目次
玄関ドアを手動で施解錠する鍵の種類
戸建て住宅で一般的に使われている鍵には3種類あります。
ピンシリンダーキー
片側にギザギザがついている鍵です。最新のピンシリンダーキーは開発が進みピッキングへの耐性が高まっています。ただ、築年数の長くなった住宅についているピンシリンダーキーはピッキングに弱いのでそのままにしていると住宅全体の防犯性が低下します。
ディスクシリンダーキー
両側にギザギザがついている鍵です。MIWA製のディスクシリンダーは一時期、日本国内で最も多く使われました。現在では犯罪者の間で不正開錠の方法が周知されてしまった為、メーカーでの製造が中止されている型番もあります。築年数の長い住宅では、製造中止になっている鍵が使われている可能性が高いので注意が必要です。
ディンプルキー
表面に小さなくぼみがついている鍵です。セキュリティキーとも呼ばれる非常に防犯性の高い鍵です。ピッキングに強いだけではなく複雑な構造になっているのでメーカー以外では複製できず、合かぎによる不正開錠も防ぎます。
鍵だけ交換する場合にはディンプルキーが最も確実に防犯性を高めます。ただ、価格が高額なので、ピッキングへの耐性が高まっているピンシリンダーキーを選ぶ人もいます。
玄関ドアのキー交換と錠交換の違い
鍵を交換する際、鍵だけ交換する方法と、錠ごと交換する方法があります。鍵は持ち歩いて鍵穴に差し込むための用具です。錠は鍵穴とその周りを囲む部分で、鍵と錠を組み合わせて錠前と呼びます。
キー交換とは鍵を交換することです。鍵が変形して鍵穴に入らなくなってしまったような場合に、錠交換は、鍵を失くしたり、より防犯性の高い鍵にしたりする場合にとる方法です。
従って一般的に鍵を交換するということは、錠も交換する事を指し、その場合には錠前交換と呼ばれます。
DIYでの鍵交換は難しい
鍵はDIYで交換することもできますが、おすすめできる方法ではありません。費用を抑えられるというメリットはありますが、たくさんの難しさがあるからです。
適切な鍵を選ばなくてはならない
鍵には多数の型番があり、適切な型番を選ばないと交換できません。もし間違って購入してしまうと、鍵は防犯用品なので返品や交換ができない為、無駄な出費になってしまいます。
ドアの側面に刻印されているメーカー名と型番を正確に覚えておく必要があります。
鍵の種類や型番によって作業内容が異なる
鍵の交換は基本的に錠箱を外し新たな鍵を取り付けるだけなのですが、玄関ドアの側面から取り外す鍵もあれば、サムターン側からネジを外す鍵もあります。プッシュハンドルの場合にはハンドルを取りはずして鍵を交換します。
その他にも錠箱のとりだし方、ネジやシリンダー留め具の外し方、交換後の戻し方などが型番ごとに決まっています。
途中まで進めてわからなくなったり、小さな部品やネジが見つからなくなってしまったりする可能性もあります。
防犯性が低下する恐れがある
正確に取り付けられないと鍵がスムーズに開閉できないという不具合がおこり、防犯性が低下してしまいます。
鍵の製品価格と業者に依頼した場合の作業費用
鍵の製品価格はピンシリンダーやディスクシリンダーはおよそ10,000円、ディンプルキーは、15,000~25,000円です。鍵交換の費用相場は鍵の状態によって変わりますが10,000~12,000円程度です。家族の安全を考えるなら、業者に依頼して取り付けてもらうことが確実に防犯性を高くすることに繋がります。
玄関ドアの修理辞典 鍵が入りづらい、抜けにくいときの対処法
ダブルロックにできる後付けの補助錠の種類と特徴
玄関ドアの鍵を防犯性の高いタイプにした上で、補助錠を取り付けると、防犯性が高まります。
ダブルロックにする外付けタイプ
玄関ドアの外側にもうひとつ鍵を取り付ける補助錠です。
暗証番号タイプ
暗証番号に合わせてダイヤルを動かして施解錠します。鍵を複数持ち歩かないですみます。
サムターン回しを防ぐタイプ
玄関の内側にある鍵のツマミを動かせないようにする補助錠です。
補助錠を後付けする方法
補助錠の中には工事の必要がなく粘着テープなどで簡単に取り付けられる方法と、ドアに穴をあけてネジで固定する方法があります。持ち家であり、確実な防犯効果を期待するのであれば、固定する方法をおすすめします。
後付け補助錠のデメリット
手軽に鍵の数を増やせる補助錠ですが、デメリットもあります。
確実な防犯効果が得られない恐れがある
工事不要で取り付けられる補助錠の場合、ピッキングやこじ開け、鍵穴壊しには効果がないことが多いです。
外付けの補助錠は留守をアピールしてしまう
外付けの補助錠には「鍵の数が多いから手ごわそうだなと思わせることができる』という考え方もありますが、外部から見て留守宅であることが一目でわかってしまうという面もあります。
閉じ込めのリスクがある
外付けタイプの場合、外から施錠してしまうと、中にいる人が出られなくなるリスクがあります。
玄関周りの雰囲気が壊れる
玄関ドアの外側に補助錠がついていると、玄関ドアがいかつい感じになり、玄関周りの雰囲気が壊れてしまいます。
後付け補助錠の防犯性の限界
玄関ドアの防犯対策は鍵だけでは十分ではありません。より高い防犯性を目指すなら、全体に防犯対策が備えられている玄関ドアが必要です。防犯性の高い玄関ドアと交換すると、使い勝手の良さも同時に得られます。
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玄関ドアのスマートキーの種類
スマートキーと呼ばれる玄関ドアの電子錠には、玄関ドアに内蔵されているタイプと後付けタイプがあります。
リモコンキー
バッグやポケットの中に入れておけば、取り出さなくても玄関ドアのハンドルのボタンを押すだけで施解錠できる電子錠です。3メートル以内なら車の鍵のように遠隔操作もできます。
カードキー
カードをドアハンドルにかざして施解錠する電子錠です。
タグキー
カードキーと同じようにドアハンドルにかざして施解錠する電子錠ですが、手動キーが内蔵されているので、電池切れや停電の際に締め出される心配がありません。
スマホキー
専用のアプリをインストールすると、スマホを玄関ドアの施解錠に使えます
スマートキーは利便性を高めますが、基本的に手動錠の防犯性の高さが確立されている上で補助として使う鍵です。防犯性の低い手動錠に後付けスマートキーを取りつけても、確実な防犯性は得られません。
防犯上からも見た目からも理想的なスマートキーは、玄関ドアに内蔵されているタイプです。
玄関ドアに必要な防犯対策
玄関ドアからの侵入の手口には複数あり、そのすべてに対する対策が必要です。
【主な侵入手口】
無締り
どんなに強固な防犯対策をとっても、無締りでは意味がありません。日頃から、施錠する習慣を身につけましょう。
ガラス破り
窓ガラスを破壊し、そこから手を入れて解錠して侵入する手口。通常のガラスであれば、わずか数秒で破壊できます。近所への買い物やペットの散歩など、わずかな留守の間でも被害に遭う可能性があります。
ドア錠こじ破り
ドアと壁の隙間にバールなどの工具を押し込み、てこの原理でドア錠を破壊して侵入する手口。強引な方法ですが、通常のドアや錠では短時間で侵入されてしまいます。
ピッキング
ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、ドアの錠を短時間で開けるという手口。ピッキング手口に対応した錠でなければ、1分もかからず開錠されて屋内に侵入されてしまいます。
サムターン回し
玄関ドアの外側からドリルで穴を開けるなどして、サムターン(内側のドアロック用つまみ)を強引に回して侵入する手口。壊したドアスコープや取り外したドアノブの穴、ドアと壁の隙間などに特殊工具を挿し入れてサムターンを回すこともあります。
カム送り解錠
特殊工具を用いて錠シリンダーを迂回し、直接錠ケース内部に働きかけてデッドボルトを作動させ解錠する手口。「バイパス解錠」とも呼ばれています。
この手口の中で補助錠だけで防げる可能性のある犯罪はありません。ただ、ねじで固定するディンプルキーの補助錠であれば、ピッキングとカム送り解錠は防げるかもしれません。
また、サムターンカバーという防犯アイテムを玄関ドアの内側につけられていれば、サムターン回しは防げます。
ただしどちらも確実ではありません。一方、防犯性を備えた玄関ドアであれば、全ての手口を防げます。
玄関ドアの交換で対策できる侵入窃盗の手口
無締り
リモコンキーを使えば、鍵を取り出して施解錠する必要がありません。ポケットなどに鍵を携帯していればドアハンドルのボタンを押すだけなので、「ゴミ出しや回覧板回しなど数分だから…」と考えて無締りしてしまうことを防げます。また、オートロックの設定でで帰宅時の施錠忘れを防ぎます。
ガラス破り
この犯罪は窓ガラスだけではなく玄関ドアの袖やドアのガラス部分にもされる恐れがあります。腕を差し入れられないよう配慮された幅のガラスや、格子があしらわれたガラスがガラス破りを防ぎます。
ドア錠こじ破り
最新の玄関ドアには鎌錠が施されているので、こじ破りに強い抵抗力を備えています。
ピッキング
ディンプルキーがつけられているので、ピッキングの心配はありません。
さらにYKK APのダブルロックには、一つ目の鍵を開錠しても50秒以内に2つ目の鍵を開けないと再ロックされる仕組みになっている為、ピッキングを抑制します。
サムターン回し
サムターン(玄関の内側の鍵のツマミ)は着脱できるようになっています。ドアに穴を開けたり、ガラスを破ったりして腕を差し入れることができたとしても、ツマミがないので鍵を回せません。
カム送り解錠
ディンプルキーはカム送り解錠に対する耐性も備えています。
鍵の交換や後付けよりも玄関ドア交換をおすすめする理由
交換や後付けよりも費用は嵩みますが、玄関ドアと鍵を使える年数が長くなり、鍵の不具合や防犯性の低さが解決されるだけではなく、暮らしを快適にする機能もつけることができます。
見栄えが良くなる
後付けで玄関周りの印象を損なうことがありません。また、住宅の外観に合わせてデザインや色を選べるので、住宅全体の見栄えや玄関周りの印象が良くなります
防犯性が向上する
最新の玄関ドアを交換することで、鍵以外の部分でも対策でき、あらゆる侵入窃盗の手口に備えられます。
キーレスにできる
スマートキーを導入でき。リモコン、カード、タグキーなど家族にとって使い勝手の良いタイプを選べます。
暮らしを快適にする機能をつけられる
断熱、通風、採光といった機能をつけられるので、鍵を新しくする以外に寒い、風通しが悪い、暗いなどの玄関の悩みも同時に解決できます。
ドア交換の費用
玄関ドアの枠タイプによって変わりますが、工事費を含めて20~40万円で交換できます。
玄関ドアの交換でより快適で便利な暮らしが始まります。間取りや玄関周りの環境、ご家族の暮らし方に合わせて玄関ドアの交換を計画されませんか?
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玄関ドアマイスターは玄関ドアの交換を承っています。玄関ドアことなら何でもご相談ください。玄関の向きや玄関周りの環境に合わせて最適なご提案をさせていただきます。
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