窓のカバー工法ってよく聞きますけど、インターネットで調べたら「後悔した」と言っている人を見かけます。
確かにSNSやブログでは、窓リフォームを失敗したと感じる方の体験談もありますよね。その原因は、ズバリ工法を正しく理解していなかったことにあります。
今回は、これまで4,000件以上の玄関ドアのリフォーム工事をしてきた“玄関ドアマイスター”が、窓リフォームの定番である「カバー工法」について、基礎知識からよくある後悔の原因と対策まで詳しくお話しします。
費用目安や窓リフォームで使える補助金情報、その他多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
窓のカバー工法とは
窓のカバー工法とは、既存のサッシ枠をそのまま壁の中に残して、その上から新しいサッシ枠を被せる方法です。
通常、窓サッシの枠は壁に埋め込まれるように設置されていて、枠を撤去するためには壁を壊さなくてはいけません。
しかし、カバー工法でしたら周囲を解体せず窓を取り替えられるので、今では窓リフォームのスタンダートになっています。
（引用：先進的窓リノベ2025事業｜対象工事の詳細【外窓交換（カバー工法）】）
ちなみに、窓周りを壊して枠ごと取り替える方法は「はつり方法」と呼ばれます。
窓のリフォームにおいてカバー工法が主流である理由は、費用面や快適性においてメリットがあるためです。
- 周囲の解体工事及びその復旧工事が不要なので、費用を抑えられる
- 周囲の解体工事及びその復旧工事が不要なので、工期（作業時間）が短く室内が汚れない
- 窓の外観と内観両方がきれいになる
- 新しい窓枠を取り付けるので、気密性と断熱性が高くなる
- 戸車やレールも新しくなるため、窓の開閉がスムーズになる
- 今ついている窓と開閉方法を変えられる
一時、多くの住宅に採用されていたルーバー窓は気密性が低く掃除も大変なので、最近はカバー工法によって押し出し窓に変えるケースも少なくありません。
窓のカバー工法は、窓の見た目・性能・利便性を一新できる人気のリフォーム方法です。ただし、カバー工法自体に問題はなくても、その特徴を知らないと工事を後悔してしまうかもしれません。
ブログやSNSで見る窓のカバー工法を後悔した理由と対策
ブログやSNSで窓のカバー工法を後悔した人の意見を見ると、その多くには共通点があります。
そこで、ここではよくある後悔理由8つとその対策を紹介します。
「カバー工法にしたくてもできなかった」
ほとんどの住宅用窓サッシはカバー工法で交換できますが、以下の特徴に当てはまる窓はカバー工法に対応できない可能性があるので注意しましょう。
- 極端に大きい窓
- 雨戸一体型サッシ
- 木製サッシ
ただし、場合によっては既存の窓サッシを少し加工すればカバー工法できる場合もあります。
そのため、すぐにあきらめずまずはサッシ専門の施工会社に現状を確認してもらいましょう。
サッシ工事をする前の現地調査は、とても重要です。玄関ドアマイスターではサッシのプロがしっかり詳細まで確認して、ベストなリフォームプランを提案いたします。お忙しいからは公式LINEからのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
＞＞＞現地調査に関して。雨の際は？留守でもいい？所要時間は？
「ガラスの面積が小さくなった」
カバー工法は既存の枠に新しい枠を被せてその中にガラスをはめた障子※を入れるので、窓の開口面積が一回り小さくなります。
※障子：サッシにおいては開口部の枠にはめた可動式建て具の部分を指す
上の写真をみると。既存のサッシ枠に白い樹脂枠を被せて、その中にガラス部分を入れているのが分かりますよね。既存の開口部の内側に新しい窓サッシを設置するため、その幅の分ガラスの面積が小さくなるということです。
サッシメーカーにもよりますが、大体、窓の上下左右がそれぞれ2〜4cmずつ程、出っ張ります。
ただ、よくある腰窓や掃き出し窓の場合は、ガラスの面積が一回り小さくなってもそれほど気にならないという方が大半です。
ガラスのサイズダウンが気になるのは、主にトイレや廊下についている小窓の場合なので注意しましょう。
カバー工法で窓を取り替える前に、ガラスが小さくなる点と、断熱性・気密性・操作性がアップする点の両方を天秤にかけて工事を決めることが重要なポイントです。
「掃き出し窓の下に段差ができた」
新築用の掃き出し窓サッシは、床に埋め込むように下レールを設置するため、室内床との段差はほとんどありません。
しかし、そのサッシ枠に新しい枠を被せるカバー工法は、どうしても枠を跨ぐように出入りすることになります。
この点はサッシの構造上、仕方のないことですが、知らないでよく出入りする掃き出し窓を取り替えると、やはり後悔してしまいますよね。
床との段差が気になりやすい場所には、LIXILのリプラスシリーズがおすすめです。リプラスは、これまでの一般的なカバー工法用サッシと比べて枠が細いので、掃き出し窓の段差がかなり抑えられて、見た目もスッキリ仕上がります。
「内窓をつけるより費用がかかった」
窓の断熱性や気密性を高めるリフォームとして、内窓（インナーサッシ・二重窓）をつける方法も選択肢に上がりますよね。
内窓をつけると窓が二重になり、間にできる空気層によって温度が伝わるのを大幅に軽減できます。
どちらも窓の断熱性を高める工事として多く採用されていますが、ここで気をつけなくてはいけない点が「費用の差」です。
| 工事の方法 | 費用 |
|---|---|
| 窓の交換 （カバー工法） | ￥235,048／ヶ所（LIXIL リプラス） |
| 内窓の設置 | ￥65,450／ヶ所（LIXIL インプラス） |
費用だけ見ると内窓の方が良さそうですが、以下の注意点があります。
- 窓の開け閉めと掃除が2倍になる
- 室内に圧迫感が出る
- 外窓の交換より補助金額が少ない
- 既存窓の気密性が低いと、内窓の断熱効果が小さい
内窓設置と外窓交換で迷ったら、専門業者にアドバイスをもらいましょう。
下の動画では、内窓をつける方法と外窓を交換する方法を比較していますので、ぜひ併せてチェックください。
「組み合わせるガラスの選択を間違った」
断熱性アップのために窓を交換したいのか、それとも遮音性や防犯性アップが目的なのか、皆さんその目的は様々ですよね。 外窓を交換する場合、リフォームの目的によって最適なガラスは異なります。
- 単板ガラス：値段が安いが、断熱性能・遮音性能・防犯性能はほぼない
- Low-E複層ガラス：値段は単板ガラスよりも高いが、断熱性と遮熱性が劇的にアップする
- Low-E複層ガラス（安全合わせガラス）：断熱性・遮熱性に加えて防犯性も高まり、挟み込まれた樹脂膜によって他のガラスよりも遮音・防音性能がある
窓リフォームは、目的に合うガラス選びが重要です。逆に言えば、目的に合っていないガラスを選ぶと、あまり期待した効果を得られず、後悔してしまう可能性があります。
「工事していない窓の結露がひどくなった」
高断熱ガラスを組み合わせてカバー工法で外窓を交換すると、リフォーム前より原則としてガラスの結露は減ります。
しかし、同じ部屋に既存サッシ、つまり断熱性の低い窓が残っていると、そこに熱の出入りが集中し、余計結露がひどくなる可能性があります。
窓の断熱リフォームは1つの部屋にある窓を全て一斉にリフォームするのが原則です。
「DIYでリフォームして失敗した」
窓のカバー工法で使用する工具はそれほど多くないため、日曜大工が得意な人の中には「DIYで窓交換してみよう」と挑戦する方は少なくありません。
しかし、窓の交換はそう簡単ではありません。
カバー工法用サッシの採寸はかなり細かく、既存の窓が歪んでいるとサイズが合っていても思うように取り付けられない場合も多いので注意しましょう。
窓工事のプロは、サッシを発注する前に現地調査の際に細かく採寸し、既存窓の劣化状態や歪みまで確認します。また、いざ新規の窓を取り付ける時も、繊細に建て付け調整するため、一般の方がつけた場合よりも開閉がスムーズで気密性もバッチリです。
費用を抑えるためにセルフリフォームを選ぶ方もいらっしゃいますが、ここでも注意した方が良いポイントがあります。
たしかに、DIYだと工事費用はかかりませんが、サッシの取扱量が多い専門業者の方が安く材料を調達できる可能性があります。
また、万が一採寸ミスがあれば、購入した窓を取り付けられず無駄になってしまいます。
窓リフォームの補助金は、その多くが施工会社経由での申請が対象要件であるため、DIYだとお得な制度を使えない点にも注意しましょう。
「使えると思っていた補助金制度を利用できなかった」
今年も窓の断熱リフォームを対象とした「先進窓リノベ2025事業」が実施されています。 以下の工事が対象です。
- 窓ガラスの交換
- 内窓の設置
- 外窓の交換（カバー工法・はつり工法）
以上の工事はそれぞれ窓のサイズと断熱性能グレードによって1カ所ごとの補助金額が決まっており、最高で1世帯につき200万円まで受け取れます。
ただし、対象工事をしても要件を全てクリアしていないと補助金を受け取れません。 主な対象要件は以下の通りです。
- 工事するのが、1年以上人が住んでいる既存住宅であること
- 事務局に事前登録されている施工業者に工事を頼むこと
- 事務局に事前登録されている対象製品を使うこと
ちなみに、カバー工法による外窓交換でもらえる補助金額が以下の通りです。
| 断熱性能グレード | 大（L）サイズ 面積2.8㎡以上 | 中（M）サイズ 面積1.6㎡以上2.8㎡未満 | 小（S）サイズ 面積0.2㎡以上1.6㎡未満 |
|---|---|---|---|
| P（SS） | ¥220,000／ヶ所 | ¥163,000／ヶ所 | ¥109,000／ヶ所 |
| S | ¥149,000／ヶ所 | ¥110,000／ヶ所 | ¥74,000／ヶ所 |
| A | ¥117,000／ヶ所 | ¥87,000／ヶ所 | ¥58,000／ヶ所 |
（参考：先進的窓リノベ2025事業｜対象工事の詳細【外窓交換（カバー工法）】）
補助金制度をうまく使えば、費用を抑えて高い品質で確実に窓リフォームできる絶好のチャンスです！
補助金制度をうまく使えば、費用を抑えて高い品質で確実に窓リフォームできる絶好のチャンスです！
ちなみに、補助金額はガラスだけ交換する場合「外窓交換の1/4程度」、内窓の設置は「1/2程度」まで下がります。
そのため、外窓交換の費用は内窓を設置する場合の約4倍になるものの、補助金を使うと結果的にその差はかなり縮まるケースも珍しくありません。
| 工事の方法 | 費用 |
|---|---|
| 窓の交換 （カバー工法） | ￥235,048／ヶ所（LIXIL リプラス） ▶︎補助金を使うと￥177,048／ヶ所 |
| 内窓の設置 | ￥65,450／ヶ所（LIXIL インプラス） ▶︎補助金を使うと￥37,450／ヶ所 |
先進的窓リノベ2025事業以外にも、省エネリフォームを対象とした所得税控除や固定資産税の減額、あと東京都在住の方限定で申請できる既存住宅における省エネ改修促進事業も、原則として施工業者に依頼した場合が対象です。補助金の最新情報をいち早く知りたい方は、玄関ドアマイスターの公式LINEにご登録ください。
＞＞＞2025年に窓とドアのリフォームで使える補助金！先進的窓リノベ2025事業の詳細を公開
窓のカバー工法に関するFAQ
最後に、多くのお客様からいただく窓のカバー工法に関する質問にお答えします。
Q.「樹脂窓とアルミ樹脂複合サッシのどちらを選べばいい？」
樹脂窓とアルミ樹脂複合サッシのどちらを選んでも古い窓サッシと比べれば格段に断熱性・気密性が上がる点は共通しています。
樹脂窓は枠が樹脂だけで作られているサッシで、アルミ樹脂複合サッシは室内側が樹脂製で屋外側がアルミ製のサッシです。
よく、全部樹脂製の樹脂窓の方が断熱性は高いと言われますが、結局、窓の断熱性はガラス部分も含めたトータルで決まるので、アルミ樹脂複合サッシと比べてもあまり差はありません。
北海道や東北などの豪雪地域でないエリアは、アルミ樹脂複合サッシの方がおすすめです。
樹脂はアルミと比べると耐候性が劣るため、樹脂窓は日当たりがいい場所では数年で色褪せるので注意しましょう。
また、樹脂窓の方がアルミ樹脂複合サッシよりも値段が高い点も気になります。
Q.「窓の防犯リフォームで使える補助金はある？」
先進的窓リノベ2025事業をはじめとした窓リフォームで使える補助金は、断熱回収であることが対象の条件です。
ただし、断熱性がアップすれば防犯が目的である場合も補助金をもらえます。
断熱性と防犯性の両方を向上させたい方は、安全合わせガラスを含んだ複層ガラスを選びましょう。
最近は埼玉県で戸建住宅を狙った強盗事件が増えていることもあって、玄関ドアマイスターへの防犯リフォームに関する問い合わせが増えています。下の動画では窓の防犯リフォームについて詳しく解説していますので、ぜひチェックしてください！
Q.「どの窓から優先的に交換した方がいい？」
全部の窓を一斉に交換できたらベストですが、いくら補助金をもらえても、1ヶ所に数十万かかるとなるとやはり優先順位をつけて段階的にリフォームする方が大半です。
窓を交換する場合の優先順位は、以下のポイントを押さえて工事場所を検討してみてください。
- リビングや寝室など、人が長時間滞在する部屋の窓
- エアコンやストーブを長時間つける部屋の窓
- トイレや洗面脱衣室など、温度差が激しい部屋の窓
- 寒さ対策が目的なら1階から
- 暑さ対策が目的なら2階から
「予算内で満足できる窓リフォームを実現させたい」「どの窓から交換すべきか判断できない」という方は、今すぐ玄関ドアマイスターまでご相談ください。ホームページではお名前やご連絡先を記入せずリフォーム金額がわかる見積もりシミュレーションサービスをご利用いただけます。
＞＞＞【30秒で金額がわかる】内窓・外窓の工事費込み見積りシミュレーション
まとめ
今回は、窓のカバー工法について、メリットからよくある後悔の理由についてお話ししました。
2025年は最高で200万円もの補助金がもらえる窓リフォームするのに大チャンスな年です。
「今の窓をどうにかしたい」「どんなリフォームがベストか判断できない」という方は、東京・千葉・茨城・埼玉・神奈川・栃木で多数の窓リノベ実績がある昭和5年創業の「玄関ドアマイスター」にご相談ください。
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