コラム

公開日:2018年10月4日

/ 最終更新日:2022年11月12日

かんたん内窓のお見積り

断熱性能を向上するなら複層ガラスは低放射がおすすめ。

複層ガラスは製品によって性能に大きな違いがありますが、その中でも低放射性能がある複層ガラスは特に優れた断熱効果が期待できます。では低放射性能がある複層ガラスとそうでない製品にはどのような違いがあるのでしょうか?今回は複層ガラスと熱の放射の関係性についてご紹介します。

伝導・対流・放射による熱移動を解説

熱が移動するパターンは「伝導」「対流」「放射」の3種類があります。どれも室内の温度変化に影響を与えていますが、複層ガラスの低放射性能にはこの中の放射が深く関わっています。

伝導(熱を直接伝える)

物体の温度は熱い方から寒い方へ移動する性質があります。そのため温かい物体の周囲の気温が低い場合あるいは温かい物体に冷たい物体が隣接している場合に熱は冷たい空気や物体へ移動します。これを伝導と呼びます。

日常生活における伝導

例えばフライパンで料理を作る際に火を点けて食材が温まるのは、食材が火で焼かれているからではなく熱せられたフライパンから熱が伝導していることが原因となります。フライパンによって熱せられた食材は表面の部分が温められますが、そのまま火にかけ続けると次第に熱が食材の中身にまで伝導します。しかし火を消してフライパンの上で食材を放置しておくと、冷めたフライパンへ温かい食材の熱が伝導してしまいます。

床暖房も熱伝導を利用しています。床暖房は床の内部に暖房器具が設置されていて電源を入れると床全体が温まります。そのため温まった床や絨毯を踏んで足に熱が伝導することにより温かさを実感できます。また熱は下から上へ移動する性質があるので床で温まった空気が上昇し部屋中に充満することで室温も温かくなります。つまり床暖房は上から温風を吹き付ける暖房よりも効率良く部屋を暖めることが出来ます。

アルミは熱伝導率が高い

ちなみに熱伝導率が高いことで有名な金属はアルミと銅です。これらは熱しやすく冷めやすい性質なので使いやすい調理器具として人気があります。しかし熱の影響を受けやすいことは弱点でもあります。アルミ製の窓のサッシは夏の日差しによる熱気を室内へ伝導してしまいますし、外が寒い冬の時期にはせっかく暖房器具によって温められた室内の温度を外へ逃がしてしまいます。耐久度が高いためアルミ製のサッシは全国的に普及していますが、実はアルミは窓のサッシには不向きな金属なのです。

対流(物質の流れによる熱移動)

熱は物質の移動によって運ばれることもあります。この場合の物質とは流体と呼ばれる液体もしくは気体を意味します。熱を持った物体が流体に接触すると流体の動きに合わせて熱が移動し物体の温度が下がります。これを熱の対流と呼びます。

日常生活における対流

例えばラーメンの麺を箸ですくって空中で放置しておくと空気の熱伝導によって熱が冷めます。その状態で麺に息を吹きかけると風によって熱が運ばれるのでさらに温度が冷めます。この息によって麺の熱が冷める現象が対流です。

対流は物質の移動の勢いが強い方がより一層温度の移動が大きくなります。私達が外出中にそよ風に吹かれるよりも強風に吹かれる方が寒さを感じるのは対流が関係しています。強風の方が対流の勢いが強いので体から熱が逃げ出して寒さを感じてしまいます。

複層ガラスに対流はNG

この対流は複層ガラスの内部で発生してしまうと断熱効果を得られなくなってしまいます。複層ガラスの中空層は対流を発生させないために、断熱効果が得られる範囲内でなるべく薄い幅を保っています。もし複層ガラスの中空層が厚かったら、冬場の室温に触れて温められたガラスによって温かい空気が中空層に流れ込み空気の流れ(対流)が発生します。

対流が発生すると熱が外側のガラスを伝って外へ逃げてしまいます。この現象が続くと中空層を介して室温がどんどん外へ逃げてしまうので断熱とは程遠い状態になってしまいます。そのため複層ガラスの中空層は厚ければいいというわけではなく、むしろ最低限の厚みに留めておく必要があります。

放射(電磁波によって伝わる)

物質同士で直接熱が伝わる伝導と物質の流れによって熱が移動する流体以外にも熱が移動する現象があります。それが放射です。放射は複層ガラスの断熱性能において最も重要な役割を担っています。熱を帯びた物質は電磁波を発しています。その電磁波を他の物体が受け取ると熱が伝わって温度が上がります。これが放射と呼ばれる現象です。

日常生活における放射

日光は日常生活の中で最も有名な放射によって熱が伝わる現象です。太陽の熱を浴びた物質は太陽と直接関わっているわけでもないのに、太陽の熱によって温度が上昇しています。これは太陽から発せられる電磁波を受け取っていることが関係しています。

つまり放射による熱の移動は物体同士の間に物質が何もなくても発生します。そのため真空状態の宇宙空間であっても太陽の熱は移動しています。ただし地球上では真空状態は中々見られないので、熱が移動する際は放射と伝導(もしくは対流)が同時に発生しているケースがほとんどです。

電気ストーブも太陽と同じ原理(放射)を利用しています。エアコンは暖かい空気を風に乗せて放出しているので対流によって熱を移動させます。しかし電気ストーブは熱を放射することによって部屋中に移動させているので風が無くても室温を上げることが出来ます。

放射による熱移動は常に発生している

窓ガラスでも放射による熱の移動は発生します。日光を浴びて熱くなった窓ガラスは熱を放射しているので窓ガラスと直接触れ合っていない物体の温度も上昇させます。

逆に室内よりも外の方が寒い場合には暖房器具によって温められた窓ガラスが放射によって熱を逃がしてしまいます。この現象は室内よりも外の方が寒い状況が続く限りずっと継続するので、断熱対策を全く施していない窓ガラスは冬の時期に一日中部屋の暖かさを外へ逃がしていることになります。

低放射性能に優れた複層ガラスを選ぶ

低放射ガラスとはLow-eガラスのことを意味します。Low-e(Low Emissivityの略)ガラスには特殊な金属膜(Low-e膜)が貼られています。Low-e膜は銀、酸化亜鉛、酸化スズなどによって構成されていて熱の移動を抑える性能があります。銀や酸化した金属が使用されている理由は熱の放射率が低く、低放射性能に優れているからです。

低放射ガラスは断熱性能が高い

低放射ガラスを使用することで室温が窓から外に逃げるのを防いでくれるので冬の寒い時期でも暖房器具を使わずに温かい状態を維持できます。Low-e複層ガラスはかなり高い断熱性能が期待できるので、住宅だけでなく公共施設や自動車の窓ガラスにも採用されています。

逆に言うと低放射性能が施されていない複層ガラスはそこまで断熱効果を実感できないことがあります。例えば単板ガラスと乾燥空気を使用した一般的な複層ガラスの場合、2枚のガラスと中空層によって熱の伝導や対流を防ぐことは出来ます。実際に室内側のガラスは外の空気に面していないので熱の移動は既存の窓ガラスに比べれば少ないです。

しかし熱の放射に関しては既存の単板ガラスと変わりません。単板ガラスや乾燥空気という低放射性能がない物質を使用しても放射による熱移動は防ぐことが出来ないのです。中空層での熱移動は放射によるものが最も多いので、断熱目的で窓をリフォームするならばLow-e複層ガラスが向いています。

Low-e複層ガラスへのリフォームがおすすめ

MADOショップ取手東店で取り扱っている「かんたんマドリモ」や内窓「プラマードU」にもLow-e複層ガラスを取り付けられるので断熱効果を高めたい場合にはLow-e複層ガラスをお勧めします。

こちらでも低放射ガラスについて紹介しています。↓

低放射の意味とLow-e複層ガラスについて

まとめ

窓ガラスに断熱効果をもたらす上で熱の放射を防ぐことは大きな意味合いがあります。低放射性能があるLow-e複層ガラスとそうでない製品では断熱効果に大きな違いがあるのでリフォームする際は十分注意してください。

MADOショップ取手東店 窓リフォームマイスターはこちら

http://nakamura-genkan.com/works/

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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