玄関引戸は構造上使用年数が経過すると、必ず戸車が減ってきてとの動きが悪くなってしまいます。そのまま使用しているとレールも凸凹になってしまい修理できない状態になります。また、開き戸よりも建物の曲がりに影響を受けやすく、建付けの狂いが出やすいのも引戸の特徴です。修理では対処しきれない不具合が発生したら交換リフォームすることをお勧めします。リフォームすることで最新の防犯対策になりますし、新たな機能を追加することも出来ます。そこで今回は玄関引戸をリフォームすることで得られる効果についてご紹介します。
玄関引戸をリフォームしたい
引戸タイプの玄関ドアを使用している住宅ではトラブルが発生することが多々あります。良くある事例では戸車が老朽化したことにより動かしづらい、あるいは動かなくなってしまう事です。他には冬場の冷え込みやすさや防犯への心配なども考えられます。
修理で解決できないなら交換しよう
玄関引戸のトラブルは部品を修理すればある程度は解決できます。戸車がすり減ってもレールが傷つく前ならば戸車の交換で済みます。ただし、建物の曲がりなどが原因して隙間ができてしまった場合などは交換リフォームするしかありません。根本的な玄関引戸の建付けの問題は修理しても直すことは出来ません。そのため玄関引戸の問題を完全に解決するためにはリフォームが必要になります。
リフォームをすれば新品の引戸に交換できるので、不具合を解消できるだけでなく新たな性能を加えることも出来ます。築年数の長い住宅であっても玄関引戸をリフォームすれば、居心地の良い玄関を目指すことは出来るので是非検討してみて下さい。
老朽化した引戸のデメリット
引き戸タイプの玄関ドアは主に古くから住まわれている日本家屋の住宅に使用されています。住宅自体の築年数が長いため玄関引戸も年季の入った製品を使用している家庭はまだたくさんあります。しかし玄関引戸はいつまでも使い続けられるわけではありません。老朽化によって様々なデメリットを引き起こしてしまいます。
動かしづらい
老朽化した玄関引戸によく見られるトラブルは「動かしづらい」事です。玄関引戸の動きが悪くなってしまう原因はたくさんあります。よくあるケースは戸車の破損です。戸車は引戸の底部についている車輪のことで、これを左右に動かすことで扉を開閉できます。しかし玄関引戸を長く使用しているとホコリや砂利が詰まったり、扉自体の重さに耐えきれなくなって正常に動かなくなってしまいます。戸車の不具合に関しては部品を交換するだけで解決できますが、新築から10年以上経過している場合には、交換できる戸車が廃番で入手できないケースが多くあるので注意が必要です。
しかし扉本体の老朽化に関しては修理では解決できません。玄関引戸は最初の頃こそ枠にピッタリはまりますが、長く使用し続けることで隙間が空いてくることがあります。地盤が緩い土地にある住宅だと建物が歪んで扉が動かせなくなったり、閉め切った状態でも隙間風が生じてしまう事があります。こうなると部品を交換あるいは修理しても意味が無いので玄関引戸そのものを交換しなければなりません。
見栄えが悪い
築年数が長くていかにも古びた家に使用されている玄関引戸は見た目の劣化も激しくなっています。戸本体の色褪せ、隙間に溜まったゴミやホコリ、一昔前の住宅をイメージさせるデザインなど玄関引戸の老朽化による問題はたくさんあります。色褪せやホコリの蓄積などは掃除しても中々綺麗になりません。限界を感じたら新しい製品に交換してしまった方が良いでしょう。
玄関引戸によるバリアフリー対策
玄関引戸は不具合が発生したら交換して正常に使える状態を保ちましょう。洋風住宅に使われる開き戸タイプに比べたら需要の少ない引戸ですが、実はバリアフリー住宅に向いているという強みがあります。
動かしやすい
玄関引戸は扉を左右にスライドさせて動かすタイプなので、開き戸に比べて動かしやすいという特徴があります。正常に作動する引戸であれば少し力を入れるだけで動かせるので余計な負担がかかりません。そのためお年寄りや小さな子供でも問題無く使用できます。
開口部が広い
引戸は開き戸に比べて開口部が広いという特徴があります。扉1枚分のスペースを開けられるので車椅子に乗っている人や松葉杖をついている人でも問題無く通れます。逆に開き戸は前後にドアを動かすので、扉を開放させる際に障害者にとって難しい動きを要求されます。そのため足に障害を抱えている人にとってドアは開き戸よりも引戸の方がありがたい存在です。
以上の理由から医療・介護施設の扉は基本的に引戸になっています。またバリアフリー対策を追求したタイプとして段差が無いタイプの引戸もあります。これは車椅子の利用者が扉を通過する際に引っかからないようにするための対策設備です。
たたきのスペースが広い
他にも玄関引戸が使用されている住宅の場合、たたきのスペースが広いという特徴もあります。日本には昔から玄関に腰掛けて来客と会話するという風習があったため、日本家屋の玄関は広いスペースが取られています。このスペースを利用すれば手すりや段差を越えるためのスロープなどの新たなバリアフリーグッズを追加することも出来ます。つまり玄関引戸は総合的に見てもバリアフリー対策に向いている扉であることが分かります。
防犯への配慮
玄関引戸は構造上の理由から、開き戸に比べて防犯面に関して劣ってしまっています。セキュリティー対策を施したいのであればこれらの問題を解決しなければなりません。
性能の高い鍵を搭載出来ない
玄関引戸の鍵は2枚の扉が交差する中央部に付いています。この鍵は差し込み部分が凹凸のギザギザになっているごく一般的なタイプです。この鍵は広く普及していますが、その反面ピッキングの被害に会いやすいという危険性もあります。また引戸は奥行きが狭いため鍵による固定の強度もそれほど強くありません。そのため棒状の金属を使って無理矢理こじ開けるといった方法も出来てしまいます。
ガラス破りされやすい
玄関引戸は室内の日当たりを良くするためにガラス面を多く使用しています。ガラス面が多い玄関ドアはガラス破りによって鍵を不正解錠される恐れがあります。
築年数の長い住宅に使用されている
年季が入っていて老朽化が進んでいる玄関引戸も泥棒や空き巣に狙われやすい原因の一つです。ただ単に古びているからといって侵入されやすいわけではないのですが、不審者は古びたドア=防犯対策が出来ていないと考えるので狙われる可能性は高くなってしまいます。無用なトラブルを起こす前に新しい製品に交換しましょう。
リフォームして防犯対策を施す
新品で綺麗な玄関引戸
前述の通り古びたドアは不審者に狙われやすいので綺麗な新品の玄関引戸に交換すれば泥棒も空き巣も寄り付かなくなるので防犯対策としても十分な効果を発揮します。
オプションを付ける
現在リフォーム用の玄関引戸を販売しているメーカーは防犯対策に特化したオプションも用意しています。例えばディンプルキー(複数の穴が付いている鍵)は使い方が従来の鍵と同じなのにピッキングは非常に難しい構造なのでお勧めです。他にも鍵を扉の中央部だけでなく戸当たりにも付けられる二重ロックなどもあります。
その他防犯対策
それでも玄関のセキュリティーに不満を感じている方はさらに防犯対策グッズを使用しましょう。防犯カメラで24時間撮影すれば有事の際に犯人をすぐに特定できます。レプリカカメラでも十分な抑止力となります。
それ以外ではドアに近づいた人を感知して点灯するセンサー式ライトも防犯対策として有効です。
まとめ
玄関引戸は様々な原因によって不具合を引き起こしてしまいます。老朽化が進んでこれ以上使い続けることが難しい場合は新しい扉に交換してしまいましょう。その際にメーカーが用意するオプションを追加すればより一層使いやすい玄関引戸を手に入れられるでしょう。
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