コラム

公開日:2017年8月25日

/ 最終更新日:2022年11月12日

かんたん内窓のお見積り

エコガラスに防音性能はあるか?

エコガラスとは数ある複層ガラスの中の一種類で、旭硝子株式会社、日本板硝子株式会社、セントラル硝子株式会社の3社が製造している複層ガラスの総称を意味します。エコガラスは遮熱・断熱性能に優れているので気温差の激しい季節でも快適な室内空間を作り出し、エアコン代の省エネにも役立ちます。

そんなエコガラスですが防音性能はあるのでしょうか?窓をリフォームする際に依頼人が求める性能は遮熱・断熱の他に防音性能もかなりのウェイトを占めています。そこで今回はエコガラスの防音性能についてご紹介します。ただ単にエコガラスを取り付けるだけでなく、より防音性能を高くするための方法についても迫ってみました。

防音性能が上がる仕組み

騒音の侵入ルートについて

まずはリフォームによって防音性能が上がる仕組みについてご紹介します。最近は防音性能に特化した窓のリフォームを多くの業者が手掛けていますが、実際の防音性能とは窓ガラスではなく窓枠いわゆるサッシの種類によって左右されます。

外で発生した騒音が室内に入ってくる際のルートは窓の他に壁や排水溝や地面など様々なルートがあります。その中でも騒音のルートの一番の割合を占めているのが窓なのですが、実は音が伝わってくるのはガラスではなくサッシです。

特にリフォームがなされていない住宅ではアルミ製のサッシが使用されています。アルミ製のサッシは丈夫で長持ちするのが特徴的ですが音を通してしまうので騒音対策には不向きです。そこで内窓を設置すれば窓そのものが二重構造になりますので当然防音性能は上がります。また新たに設置する内窓のサッシを気密性の高いサッシにすれば尚更防音効果を上げることが出来ます。

防ぎきれない騒音

完全な防音は不可能

騒音対策に特化したサッシを取り付けるとかなりの防音効果が期待できます。しかしいくらリフォームをしても防ぎきれない騒音というものが存在します。そもそも外から伝わってくる音とは「空気によって伝わる音」と「建物から伝わる音」の2種類あり、空気の音はリフォームによって防ぐことが出来ますが建物からの音はリフォームをしても対策にはなりません。

まず「空気によって伝わる音」とは自動車のクラクションや近所の人々が発する音などが挙げられます。これらは窓や壁を伝って室内に侵入してくるので窓のリフォームによって防ぐことが出来ます。

しかし「建物から伝わる音」とは工事現場の重機が地面に穴を削ったり電車が線路を走るときに生じる振動などの地面を伝って来る音の事を意味します。これらの音は窓ではなく地面を伝って住宅そのものを振動させている音なのでリフォームでは対処しきれない騒音と言えます。

結論:エコガラスに防音性能は無い!

ここまでご紹介した内容をまとめると防音のリフォームに重要なのは窓ガラスではなくサッシの部分で、地面を揺らすような住宅全体から伝わってくる音には対処できないという事になります。

つまりエコガラスにリフォームしただけでは防音性能は変わらないので、エコガラスに防音性能は無いという事が言えます。エコガラスはあくまでも遮熱・断熱性能に優れている複層ガラスなので性能を過信しすぎないように気を付けましょう。

防音性能を上げるためには

防音に特化したリフォーム

ただ単にエコガラスを取り付けただけでは防音性能は大して期待できないことが分かりました。ではどのようなリフォームを施せば防音性能を上げることが出来るのでしょうか?

防音ガラスを取り付ける

騒音対策を施すならば遮熱・断熱に優れた複層ガラスではなく、防音効果に特化した防音ガラスを設置する事をお勧めします。防音ガラスとは使用されているガラスの厚みが増していたり遮音性に優れた特殊な金属膜が貼られている製品などがあります。防音ガラスならば当然外部からの音の侵入を防ぐだけでなく室内の音漏れも防いでくれるのでプライバシー保護にも役立ちます。

気密性の高いサッシを取り付ける

騒音対策を施す上でサッシの交換は窓ガラスと同じかそれ以上に重要なポイントです。そのため気密性の高いサッシを取り付けることで十分な防音性能を得ることが出来ます。

また、気密性の高いサッシに防音ガラスを取り付けることで防音効果がさらに上がります。もし騒音対策のリフォームを検討しているならば窓ガラスとサッシの両方のリフォームを検討してみて下さい。

内窓で防音効果を上げる

内窓とは?

防音効果を上げるリフォームは普通のエコガラスではなく防音ガラスや気密性の高いサッシを利用することで実現することが出来ますが、窓そのもののリフォームではなく内窓を取り付けることでも防音効果を上げることが出来ます。

内窓とは従来の窓のがある部屋の内側にもう一か所窓を取り付けることで、窓の二重構造を作ることを言います。内窓を付けると単純に壁が2つになることと同じなので防音だけでなく断熱・遮熱・防犯機能も上げることが出来ます。また内窓の設置は従来のリフォームと違い何かを「取り外す」という作業が無いので比較的短時間で工事を終わらすことも出来ます。

さらに内窓を取り付ける際に上記でご紹介した防犯ガラスや気密性の高いサッシを内窓として取り付ければ尚更防音効果を上げることが出来ます。よって「防音ガラス」「気密性の高いサッシ」「内窓」の3点を取り入れれば最強の防音リフォームを実現することが出来るでしょう。

内窓の弱点

内窓の弱点は内窓を取り付けることによって窓が2か所になるので開閉する際に煩わしくなります。そのため頻繁に開け閉めする窓は内窓を取り付けると厄介になってしまうかもしれません。また内窓の取り付け工事は強制的に窓ガラスと窓枠とサッシの全てを取り付けなくてはならないので普通のエコガラスの修理・交換よりも費用が割高になってしまいます。

エコガラスの防音性能:まとめ

いかがでしたでしょうか。ベーシックなエコガラスには防音効果を期待できませんので、防音目的で設置することはお勧めできません。しかし防音効果の高い防音ガラスやサッシを取り付けることで騒音対策に大いに期待が持てます。それぞれの素材の性能を見極めて理想のリフォームを考えてみて下さい。

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マイスター社長
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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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