玄関ドアリフォームの種類による費用の差
玄関ドアリフォームは、その内容によってかかる費用が変わります。主なリフォームの方法にかかるドア交換費用を比較してみましょう。
壁を壊して現在のドアを撤去し、新しいドアを取り付ける 200万円以上
この方法のメリットは、壁を壊すので全体サイズを大きくできることと、新築用のドアの中からも選べるので、選択肢が広がることです。どうしても新築用の玄関ドアに交換したい、現在のサイズより間口の広い玄関ドアに交換したいという場合には、この方法が向いています。
デメリットは、壁と床を壊すので付帯工事が増え、工事の費用が嵩み、工事期間も5日以上かかることです。
玄関ドアはカバー工法で交換し、同時にクロスの張替えや収納増設を行う 60~100万円
この方法は、玄関ドア交換以外にリフォームする内容によって幅が出ます。収納増設のメリットは、玄関内がすっきりすること、クロス張り替えは、玄関内がきれいになることです。
デメリットは、造作工事が加わるので、費用と工事期間が嵩むことです。このような場合、内装工事と玄関ドア交換を一括して、ホームセンターやリフォーム会社に依頼する為、玄関ドア交換にかかる費用が、玄関ドア交換専門の業者に依頼するより、割高になってしまいます。まとめて依頼する方が、割安にしてもらえるような気がしますが、それは間違っています。
ホームセンターやリフォーム会社は、依頼を受けた後、下請け業者に工事を回すので、かえって割高になってしまいます。クロス張り替えや収納増設を伴うリフォームをする場合、ホームセンターや、リフォーム業者に一括して依頼するより、クロス張り替えはクロス職人に、収納増設はリフォームを扱う大工に、玄関ドア交換は玄関ドア交換専門の業者に依頼するという方法が、最も費用を抑えられる方法です。
カバー工法で玄関ドアの交換だけを行う 30~40万円
この方法のメリットは、壁と床を壊さないので1日で工事でき、工事費用を抑えられることです。断熱性能や防犯性能を高めるドアという選択肢もあります。リモコンキーにすることもできます。
デメリットは、わずかに間口が狭くなることと、カバー工法専用のドア以外は選べないということです。ただ、カバー工法専用のドアには、様々なデザインとカラーが揃っているので、選択肢に困るというような心配はありません。
自分でDIYリフォームする 数千円~
この方法のメリットは、費用がそれほどかからないということです。デメリットは、自分だけの工事ではできることが限られていること、効果が期待できない場合が多いことです。
DIYでできることには、主に2種類あります。ひとつは、ドアノブを変える、木製ドアを塗り替えるなど、見栄えを良くするリフォーム、もう一つは、断熱シートや隙間テープを張るなど、断熱性能を高めるリフォームです。
ドアノブを変える→防犯性能が低下する
木製ドアを塗り替える→せっかくの木製ドアが安っぽくなる
木製ドアは、無垢材の家具の塗装と同じような高い技術が求められます。DIYでペンキを塗ってしまうと、せっかくの木の美しさが台無しになり、安っぽい見かけになってしまいます。
断熱シートや隙間テープを張る→十分な断熱性を得られない
最も費用を抑え、手軽にできる方法ですが、効果は弱く、高い断熱性は期待できません。
ドアを交換する→完璧に設置できないことがある
見栄えも良くなり、断熱タイプのドアであれば、断熱性も向上します。しかし、DIYで完璧に工事ができることはほとんどありません。メーカー側も、専門業者が施工することを前提に製作しています。ドアの持つ性能を最大限に活かせないこと、雨が接続部分から壁の中に浸水し、住宅の寿命を損なう恐れがあることが理由だと思われます。その為、浴室内のタオル掛けの交換だけであっても、純正品に交換する場合、メーカーは専門の業者に依頼することを推奨しています。したがって、DIYでメーカー製の玄関ドアに交換した場合、メーカー保証は受けられません。
また、業者に依頼した場合、ドアのタイプを袖付きドアから親子ドアにする、吊元を左右逆にするなど、暮らしに合わせた変更ができます。しかし、DIYで交換する場合には、同じタイプのドアにしか交換できません。業者の工事なら、ランマ付きのドアをランマ無しのドアにするというようなこともできます。
カバー工法でできる玄関ドア交換の種類
カバー工法での玄関ドアリフォームには、主に3つの種類があります。
玄関ドアから玄関ドア 費用相場 30万円
引き戸から玄関ドア 費用相場 35万円
メリット
- 片開き以外は親ドアの幅を広くし、通行の幅を広げられる
- 防犯性が高まる
- 断熱ドアを選ぶと冬暖かい玄関になる
- 風を通すドアにすると家中の換気が良くなる
- リモコンキー・カードキーをつけられる
デメリット
- 引戸を玄関ドアに交換した場合、下段に段差ができる
(ただし、この段差はオプション部材を使うことで解消できます。)
玄関ドアから引き戸に交換 35万円
メリット
- 玄関前のスペースが自由に使える
- 大型家電や家具の搬入時には間口を倍にできる
- ドアを押さえる必要がないのでベビーカーや、車椅子で出入りしやすい
デメリット
- 引戸を玄関ドアに交換した場合、下段に段差ができる
(ただし、この段差はオプション部材を使うことで解消できます。)
玄関ドア交換の費用(工事込みの価格)はこちらのページの簡単見積り機能でシミュレーションできます。
・玄関ドアの交換・リフォーム費用の見積もり・シミュレーションはこちらから
カバー工法の玄関ドア交換で得られる効果
断熱、風通し、利便性、防犯、見栄えの良さといった効果が得られます。
断熱
断熱仕様のドアを選ぶと、冬は寒い玄関が改善され、結露も軽減します。関東地方では、断熱材が充填された本体+複層ガラスという断熱仕様と、断熱材が充填された本体と枠+Low-E複層ガラスという断熱仕様があります。
風通し
風を通す機能のあるドアを選ぶと、ロックしたままで、玄関内に風を採り込め、家中の換気が良くなります。
ドア選びのヒント!
断熱と風を通す機能を組み合わせたドアは人気が高いので、製品の選び方によっては、非断熱ドアとそれほど価格が変わらないケースもあります。一概に、機能がついているからより高くなるとは言い切れません。好みのデザインを選ぶとともに、機能が1つついたドア、機能が2つついたドア、機能がついていないドアの価格を意識して比較すると、お得なドアが選べる可能性が高まります。
利便性を高める
玄関ドアリフォームによる利便性の向上には、暮らしに合わせた玄関ドアにすることと、リモコンキーを導入することが挙げられます。
暮らしに合わせた玄関ドア
玄関周りの環境、家族の暮らし方にあった玄関に変えられます。
- 通行の幅を広げる 親子ドアであれば、親扉と子扉の幅、袖付きドアであれば、袖と扉の幅を調整することで通行の幅を広げられます。
- 開き方を左右逆にする 門からの動線をスムーズにする、周辺からの視線を遮断するなど、玄関周りの環境に合わせて、ドアの開き方を変更できます。
費用の相場
オプション部材を使わない場合が多く、その場合には施工費が嵩むことはありません。
リモコンキー
リモコンキーは鍵の利便性と防犯性を向上させます。リモコンキーには、リモコンキーとカードキーがあります。どちらもオートロックに設定できることは、メーカー共通ですが、使い勝手が少し違います。
費用の相場
- リモコンキーの相場 ¥37,500~
- カードキーの相場 ¥24,000~
使い方の違い
- LIXILリシェント リコモンキーと手動キー、カードキーと手動キーを併用できるが、リモコンキーとカードキーは併用できない
- YKKAPドアリモ リモコンキーとカードキーは併用できるが、手動キーとの併用はできない
防犯性
玄関ドアには、標準仕様で最新の防犯対策が施されています。
費用の相場
防犯対策は標準仕様です。ただし、防犯合わせガラスにしたい場合のみ、オプション費用がかかります
- 防犯合わせガラス 5,000円~
- 防犯合わせ複層ガラス 10,000円~
玄関周りの雰囲気を良くする
リフォーム用の玄関ドアには様々なデザインと色が用意されているので、外壁の色や、外観デザインに合わせて、最適な玄関ドアが選べます。
費用の相場
30万円~40万円
ドアタイプによって費用が変わります。
片開きドア→袖付きドア→親子ドア→両袖ドア→袖付き親子ドア→両開きドアの順で、ドアの幅が広くなるにつけ、玄関ドアの製品代も交換工事費も高くなっていきます。
玄関ドアのリフォームで、満足のいく結果にするためには、専門業者に依頼することが大切です。費用を抑えるためには、良心的な業者を探すことと、他の玄関ドアに比べて、同じ機能とデザイン性を持っているドアの中から、割安な玄関ドアを選ぶことです。
予算別の費用事例はこちらのコラムで紹介していますので、参考にしてください。
・玄関ドアリフォーム交換費用の相場【事例あり】