、出入りには800cmが必要でしょう。
日本の玄関ドアは、どんどん高くなってきています。
窓はいったん大きくなった後で、耐震性や防犯の問題から、現在は再びサイズが抑えられた傾向ですが、ドアだけは大きくなる一方という印象です。
昭和までの日本の家屋では、人が出入りする建具が180cmの高さが基本でした。襖が170〜180cmくらいが平均的で、玄関も180cm程度。
畳に座る文化でしたから、開口部が低くでもそれほど気にならなかったのかもしれません。
また、江戸時代の日本人の平均身長は男性でも157cmと言われていますから、180cmあればまったく問題なかったのです。
これが平成になると、ドアの高さはぐんと大きくなり、200cmになりました。
ライフスタイルの変化で日本人の成人男子の平均身長は171cmまで伸びています。
人間工学的に、開口部の高さは身長プラス30cmが快適と言われていますので、200cmのドアは理にかなっているわけです。
しかし、現在の玄関ドアはさらに大きくなって、
新築では230cm以上を取付けるのが一般的になりました。
天井いっぱいサイズの大きなものも人気です。
大きくなってきている理由は、単純に見た目の高級感、開放感があるため。
最近は防犯性能もしっかりした採光窓付きドアが出ているので、
大きなドアにしても圧迫感がありません。
ランマはランマで、メリットがあります。
あくまでも流行ということで、ご参考になさって下さい。