玄関のバリアフリー対策として手すりを設置することはとても有効です。玄関はしゃがんだり立ったりする動作が発生するので足が不自由な方にとっては移動が難しい場所と言えます。そこで今回は玄関に設置する手すりについてご紹介します。
玄関に手すりを付ける
玄関の出入りする事は体の調子が悪くない人にとっては全く問題無い動作です。ただ単に靴を脱ぎ着して外へ出るか室内へ入るだけなので滞在時間も短めです。しかし足腰が不自由な障害者やお年寄りにとっては話が変わります。
靴の脱ぎ着が難しい
いわゆる健常者と呼ばれる人達の場合、靴を脱ぎ着する時は片足で立って出来ることなので大したことではありません。しかし足の調子が悪い障害者の場合片足で立つという事が難しいので、玄関に座って靴を脱ぎ着することになります。
このしゃがむ・立つという動作は障害者にとっては難しいことであると言われています。足腰に不安を抱えながら自分の体のバランスを取りつつ上下運動をしなければならないのでかなり難しい動作であると言えます。中には座った後に自分一人では立ち上がれないという人もいます。
そのため玄関に手すりを付けて障害者への負担を軽くする家庭もあります。一人で玄関の動作が出来ない人でも手すりに掴まりながらであれば可能になることもあります。
バリアフリー対策のために手すりが必要
手すりはバリアフリーの一環で各公共施設で導入されています。階段に手すりが付けられていることはよくありますが、玄関に手すりが付けられているケースは中々見られません。しかし玄関に手すりを設置することでバリアフリー対策の期待が持てます。
しゃがむ時と立つ時に手すりが必要
玄関は段差があるため体勢を上下に動かさなくてはなりません。玄関の段差は健常者にとっては何気ない事でも障害者にとってはとても危険です。実際に靴を履くためにしゃがんでその場で立ち上がれなくなったり、立つ瞬間にバランスを崩して転倒してしまうといったケースがあります。
そのため玄関もバリアフリー対策としての手すりが必要な場所と言えます。もしご家庭に足が不自由な障害者や体の弱いお年寄りがいたら玄関に手すりを付けることを検討してみて下さい。玄関の手すりは業者に依頼して壁や床に埋め込んでもらう本格的なタイプだけではなく、置くだけで使用できる簡単な製品もあります。
玄関に手すりを付けるべき位置とは?
玄関に手すりを付けることはバリアフリー対策として非常に有効です。しかし手すりを必要としている人が使いづらい場所に設置してもバリアフリーの効果を発揮できません。玄関の手すりが必要になる場所とは自分の力だけでは移動することが難しいとされる場所です。そこに手すりを付けることで体への負担を減らすことが出来ます。
玄関の段差が生じる場所に付ける
手すりはたたきとフローリングの間にある壁に必要です。足腰の調子が悪い人は玄関で靴を脱ぎ着する際に一度座ってから立ち上がるという動作が入ります。この立ち上がる時に自分一人の力では負担が大きくなるので手すりが必要になります。たたきとフローリングの間にある手すりは縦に伸びたタイプが必要になります。縦長の手すりを使用することで、座った状態で捕まりながら少しずつ体勢を上げることが出来ます。
すのこも有効
玄関のバリアフリー対策として手すりと合わせてすのこを置くことをお勧めします。フローリングとたたきの段差は足が不自由な人にとって怖い存在です。玄関にすのこを敷いて段差による負担を少しでも減らせば玄関の移動が楽になります。
手すりの高さと太さについて
手すりは設置する位置だけでなく手すり自体の高さと太さも重要になります。手に取りやすい位置に合って、握りやすい太さでないとバリアフリー対策としての意味をなさないからです。一般的に手すりの高さは床から75~85cmほど離れた位置で、太さは2.8~3.5㎝が好ましいと言われています。
しかしこの数値はあくまでも目安であって、公共施設の手すりを設置する際に参考にされています。もし自宅に手すりを設置するのであれば手すりを必要としている方が手に取りやすく掴みやすい高さと太さで取り付けることが重要になります。
玄関用手すりの種類:据え置き型・突っ張り固定型など
玄関用の手すりには様々な種類があります。安定感を生み出せる固定型や簡単に設置できる据え置き型などがありますが、もし既存の住宅に手すりを追加するのであれば置くだけで使用できる据え置き型がお勧めです。
据え置き型
据え置き型は玄関に置きっぱなしにして常に使える状態にしておくタイプです。床に置くだけの簡単な仕様の製品なら大掛かりなリフォーム工事を必要とせず、その場に置くだけで使用できます。手すりの形は横一列に伸びた形状だけでなく、斜めになっていて昇降の動作に合わせて掴めるタイプもあります。
突っ張り固定型
突っ張り固定型は縦一直線に伸びていて床と天井で固定させることでしっかりとした安定感を生み出すことが出来ます。縦一直線なのでしゃがむ・立ち上がるという動作に合わせやすいことと、床と天井でしっかりと固定しているので安定感を生み出すことが出来ます。
材質も大事
手すりの種類は材質にもこだわる必要があります。まずアルミやステンレスなどの金属で出来た手すりは好まれません。金属は気温によって温度が変化してしまうので冬の寒い時期に触ると冷たくて不快感を覚えてしまいます。
おすすめは樹脂製・木製・プラスチック製
手すりとして好ましい材質は樹脂製や木製などです。これらは温度変化による影響を受けないので触った時の不快感があまり出ません。またプラスチック製の手すりも手に引っかかって掴みやすいのでお勧めです。
ちなみに玄関の手すりにおしゃれを追求したいのであれば、壁の色と同じ色の製品を取り付けると手すりと壁に統一感が生まれるので自然な仕上がりになります。
玄関の屋外にも手すりを付ける
玄関の手すりは室内だけでなく屋外にも必要です。玄関ポーチへ出る際はそれまで掴まっていたドアノブから手を放して移動するので、捕まる部分が無くて不安になります。特に階段がある玄関ポーチだった場合一人では動けないことも考えられます。
基本は固定型
屋外に設置する手すりは基本的に壁や床に埋め込むタイプになります。屋外なら置くだけで使用できる後付け型も使用できますが、それを外で使用すると強風によって飛ばされてしまったり盗難の恐れがあります。
屋外の壁や床に埋め込んで使用するタイプの場合、電動ドリルで壁や床に穴を開ける必要があります。しかしこの作業は初心者では難しいので業者に頼んで取り付けてもらうことをお勧めします。
まとめ
玄関は足が不自由な障害者にとって移動が難しい場所なので、負担を軽くするために手すりが必要になります。現在は様々な種類の手すりが販売されていますが、選ぶ際は実際に手すりを使用する障害者の目線に立って考えることが重要です。自宅の手すりは公共施設とは違い特定の人物しか使用しないので使う人の背丈や手のサイズに合わせて取り付けることが好ましいです。可能ならば本人からどのようなタイプの手すりが欲しいかという意見を聞いて取り入れると良いでしょう。
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