
最近、高断熱窓について調べているんですが、結局「樹脂サッシ」と「アルミ樹脂複合サッシ」のどっちがいいかよく分かりません。

樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシにはそれぞれ違うメリットとデメリットがあるので、窓を選ぶ際は注意しましょう。
今回はこれまで4,000件以上の玄関ドアのリフォーム工事をしてきた”玄関ドアマイスター”が、樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのメリット・デメリットや窓選びのポイントを詳しく解説します。
窓サッシの種類と高断熱窓
住宅用窓サッシには主に4つの種類があります。
①全てがアルミ製の「アルミサッシ」
②アルミと樹脂の両方が材料の「アルミ樹脂複合サッシ」
③樹脂のみで作られる「樹脂サッシ」
④フレームや障子が全て木で作られる「木製サッシ」
この中でも最近の主流はアルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシで、新築住宅のみならず既存住宅のリフォームでも多くの現場で採用されています。
アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシが普及した背景には、材料の特性が関係します。
アルミニウム合金の熱伝導率(W/(m・K))は200程度なのに対して、樹脂は0.1〜0.3程度と1/2000しかありません。
熱伝導率とは簡単に言うと「熱の通しやすさ」を表す指標なので、熱伝導率が高い材質ほど“熱しやすく冷めやすい”ということになります。
そのため、材料に樹脂を用いるアルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシはサッシ枠からの熱の出入りを防げるのです。
樹脂サッシのメリット・デメリット
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのメリットとデメリットには違いがあります。
メリット
樹脂サッシは主なパーツが樹脂製なので、アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシと比べて断熱性能の高さが一番の特徴です。
さらに、樹脂はアルミよりも柔らかいので閉めた時の気密性や遮音性が高いという口コミも見かけます。
色々なカラーや木目調にプリントできる点もポイントです。
ただし、国土交通省の調べによると、新築住宅への樹脂サッシ採用率は約22%でアルミ樹脂複合サッシの1/3程度にとどまっているのが現状です。(参考:国土交通省|「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」ヒアリング資料)
デメリット
樹脂サッシのデメリットは主に4点あります。
- ・耐候性が低い
- ・値段が高い
- ・開け閉めする時に重い
- ・フレームが太い
窓の屋外側はいくら上に庇があっても、紫外線や雨に当たってしまいますよね。
樹脂サッシの原料である塩化ビニールは車のパーツとか雨樋にも使われるのですぐに劣化することはありませんが、アルミと比べると耐候性が低いのは事実です。
すぐに壊れたり性能が落ちたりしなくても、色褪せが気になるという口コミも少なくありません。
こちらの写真は、設置してから3年経った樹脂サッシですが、黒色がかなり色褪せているのが分かります。

外側が樹脂の枠で、内側がアルミの網戸です。新築時にはほぼ同じ色のブラックでしたが、樹脂部分は3年でこんなに色あせてしまいました。
また、日本では樹脂サッシの普及率がまだまだ低いのでその分アルミ樹脂複合サッシと比べると値段が高い点が気になります。
メーカーにもよりますが、樹脂サッシの価格はアルミ樹脂複合サッシの1.3〜1.4倍ほどになるが一般的です。
そして、樹脂はアルミニウムよりも強度が低いので、窓サッシとしての耐久性を保つためには材料を分厚くして枠も太くしなくてはいけません。
そのため、結果的にアルミサッシやアルミ樹脂複合サッシよりも樹脂サッシは重くなってしまうのです。
見た目の面で樹脂サッシのフレームの太さが気になるという声もよく聞きます。
枠の太さは窓の見た目にも影響するので、窓をすっきり見せたい人には樹脂サッシよりもアルミ樹脂複合サッシの方がおすすめです。
アルミ樹脂複合サッシのメリット・デメリット
樹脂サッシのデメリットを解消するために作られているのがアルミ樹脂複合サッシです。
アルミ樹脂複合サッシは、これまで主流だったアルミサッシの欠点である断熱性の低さを解消するために、室内側を樹脂製にした窓です。
(引用:LIXIL)
この図を見ると、屋外側は紫外線や雨に強いアルミで作られていて、室内側は熱の出入りを防げる樹脂製であるのが分かりますよね。
メリット
アルミ樹脂複合サッシは、部分的にアルミ製にすることで開け閉めが重くなったりコストが高くなったりするのを抑えています。
樹脂サッシよりも強度を保ちやすいので、大きな窓のサイズにも対応できる点が強みです。
デメリット
アルミ樹脂複合サッシには大きなデメリットはありませんが、強いてあげれば「樹脂サッシよりも断熱性は劣る」という点には注意が必要です。
確かに全部のパーツが樹脂製の樹脂サッシと比較すると、枠の部分においてはアルミ樹脂複合サッシの断熱性は若干劣ります。

窓の断熱性能はガラスを含めた窓全体で比較する必要があります。窓全体であれば、どちらの断熱性能もほぼ変わりません!
そのため、耐候性やコストの低さ、操作性を総合的に考えて、アルミ樹脂複合サッシを選ぶ人が多いのが実情です。
窓選びのポイント
断熱性は樹脂サッシが有利で、耐久性・コスト・操作性のバランスがいいのがアルミ樹脂複合サッシです。
しかし、それでもまだ「樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのどちらにするか判断できない」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここでは窓サッシを選ぶ時のポイントを紹介します。
その①「サッシよりもガラスにお金をかける」
断熱性を重視するためにコストの高い樹脂サッシを選ぶことは決して間違いではありません。
ただし、ガラスを高断熱仕様にする方が優先順位としては上です。
- 単板(厚さ5mm)=熱貫流率 5.9W/㎡・K
- ペアガラス(ガラス3mm+空気層6mm+ガラス3mm)=熱貫流率 3.3W/㎡・K
- ペアガラス(ガラス3mm+空気層12mm+ガラス3mm)=熱貫流率 2.9W/㎡・K
- LowEペアガラス(LowEガラス3mm+空気層12mm+ LowEガラス3mm)=熱貫流率 1.7W/㎡・K
- LowEトリプルガラス(LowEガラス3mm+ガス層10mm+ ガラス1.3mm+ガス層10mm +LowEガラス3mm)=熱貫流率 0.59W/㎡・K
※ガラスのメーカーや種類によって熱貫流率の数値は異なります
単板ガラス、いわゆる昔ながらの一枚ガラスと最高グレードのLowEトリプルガラスの断熱性を比べると、10倍もの差があるということです。

窓面積のほとんどがガラスなので、サッシ枠の断熱性を高める以上にガラスの断熱性が重要です。そのため、ご予算に合う窓を選ぶ際は、サッシ枠よりもガラスに費用をかけた方がコスパは高くなります。
その②「リフォームなら内窓に樹脂サッシを採用する方法も」
「樹脂サッシの断熱性は魅力的だが、紫外線による劣化が心配」とか、「費用を抑えて樹脂サッシをつけたい」という方は、内窓を設置するというプランも検討しましょう。
LIXILの内窓はどれも樹脂製なので、既存窓の内側に取り付けると高い断熱性を発揮します。
ここで例として幅1.8m・高さ1mの引き違い窓で外窓用樹脂サッシと内窓の価格を比較してみましょう。
- 樹脂製内窓:約9万円/カ所
- 樹脂製外窓:約25万円/カ所
つまり、内窓を設置するプランなら、1/3くらいの費用で樹脂サッシの断熱性能を手に入れられるということです。
その③「最適な窓サッシは地域によって違う」
日本は、北は北海道から南は沖縄まで寒さや暑さの度合いが異なるため、
家の建っている場所によって最適な窓サッシは変わります。
(引用:国土交通省|地域区分の見直し)
国の定めた省エネ基準にかかわる地域区分で5から8の地域では、必ずしも樹脂サッシをつけた方がいいとも限りません。
アルミ樹脂複合サッシの断熱性でも十分寒さをしのげるという意見がほとんどです。
最近のアルミ樹脂複合サッシは樹脂サッシの断熱性能にかなり近づいていると言うのも重要なポイントです。
例えば、LIXILの製品を例に挙げると、樹脂サッシの熱貫流率「1.27」に対して、最新アルミ樹脂複合サッシであるTWシリーズの熱貫流率は「1.44」と、かなり断熱性能の差が小さくなっていることが分かります。(参考:LIXIL|樹脂窓 EW:断熱、LIXIL|ハイブリッド窓TW:断熱)

既存の窓が古いアルミサッシの場合、関東よりも南のエリアでは、アルミ樹脂複合サッシでも十分断熱効果を実感できます。
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まとめ
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのどちらにするか迷ったら、それぞれのメリットとデメリットを比較して、お住まいのある地域に合わせて最適な窓を選びましょう。
2025年は「先進的窓リノベ事業」や東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」など断熱窓に関連するお得な補助金が実施されるので、窓リフォームを検討している人にとっては大チャンスです!
過去の動画では補助金について詳しく解説していますので、ぜひチェックしてください。
私たち「玄関ドアマイスター」は、昭和5年の創業以来建具一筋!窓・玄関ドアリフォームの施工件数全国1位をこれまで何度も獲得している直販会社です。どこにも負けない明瞭価格に、高品質な施工と対応、安心のアフターサービスの3点が揃っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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