ポスト付きの玄関ドアが危険な理由
玄関ドアにポストがついていると、雨が降っていても家から出ずにポストに投函されたものを取り出せるという便利さはありますが、主に2つの危険性があります。ひとつは敷地内に人が入ってくる回数が増えること、もう一つは不正開錠をされる恐れがあることです。
敷地内に人が入ってくる回数が増える
郵便配達の人やチラシのポスティングをする人が玄関ドアまで入って来るということは、他の人も怪しまれずに敷地内に入って来られるということです。強盗ではなくても、郵便ポストから玄関の中をのぞき込んだり、危険物を投げ入れたり、ポスト内の物を抜き取っていったりされる危険性があります。
郵便ポストから家の中を覗き込んでいる人は、不審者かもしれませんが、強盗の下見をしている人かもしれません。玄関ポストから可燃性の物を投げ入れられれば、火事になるかもしれません。ポストの中から、公的な手続きの書類や銀行関係の書類が入った郵便物を抜き取られてしまえば、悪用されてしまう恐れがあります。
門扉がきっちり閉じていて、敷地に入らずに投函できるポストがついているような場合には、用事がない人以外は気軽に敷地内に立ち入れない雰囲気が生まれ、その結果防犯性が向上します。
サムターン回しという不正開錠をされる恐れがある
まさか…と思われる人が多いと思いますが、玄関ドアのポストと鍵の位置関係によっては、ポストから腕を差し入れて、鍵を開けてしまうという侵入強盗犯の手口があります。これはサムターン回しという、玄関の内側についているツマミを回して鍵を開けてしまう手口です。
腕が届かない場合には、特殊な棒のような器具を使ってサムターン(ツマミ)を回すこともあります。ポストがついていなかったとしても、玄関ドアや袖のガラス部分を割る、玄関ドアに穴をあける、ドアスコープのレンズを外しそこから器具を差し入れるなどの方法で、サムターン回しをされてしまうこともあります。古い玄関で玄関枠と玄関ドアの間に隙間ができていれば、その隙間から器具を差し込むこともあります。
最新の玄関ドアには、このサムターン回しに対する防御策が施されています。
脱着式サムターン(YKKAPドアリモ)
脱着式サムターンとは、玄関内側のツマミが取り外せる仕組みのサムターンです。万が一、腕や器具を差し入れられあとしても、ツマミがないので回すことができず、開錠できません。
セキュリティサムターン(LIXILリシェント)
YKKAPドアリモの脱着式サムターンと同様に、LIXILリシェントでもサムターンが外せるようになっています。セキュリティサムターンという名称です。
防犯性に配慮した袖ガラス
窓のない玄関では採光の為には袖ガラスや玄関ドアのガラス部分が必要です。その為、採光しつつ防犯対策ができるよう、ガラス部分には格子がつけられていたり、ガラス部分自体を非常に細長くしたりといったデザイン上の工夫がされています。
コラム 玄関ドアの使い方で防犯性が変わる!サムターンやドアガードは適切に使えてる?
玄関ドアのその他の危険性
ポストや袖ガラスにあけた穴から腕や器具を差し入れてツマミを回して開錠するサムターン回し以外にも、築年数の古い住宅の玄関ドアには、いくつもの危険性があります。
ピッキング
鍵穴に特殊な器具を差し込み、開錠する手口をピッキングと言います。昭和時代から数年前まで、非常に多くの数が出回っていたディスクシリンダー錠は、ピッキングへの抵抗力はありません。あまりに多くの数が出回っていた為、ピッキングに使う器具も含めて、ピッキングを成功させるテクニックが犯罪者の間に広まっているからです。
数年前から新築住宅には使われなくなっていますが、築年数が長い住宅には、この鍵がつけられている可能性が高いです。見分け方としては、MIWAというメーカー名が刻印されている、鍵の両側に三角の切れ込みのギザギザがついているという2点が挙げられます。
参考サイト MIWA 廃止シリンダー/廃止製品一覧
この他にピンシリンダー錠が使われている場合もあります。最近のシリンダー錠は、ピッキング対策が施されている製品になっていますが、古いピンシリンダー錠は、ディスクシリンダー錠以上にピッキングに弱い鍵です。
最新の玄関ドアには、ディンプルシリンダー錠というクボミのある形状の鍵が使われています。ディンプルシリンダー錠は、ピッキングに対して非常に強い抵抗力を持つ鍵で、現在の手動キーの中で最も防犯性の高い鍵です。
ピッキング対策には、デインプルキーに加え、スマートキーを使うという方法があります。スマートキーは手動キーを使わず、リモコンやタグキー、カードキーを使って玄関ドアの鍵の施解錠をします。手動キーと併用しない場合には、鍵穴の見えないドアハンドルが付けられる為、それだけでもピッキング対策の一助となります。
また、YKKAPドアリモ、LIXILリシェントともに、さらなるピッキング対策が施されています。2つの鍵のうちの一つを不正開錠しても、もうひとつのカギを数十秒以内に開けなければ、不正解錠したカギが再ロックされてしまうというピッキング防止機能が働きます。
こじ破り
玄関ドアと玄関の枠の間にできたわずかな隙間にバールなどを差し入れて、無理やりドアを開けて鍵を壊すという原始的な方法です。築年数の長くなった住宅や、地震の被害を受けた住宅では、住宅全体に歪みが生じます。その結果、玄関の枠と玄関ドアの間に、目視では確認しにくい隙間ができてしまいます。
その隙間を利用してドアをこじ開けられてしまう恐れがあります。最新の玄関ドアには、こじ破り対策として、錠受けにしっかりかみ合わさるデッドボルトが付けられているので、こじ開けに強い抵抗力があります。
参考サイト 警察庁 住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威
玄関ドアの疑問解決 建て付けの悪い玄関でも、リフォーム専用ドアは付きますか?
コラム 玄関ドアの隙間の防犯対策
玄関の防犯性を高めるには?最新の玄関ドアへの交換はどれくらいの有効性?
ポストや袖ガラスのついた玄関ドアの危険性を抑え、防犯性を高める為には、ポストがついている玄関ドアのポストの入り口をガムテープなどで塞ぎ、外付けの郵便ポストを門柱付近に設置する、袖ガラスに防犯フィルムを貼るなどの方法が挙げられます。ただ、これらの方法は確実ではなく、一時しのぎ的な対処法です。なぜなら、肝心の鍵に防犯性がないからです。理想的な方法は最新の玄関ドアへの交換です。
鍵の防犯性が高い
全ての侵入強盗の手口への対策が備えられています。侵入強盗犯の手口は年々進化している為、それを先取りするほどの対策を施すことが、玄関の防犯性を高めます。
スマートキーを導入できる
スマートキーには、鍵を取り出さなくても施解錠できる、自動施錠できるなどの特徴があります。これらの特徴は利便性を高める以外に、防犯性を向上させる効果もあります。
鍵を取り出さなくても施解錠できる
玄関からの侵入には、無施錠の玄関ドアからという手口があります。ゴミ出しや近所への回覧板回しなどで家を出る際には、鍵をかけるのが面倒で、すぐそこだからと思って鍵をかけないという人が意外に多くいますが、危険な行為です。リモコンキーなら、鍵を取り出さなくても玄関ドアのボタンを押すだけで施解錠できるので、面倒だから無施錠でゴミ出しに行くというようなことを防げます。
自動施錠できる
長時間の外出の際に施錠忘れをする人はあまりいませんが、帰宅時にはホッとして施錠忘れをしてしまうことがあります。スマートキーにはオートロックの機能がついています。防犯のためにオートロックに設定することも可能です。
参考サイト YKKAP玄関ドアの教科書 キースタイル
玄関の他の悩みも解決できる
築年数の長い住宅の玄関には、寒い、暗い、風通しが悪いなどの困りごとを抱える玄関もあります。そのような玄関内の環境は、断熱ドア、通風ドア、採光窓のついたドアなどへの交換で改善され、快適な玄関が実現します。
玄関ドアの疑問解決 玄関ドアを交換するメリットって何ですか?
玄関ドアの交換で住宅全体の防犯性は大きく向上します。玄関ドアのことなら何でもご相談ください。玄関の向きや玄関周りの環境に合わせて最適なご提案をさせていただきます。
お客様のご自宅に伺う仕事ですので、信頼を何よりも大切にしています。丁寧親切はもちろんのこと、マナーの徹底も行っています。仕事は、最後は人で決まるという部分があります。世界に唯一の商品やサービスを売っている会社なんて一握り。同じような価格、同じようなサービスは、他にもある。それでも「あの人に」と選んでいただける、そんな会社でありたいと思っています。
玄関ドアで困っていることがあれば、どんなことでもご相談ください。
玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。
家族にとっては、必ず毎日通る場所です。
きれいで快適な玄関は、生活の質を格段に向上させます。
新しい玄関で快適な生活を手に入れてください。