断熱ドアの性能を比較する時に、参考になるのが「熱貫流率」という数字です。
これは、熱の伝えやすさを表したもので、数字が小さいほど断熱性能が優れているということになります。
しかし、残念なことにメーカーがこの数字をしっかり出していないのです。
電気代がいくら節約になるのかも、メーカーにはデータがありません。
おそらくまったく同じ条件で実験を行うのが困難なこと、電気代が地域によって違うためです。
YKKのドアリモには、三段階のレベル別の断熱ドアがあります。
リクシルのリシェントにも、三段階のレベル別断熱ドアがあります。
この二つのメーカーの断熱ドアを、それぞれ熱貫流率(K値)で比較すれば、断熱性能のランキングができるはずなのですが、どちらのメーカーも細かいK値が公表していないようです。
申し訳ありませんが、結論から言って、比較は難しいです。
リクシルのリシェントの方は、以下のように数字が出ています。
K1.5…高断熱仕様
K2…断熱仕様
K4…比較的温暖な地域におすすめ
参照サイト:http://www.lixil.co.jp/lineup/entrance/rechent_door/feature/eco/
ただし、これは目安となるキャッチコピーのようなもので、正確なデータという扱いではないようです。
というのも、ドアの断熱性能は、ドアの素材、枠の素材や構造、
ガラス部分の構造によって決まるからです。
当然、ガラス面積が大きければ大きいほど、熱貫流率は高くなります。
しかし、デザインごとのデータはメーカーサイトにもカタログにも掲載されていません。
リフォーム専用ドアはサイズ調整をお客様の注文ごとに行う、いわばセミオーダーですので、
商品ごとに断熱性能にごく僅かな誤差が出ます。
そのため明言避けているのかもしれませんね。
それでは、「断熱ドアにすると電気代節約になる」というデータがないかを調べてみました。
これも、YKKもリクシルも、具体的な数字は発表していません。
空調費は空間の大きさによって決まりますし、電気代は地域によって違うためでしょう。
(各メーカー、「電気代が安くなります」と言い切っているので、一例くらいはデータが欲しいところですが…)
高断熱住宅の電気代が安いことだけは、間違いありません。
国土交通省の調べによると、80年代に建てられた旧省エネ規準の住宅の冷暖房費92,000円に対し、1999年以降に建てられた次世代省エネ規準の住宅の電気代は52,000円という結果が出ています。
ただ、玄関リフォームだけ行って断熱ドアにしたからといっても、冷暖房費が安くなるというところまでは言いにくいと思います。
なぜなら、玄関に冷暖房を付けっぱなしにしているお宅は、そもそもあまりないからです。
大抵の場合、玄関と廊下やリビングの間にはドアを一枚入れて空気の流れを遮断していますね。
ですから、冷暖房費が安くなるとしても誤差の範囲でしょう。
ただし、玄関の温度そのものは、寒さが軽減したという意見が多くあります。
弊社が断熱ドアを取付けたお客様から、確かに結露は完全になくなったという声を多く頂戴します。
感覚的な話になって申し訳ありませんが、関東圏でしたら、ドアリモもリシェントも、段説性能は下からい番目か二番目で十分です。 お客様から伺っている断熱の実感レベルなど、現地調査の際にお伝えできればと思います。