コラム

公開日:2018年10月27日

/ 最終更新日:2020年04月13日

強風による玄関ドアの破損について。対処方法は?

強風は玄関ドア及び玄関周りに被害を起こします。それは隙間風や浸水だけでなくドア自体の破損などあらゆるケースが考えられます。今回は強風時に玄関ドア周辺に起こりうる被害とそれらの対処方法についてご紹介します。

強風時の玄関ドアは危ない!

戸建ての住宅は頑丈な素材で出来ているとは言え自然災害によって破損する可能性は十分あります。それは玄関ドアにおいても同じことです。避難勧告が出るほどの大きな地震や津波などが滅多に発生しませんが、台風などによる強風はほぼ毎年訪れます。特に雨が降りやすい6月・9月の時期は大雨と共に強風が吹きつけて様々な被害を引き起こします。

①飛散する物体によってドアが壊れる

強風による被害は規模によって様々です。葉っぱやゴミが舞う程度なら掃除すればいいだけの話なので問題ありません。しかし木の枝や石が飛んでしまうほどの強風となると注意しなければなりません。固形物が飛散するほどの強風となると壁や玄関に物がぶつかって傷つけてしまいます。それはかすり傷程度のものもあれば機能を低下あるいは使用不可能にしてしまうほどの大きな被害に発展することもあります。

②ドアが傷ついて使い物にならなくなることも

強風により玄関ドアが傷つくと大変な被害となります。まず玄関ドアは住宅の顔とも呼ばれるほど重要なパーツです。住人は出かける際に必ず玄関ドアを開けますし、来客の訪問時も必ず玄関ドアを目にします。そんな玄関ドアが強風により傷ついているととてもカッコ悪くなってしまいます。

また窓ガラスが付いている玄関ドアの場合、強風によりガラスが割れてしまうこともあります。ガラスが割れると破片により怪我を引き起こすなどの二次災害に発展する可能性があるのでとても危険です。

③強風は避けられない。だからこそ対策が必要

元々日本は四季があり、気候の変化も激しいので台風は頻繁に発生しています。自然災害なので台風そのものを防ぐことは出来ません。しかし安全な生活を維持するためには玄関ドアに強風対策を施す必要があります。

そこで今回は強風発生時に玄関ドアに起こりうる事例と事故防止策をご紹介します。工務店の補償や保険によってある程度は賄えるとは言え事故を未然に防ぐことが大切です。強風による玄関ドアの不具合は未然に防ぐように心がけましょう。

強風時に玄関ドアに起こりうること

①強風による隙間風

強風が吹き付けるほどの激しい天気では、例え物がぶつからなかったとしても風自体がドアにぶつかります。玄関ドアは頑丈な素材で出来ているので基本的には風が当たっても問題ありませんが、不具合のあるドアの場合は隙間風が発生します。玄関ドアは建付けの悪さ・経年劣化・強い衝撃などによって小さな隙間が出来てしまうことがあります。日常生活ではそこまで気にならない程度の隙間でも強風が吹き付けると、とても迷惑な存在になります。

まず隙間風は音がうるさいです。台風が来ている際に自宅のドアや窓から「ヒュー!」という音が聞こえたことがある人は多いのではないでしょうか。これはごくわずかな小さい隙間でも発生します。隙間風の音は口笛の様に高音なのでかなり気になります。そのせいでプライバシーを侵害されてしまうこともあります。

また隙間風は室温の低下にも繋がります。隙間風が発生するということは玄関ドアの気密性が下がっているということです。隙間風が玄関に侵入すると空気が冷えてしまい玄関の気温が下がります。玄関が冷えるとリビングや寝室の室温にも影響し、暖房器具の無駄なエネルギー消費にも繋がります。

②玄関ドアがぶつかる音がする

玄関ドアは強風にあおられると音が鳴ることがあります。これは主に玄関ドアの建付けの悪さが原因で「ガタガタ」という振動音が聞こえます。強風による振動音は不規則なタイミングで聞こえるので自宅での作業中や寝ている間にも聞こえるのでとても迷惑です。

強風時に玄関ドアから振動音が鳴る原因はドアの隙間です。玄関ドアの隙間は丁番やラッチのネジが緩んでいる時に発生します。ネジが緩む原因は取り付け時の施工業者の技術不足以外にも、金属の経年劣化やドア自体の重みに耐えきれず傾いてしまうことも考えられます。他にも子扉に付いているフランス落としや郵便受けのフタが揺れてぶつかる音が鳴り響くこともあります。

玄関ドアの強風による振動音はどんなに機能性に優れた製品でも劣化によって発生することがあるので注意してください。また強風によるドアの振動を放置しておくとパーツ同士がぶつかって余計に経年劣化が増してしまうので早急に対処しましょう。

③大雨による浸水

外で強風が吹いている状況とは台風による大雨も考えられます。玄関ドアに雨水が当たるとそこから浸水してしまうかもしれません。本来なら玄関ドアに雨水が当たってもドアの縁に付いているゴムパッキンが防いでくれます。しかし何らかの原因でパッキンが破損しているとそのまま浸水して、玄関の中まで雨水が入り込んでしまいます。ゴムパッキンが破損する原因はゴミやホコリによる腐食やゴム自体の寿命などが考えられます。

あるいは建付けの悪さや経年劣化によって玄関ドアに隙間が生じてそこから浸水してしまうかもしれません。何にせよ玄関ドアはいつの間にか浸水してしまうことが多いので事前に対策を施す必要があります。

強風時の使用上の注意点

強風が吹いている時に玄関ドアを開け閉めすることはとても危険です。そこで強風の際に玄関ドアを使用する上での注意点をご紹介します。

①風に飛ばされないようにする

強風が吹いている時に玄関ドアを開けるとドアが風に取られて勢いよく開いてしまうことがあります。その場合、玄関ドアが自分の手を離れて壁に勢いよくぶつかり、壁やドアを傷つけてしまうことがあります。逆に閉める際に強風に煽られて勢いよく閉まって自分にぶつかってしまうこともあります。また窓ガラスが付いている玄関ドアの場合、ぶつかった際の衝撃で窓ガラスが割れてしまう恐れがあります。

②濡らしたくない物をたたきに置かない

台風が来ている時は雨水により玄関のたたきが浸水してしまうことがあります。酷い場合にはたたき一面が水浸しになってしまい、靴・下駄箱・掃除用具など全てが濡れてしまうかもしれません。特に革靴やブーツなどの高い靴は雨に弱いので浸水のせいで靴自体が台無しになることもあります。

玄関ドアに施す強風対策

玄関ドアの強風対策は破損や浸水が発生してからでは遅いです。被害を出さないためには事前にしっかりと対策を練っておきましょう。

①ドアクローザーのチェック

ドアクローザーとは玄関ドアの上部に付いている縦長のボックスとくの字の金具です。ドアクローザーが正常に作動すれば閉まる際にゆっくり動くので強風にドアが取られても急に閉じることはありません。ドアクローザーはネジの緩みや油漏れなどにより不具合が発生することもあります。もしドアクローザーが故障していたら自分で調整して安全に動くように制御しましょう。

自分で出来る!固定出来ない玄関ドアの調整方法

②建付けの悪さを改善

強風による玄関ドアの衝撃音はネジや金具の緩みが関係しています。普段から玄関ドアがガタついたり動きが悪い場合は、玄関ドアの建付けが悪くなっている証拠です。ネジの緩みは自分で調整出来るので見つけ次第調整するように心がけましょう。

③玄関ドアの近くに物を置かない

玄関ドアの近くに建具や物があるとドアが強風に取られた際にぶつかって破損してしまうことがあります。玄関ドアの近くに置きがちな観葉植物・自転車・傘立てなどは注意してください。また小さな鉢植えやインテリアなどを玄関に飾ると強風で飛ばされてドアにぶつかる可能性があります。そのため天気が悪くなりそうなときは玄関ドアの近くに物を置かない。あるいは玄関に飾ってある小物は動かないように固定するか室内へ運んで避難させましょう。

④ドアノブをしっかり握る

強風が吹き付けている時に玄関ドアを開けると急に動くかもしれません。開けるにしろ閉めるにしろドアは急に動くと危険なので、風に取られないようにしっかり握りましょう。ドアを閉じて鍵を完全に閉め切るまで気を抜かないで下さい。

⑤戸締りはしっかり

基本的に玄関ドアは強風が吹いていても閉め切っていれば安全ですが、建付けの悪い玄関ドアの場合は閉めている状態でも勝手に開いてしまうことがあります。これは鍵を閉めていないことが原因です。誰もいない状態で玄関ドアが勝手に開いてしまうことは明らかに危険なので、鍵を必ず閉めるように心がけましょう。

⑥リフォームする

強風によって振動や水漏れが発生した、あるいは破損した玄関ドアは不具合を引き起こしている可能性があります。ある程度の不具合ならば自分で対応出来ますが、金具が曲がってしまったりゴムパッキンが破損してしまった玄関ドアは新しくリフォームする必要があります。壊れてしまった玄関ドアはそのまま放置せずに新しいドアに交換しましょう。

⑦外出は避ける

強風による玄関ドア関連の被害は根本の原因を無くす必要があります。それはドアを開けないことです。戸締りをしっかりしてドアを開けなければ、当然ドアにも人にも被害は出ません。特にテレビやネットで強風警報が出たときは、余程大事な用事でもない限り、家で大人しくしていましょう。

強風による破損は火災保険がきく?

玄関ドアは新築やリフォームの際に引き渡す段階で生じた不具合には補修工事をしてもらえます。しかし強風や大雨などの自然災害が原因で劣化・破損した場合は補償の対象外になることが多いです。そのため強風による玄関ドアの破損は自己責任で修理することになると考えて良いでしょう。

風災補償付きの火災保険に入る

強風による玄関ドアの破損は自己責任ですが保険を利用することが出来ます。自然災害による玄関ドアの破損は風災補償付きの火災保険が対象となります。気になる方は自宅の火災保険の内容を調べて、風災補償付きがどうかをチェックしましょう。

まとめ

強風が発生した際は何らかの理由で玄関に被害が生じたり、玄関ドア自体が破損する可能性は十分あります。隙間風や浸水などは事前に玄関ドアの状態をチェックして、玄関ドア自体の破損はドアの使用を最小限に抑えることで防ぐことが出来ます。特に台風が発生しやすい6月・9月は気をつけてください。

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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