コラム

公開日:2018年9月7日

/ 最終更新日:2024年02月02日

断熱仕様の玄関ドアで玄関を快適にする。


玄関は室温のコントロールが難しいとされています。理由は暖房器具が無いことや日当たりの悪さなど色々ありますが、断熱対策が施されていない事も理由の一つです。

リビングや寝室に比べてあまり断熱対策の注目を浴びない玄関ですが、ほぼ毎日出入りする玄関だからこそ対策する価値があるのではないでしょうか?そこで今回は玄関への断熱対策の必要性と玄関ドアの断熱方法についてご紹介します。

玄関ドアは断熱性能が重要

夏に熱くなる、冬に寒くなるといった室温の変化は外気と面している部位が外の気温に影響されることでもたらされます。その中でも特に外の気温の影響を受けやすいと言われているのが窓や玄関ドアなどの開口部です。

開口部(玄関、窓)は熱を通しやすい

開口部は壁や屋根に比べて層が薄いことと、開け閉めすることにより外の空気が直接侵入してしまうため外気の影響を受けやすいという傾向にあります。夏に関しては熱が室内に侵入する割合は全体の約70%、冬場の室温が外へ逃げる割合は全体の約50%が開口部にあると言われています。

つまり玄関ドアを含む開口部に断熱対策を施すことはそれだけ大きな影響を与えるということになります。

玄関の断熱対策は冬にこそ必要

特に玄関ドアにおける断熱対策の必要性は冬になると顕著に表れます。玄関は基本的にリビングや寝室と違って暖房器具がありません。また玄関は北側に位置している事が多いので日光が当たらず気温が上がりにくいという傾向もあります。つまり玄関は自宅の中で最も暖かくなりづらい場所と言っても過言ではありません。

そのため玄関ドアに断熱対策を施さないでいると、いくらリビングや寝室を暖房器具で温めても玄関から温度が逃げてしまっていつまでも暖かくならないという状態に陥ってしまいます。そうなるとエアコン代も無駄にかさんでしまいます。また部屋ごとの気温差によって生じるヒートショック現象も発生しやすくなるので健康へのリスクも大きくなってしまいます。

玄関が暖かくなると良い事ばかり

しかし玄関ドアに断熱対策を施すことでそれらの問題を解決できます。玄関ドアが熱を通しにくい断熱加工された素材を使用した物ならば玄関ドアから室温が逃げなくなるので玄関が寒くなることを防いでくれます。玄関が寒くなくなるということは室温の逃げ道が無くなるという事なのでリビングや寝室の暖房器具を効率良く使用できて省エネにも貢献できます

広範囲に渡る壁や複数の場所にある窓ガラスと違い玄関ドアは自宅の1か所に過ぎないので断熱対策の意味は薄いと思われがちですが、たった一か所の玄関ドアに断熱対策を施すことでかなり違いが出て来るということを覚えておきましょう。

玄関ドアに施す断熱対策

玄関ドアに断熱対策を施すことはとても重要です。では一体どんな方法が玄関ドアの断熱対策として有効なのでしょうか?

カーペットを敷く

玄関の靴を履く場所にカーペットを敷くと帰宅後に靴を脱いでも冷たさを感じません。特に一人暮らしの方は寒い季節に帰宅すると室内が冷え切っている状態なので、靴を脱いで床を踏んだ瞬間に不快感を感じてしまうことが多々あります。

玄関にカーペットを敷けば帰宅時の温度のギャップを緩和させることが出来ます。さすがにカーペット一枚だけでは玄関全体に大きな断熱効果は期待できませんが一工夫でちょっとした不快感を防ぐことはできます。

断熱シートを貼る

玄関に窓ガラスが貼られている場合はホームセンターなどで販売されている断熱シートが有効です。窓ガラスは玄関ドアと同じく外気の影響を受けやすい部位なので窓に断熱対策を施すことはとても重要です。無力透明の断熱シートを使用すれば玄関の明かりを取り入れつつ断熱効果を得る事が出来ます。

だたし外出・帰宅時に玄関ドアを開けると外の冷たい空気が直接室内へ侵入してしまいます。その際に玄関の室温が急激に下がってしまうので断熱シートを貼るだけでは玄関の断熱対策としては不十分かもしれません。

高断熱ドアに交換する

玄関ドアの断熱対策として特に有効であると言われているのが高断熱ドアへのリフォームです。そもそも玄関は自宅の中でも特に気温が上がりにくい条件が揃っている場所なので断熱グッズを使用するよりもいっそのこと断熱に特化した商品に交換した方が効率が良く効果を得られます。

従来の玄関ドアは熱伝導率の良いアルミを使用している事が多く、素材自体が断熱に向いていないと言っても過言ではありません。そのため玄関ドアを断熱性能の高い製品にリフォームすれば大きな断熱効果を得られます。

断熱効果のある玄関ドアは当然費用も高くなりますが、その分確かな効果を得られるので冬場の寒さを解消したいと悩んでいる方は検討してみる価値ありでしょう。

中村建硝が取り扱う玄関ドアの断熱性能

高断熱玄関ドアは中村建硝でも取り扱っています。中村建硝ではLIXILの「リシェント」とYKKAPの「ドアリモ」、三協アルミ「ノバリス」の3種類を取り扱っています。

LIXIL「リシェント」

トリノパイン

リシェントは通常のアルミ製から寒さの厳しい地域にも対応出来るくらいの高断熱仕様まで幅広い種類の玄関ドアを用意しています。断熱仕様の玄関ドアは表面にこそアルミ形材を使用していますが、ドア本体には断熱材が充填されて出来ています。

採光窓も断熱仕様

リシェントには採光用の窓ガラスも付いています。この窓は従来の単板ガラスよりも断熱効果の高い複層ガラス(2枚のガラスを中空層を挟み、1組となった特殊ガラス)を使用しています。また高断熱仕様の玄関ドアには複層ガラスよりも効果の高いLow-e複層ガラス(中空層に特殊金属Low-e膜が貼られている)が使用されています。

暑さに強く、熱反りも対策済み

リシェントの断熱玄関ドアは寒さだけでなく暑さにも強い仕組みになっています。そのため夏に起こりやすい室温の上昇を防ぐだけでなく、熱反りを防ぐ事も出来ます。熱反りは外の気温が暑くなると玄関ドアが外側へ向けて曲がってしまう現象で、発生するとドアの不具合や隙間風が発生する原因となってしまいます。

YKKAP「かんたんドアリモ」

ドアリモは電子ロック制御によって鍵の操作が楽になったスマートコントロールキーが人気の玄関ドアですが断熱性能もしっかり搭載しています。断熱ドアは3段階の性能に分かれており、最も効果の高い高断熱仕様は北陸地方の様な寒い地域を想定して作られています。

ドアリモの断熱ドアは、ドア自体に断熱材が充填されています。また空気が入りやすいドアと枠のつなぎ目の部分には気密材が入っているので閉め切った状態での隙間風の侵入を防いでくれます。

まとめ

玄関ドアは冬場になると特に冷え込みやすいので、快適に過ごすためには断熱対策が必要不可欠になります。最も効果の高い方法はドアそのものを断熱仕様の玄関ドアにリフォームしてしまう事です。玄関が快適な空間になれば外出・帰宅時のストレスも減りますし、家全体のエアコン代の省エネにも繋がりますので玄関ドアのリフォームはおすすめです。

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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