ふかし枠が必要なケース
ふかし枠とは、内窓を設置する際、窓枠の奥行が足りない時に使う部材です。二重窓へのリフォームでは、もともとある外窓(壁に埋め込まれている窓)の内側に新しい窓(内窓)を設置します。
この際に窓枠に内窓を設置するだけの奥行きがない場合には、ふかし枠を使って窓枠の奥行を深くした上で、内窓を設置します。
また、内窓を設置すると引き違い窓ではクレセントが、開き窓ではハンドルがぶつかると開閉がし難いという状態になってしまいます。このような状態を防ぐ為にも、ふかし枠が役立ちます。特にテラスドアの場合、ドアクローザーやハンドルがあたってしまわない奥行きにする必要があります。
ふかし枠が必要になる奥行きのサイズはメーカーによって異なります。加えて、現在の奥行きのサイズに合わせて不足分を補えるよう、複数の幅のふかし枠が用意されています。
YKKAP内窓プラマードU
- 取付けに必要な奥行き方向の寸法
引違い窓 73mm・内開き窓 73mm・FIX窓 53mm - ふかし枠の幅
25ミリ・40mm・70mm
リクシル内窓インプラス
- 取付けに必要な奥行き方向の寸法
引違い窓70mm・開き窓70mm・FIX窓55mm - ふかし枠の幅
20mm・40mm・50mm・70mm
ふかし枠の取り付け方
窓のタイプによってふかし枠の取り付け方が変わります。
腰窓・立ち上がりのある掃き出し窓
窓の上枠、下枠、両側の縦枠全てに四方枠というふかし枠を取り付けます。
窓の上枠、又は縦枠のどちらかが壁の角や天井に接している場合、窓枠の厚みが28mm以下のの時は下地材を取り付けてからふかし枠を取り付けます。
下部のレールと床に段差のない掃き出し窓
床とフラットに繋がっているは掃き出し窓には、床に直接レールを敷くので、ふかし枠は両縦枠と上枠に取り付けます。
この場合は、三方枠というふかし枠になります。
ふかし枠に補強が必要な場合
奥行きのサイズを満たしている場合であっても、窓枠の状態によってはふかし枠を安定させる為の補強が必要です。
腐朽や割れがある
窓枠は木材で造られている為、結露で腐朽したり、紫外線でひび割れができたりしていることがあります。
ネジが効かない
下地がない部分にネジを打つとネジが効きません。
窓枠がしっかり固定されていない
経年劣化や地震の揺れからの影響で、窓枠が壁にしっかり固定されていないことがあります。
外窓のネジにゆるみがある
クロスを巻き込む仕上げではない住宅の窓は、多くの場合アングルというネジで窓枠に固定されています。このネジに緩みが出ていることがあります。
このような状況にある場合には、取り付けした内窓が脱落してしまう恐れがある為、もとの窓枠を補強した上でふかし枠を取り付け、さらにふかし枠を補強する必要があります。
ふかし枠とカーテンレールの位置
窓とカーテンレールの位置関係によっては、カーテンレールやカーテンボックスを取り外さなくてはならない場合があります。
- 窓枠の内側にカーテンレールがついている
- 窓枠とカーテンボックスの間の幅が狭い
このような場合には、いったん取り外してからふかし枠を取り付けます。奥行きのサイズによっては、内窓設置後には、窓枠の内側にカーテンレールをつけられなくなってしまうことがあります。また、天井と窓の間の距離が近い場合にはカーテンボックスの取り付けが難しいこともあります。
もちろん、内窓設置後に、カーテンレールやカーテンボックスが取り付けられる場合もあります。ただ、取り付けができない場合にも、ブラインド入りの複層ガラスにする、カーテンなしでも外部からの視線を防げる型ガラスにするなどの方法があります。
現地調査の際に、カーテン設置ができるかどうかを確認した上で、内窓に使うガラスの種類を決めることが大切です。
ふかし枠を使えないケース
窓枠の奥行、窓枠の納まり、窓枠のタイプによっては、ふかし枠が使えないケースがあります。
窓枠が樹脂の場合
一部のハウスメーカーに見られる樹脂製の窓枠の場合、強度が足りずふかし枠は取り付けできません。
窓枠がしっかりしていない
ふかし枠は奥行きのサイズ不足を補う部材ですが、窓枠がしっかり固定されていない場合、ふかし枠が使えません。
窓枠の納まり
窓枠の納まりには、一般的な四方枠、三方枠の他に、窓枠を壁紙で仕上げるクロス巻き込み仕上げという納まりがあります。ガラスが壁の奥に埋め込まれているような見た目になるので、すっきりした雰囲気になりおしゃれな内装にしたい人には人気のある仕上げです。
このクロス仕上げの窓には、下地がない場合、ふかし枠が固定できません。
ケーシング付きの窓枠
窓枠のL型部分に内装の仕上げ材を組み込み、額縁のような印象のする窓枠のタイプをケーシング枠と言います。画像はドアのケーシング枠ですが、このような窓枠の窓は、仕上げ材を組み込まれた部分の固定力が弱いため、ふかし枠が取り付けられません。
内窓を設置できない窓の種類
窓枠の奥行が足りない場合は、ふかし枠を使って内窓を設置できます。ただ、窓の種類によっては窓の奥行きのサイズ以前に、内窓設置ができない窓もあります。
- 内倒し窓 窓の下部を軸に、内側に向かって倒して開閉する窓です。
- 回転窓 上下枠の中心にある軸によって窓が回転し、内開きにも外開きにもなる窓です。
- 内開き窓 室内側に開く窓です。
- エアコンや換気扇、棚、煙突の付いた窓
参考サイト YKKAP窓の教科書 窓の開き方イロイロ
自作ふかし枠やDIYでの内窓設置
費用を抑えて内窓を設置したいという場合に、その解決策としてDIYで内窓を設置し、ふかし枠を自作するという方法があります。確かに、内窓の中には、ホームセンターや通販で購入できる簡易内窓があります。
ただ、この方法は「賃貸なのでこの冬だけを乗り切りたい」という場合には良いのですが、戸建て住宅や分譲マンションにお住まいの方には、長い目で見ておすすめできません。
YKKAPやリクシルなどのメーカー製の内窓の場合、気密性を高めることと、脱落の心配なく設置することの為に、綿密な採寸と窓枠周辺の調査を行います。内窓は、ガラスとサッシの性能と同じくらい、気密性を高める施工が内窓の効果を確かなものにするからです。
また、ふかし枠の取り付け条件も、目に見えない下地部分の確認など大切なポイントが多数あります。一方、簡易内窓の場合には、粘着テープで取り付けができる為、高い気密性は期待できません。
本格的な内窓をDIYで設置するという場合には、現在の窓枠の状況を正しく把握した上で、内窓設置と必要に応じてふかし枠の取り付けやふかし枠での補強が必要です。
採寸には金属メジャーの他に、レーザーで長さを測るレーザー距離計、奥行きを測る曲尺、内寸を測る内寸計、歪みを確認する水平器などが必要です。
ふかし枠が必要な場合は、オプション部材、又は自作したふかし枠を取り付けてから内窓の設置をします。取り付けは左右の縦枠、下枠、上枠の順に歪みが出ないように取り付け、電動ビスを使って固定していきます。その後、奥から手前の順にガラスをはめ込み、窓の位置の微調整をします。
内窓には綿密な採寸と取り付け方が求められる為、DIYでは効果を十分に得られる内窓にできる保証がありません。費用をかけて自作したが十分な効果が得られなかったとなってしまうと、その費用と手間が無駄になってしまいます。
効果の高い内窓を設けたい場合には、専門の業者に依頼する方法が安心です。家の窓には内窓がつけられるのだろうか?家の中のどの窓に内窓を設置したら効果が高くなるのだろうか?など、内窓への疑問がある場合には、お気軽にご相談ください。
内窓は冬暖かく夏涼しい環境を、断熱改修や窓交換よりも抑えた費用でできるリフォームです。ふかし枠の他にも専門家ならではの知識と工夫で、難しい条件の窓にも多くの場合、内窓を設置できます。そして、玄関ドアの断熱と併せてリフォームすることで、家全体の暖かさが格段に向上します。
内窓の豆知識
- 【内窓の効果】断熱も防音も防犯も玄関ドアとの組み合わせでより向上する
- 断熱と遮熱は玄関と窓でどっちも解決できる!塗料や遮光カーテンより有効
- 内窓の価格はどのくらい?YKKAPプラマードUとリクシルインプラスの違いは?
玄関ドアの疑問解決
玄関ドアマイスターは東京、茨城、千葉、埼玉、神奈川、栃木で玄関ドアの交換と併せて行う窓のリフォーム(内窓・窓交換)を承っています。玄関ドアや窓のことなら何でもご相談ください。ご自宅の環境に合わせて最適なご提案をさせていただきます。
お客様のご自宅に伺う仕事ですので、信頼を何よりも大切にしています。丁寧親切はもちろんのこと、マナーの徹底も行っています。仕事は、最後は人で決まるという部分があります。世界に唯一の商品やサービスを売っている会社なんて一握り。同じような価格、同じようなサービスは、他にもある。それでも「あの人に」と選んでいただける、そんな会社でありたいと思っています。
玄関ドアで困っていることがあれば、どんなことでもご相談ください。
玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。
家族にとっては、必ず毎日通る場所です。
きれいで快適な玄関は、生活の質を格段に向上させます。
新しい玄関で快適な生活を手に入れてください。