
最近話題の”樹脂サッシ”を選んで後悔している人がいるって本当ですか?

断熱性が高い窓としてたくさんの方から注目されている「樹脂サッシ」ですが、もしかしたら5年も経たずに劣化してしまうかもしれません。
今回は、これまで4,000件以上の玄関ドアのリフォーム工事をしてきた“玄関ドアマイスター”が、樹脂サッシの劣化について、その原因と症状、対策方法を詳しくお話しします。
窓のリフォームで使えるお得な補助金情報も紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。
窓サッシの種類とそれぞれの特徴
>>>窓リフォームの施工事例「出入りが多い窓に内窓は向かない理由を公開」
住宅用サッシは、アルミサッシ・樹脂サッシと、その両方を組み合わせたアルミ樹脂複合サッシ、あと木製サッシの4種類に分けられます。
それぞれ特徴が違うので、まずはその点を押さえておきましょう。
サッシの種類 | 主な特徴 |
---|---|
アルミサッシ | ・価格は安いが断熱性が低い |
樹脂サッシ | ・断熱性が高いが価格が高い |
アルミ樹脂複合サッシ | ・アルミサッシと樹脂サッシのデメリットを軽減できる |
木製サッシ | ・断熱性が高いが価格が高い ・定期的なメンテナンスが必須 |
アルミサッシ
アルミサッシのメリットは、「価格の安さ」にあります。
2010年頃までは戸建住宅の8割以上に採用されていて、商品やサイズのレパートリーが多かった点も選ばれるポイントでした。
ただし、アルミは熱伝導率が低く「断熱性がとても低い」点がデメリットです。
樹脂サッシ
樹脂サッシのメリットは「断熱性の高さ」にあります。
樹脂サッシの原料である塩化ビニルの熱伝導率を比較すると、1/2000程度で、それだけサッシ枠が熱を伝えにくいことを意味します。
材質 | 熱伝導率(W/mK) |
---|---|
アルミニウム合金 | 200 |
PVC(塩化ビニル) | 0.17 |
※熱伝導率:熱の伝えやすさを評価する指標で、数値が高いほど断熱性が低いことを示す。
ただし、窓の断熱性は開口面積の大半を占めるガラスの性能に左右され、樹脂サッシは「値段の高さ」がデメリットとされています。
近年、樹脂サッシの採用率は増えていますが、地域別に傾向を見ると、寒さが厳しい北海道などのエリアで100%なのに対して、東京を含む首都圏では20%以下とそれほど多くありません。
(住宅金融支援機構|フラット35住宅仕様実態調査報告のデータを基に弊社で作成)
アルミ樹脂複合サッシ
アルミ樹脂複合サッシは、アルミサッシ・樹脂サッシの”いいところどり”なハイブリッド型窓として採用事例が増えています。
サッシ枠の屋外側をアルミ製、室内側を樹脂製にすることによって、アルミの欠点である低い断熱性と樹脂の欠点である値段の高さを補い合えるサッシです。
調査によると、2007年には全国のアルミサッシ採用率が約84%年だったのに対して、2023年には約20%にまで減り、アルミ樹脂複合サッシが増加しています。
(参考:住宅金融支援機構|フラット35住宅仕様実態調査報告)

木製サッシはコアなファンの方がいるものの、メーカーやサイズ・仕様が限られるのと価格が高いことから、日本でのシェア率は1%未満とごくわずかです。樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシのメリット・デメリットについては概要欄の動画で詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。
樹脂サッシの劣化|種類と原因
断熱性が抜群に高い樹脂サッシですが、全国的に採用されていない理由はズバリ「価格の高さと劣化」にあります。
よく見る劣化現象が、紫外線による色あせです。
樹脂サッシの原料である塩化ビニルは、紫外線に当たると化学反応によって「変色・風化」が現れ、黒やダークブラウンなどの濃い色の樹脂サッシは、日当たりのいい場所だと1年も経つと色褪せ始めて、3年から5年でかなり白化してしまいます。

変色は樹脂が風化している証拠です。実際に、色あせた樹脂サッシを触ると手に白い粉がつくこともあります。
色あせに加えて稀に現れるのが、サッシ表面のベタつきです。
これは樹脂に含まれる成分が雨などの水分と反応して加水分解されることが主な原因です。
ベタつきが起こる可能性は高くありませんが、メーカーが公表する樹脂サッシの取り扱い注意にはベタつきに関する記載もあるので”全く起きない”とは言い切れません。
(参考:LIXIL|取扱説明書 インプラス/防音・断熱内窓 FIX窓)

メーカーの改良によって樹脂サッシの劣化が現れる年数はかなり長くなっていますが、北海道など特に寒さが厳しいエリアを除いて樹脂サッシでは“やり過ぎ”かもしれません。それほど寒くない春に高いダウンジャケットを着ているイメージです。
窓の断熱リフォームは“ガラス選び”がポイント
>>>窓リフォームの施工事例「動きが悪くなってしまった窓は修理よりも交換がおすすめ!補助金がある今がチャンス」
窓の断熱リフォームをする際、多くの方が「断熱性の高い樹脂サッシを選んだ方がいい」と思いますよね。
しかし、実は窓の断熱性を左右するのはサッシよりもガラスの要素が大きいため、サッシの種類よりもガラス選びが重要です。
最近は、断熱性・防犯性どちらも高いアルゴンガス入りLow-E安全合わせガラスが人気です。
ご予算に合わせてトリプルガラスとペアガラスをお選びいただけます。

アルミサッシは断熱性が低く、ガラスを高断熱にしても枠が結露します。サッシ枠単体で見ると樹脂サッシの方がアルミ樹脂複合サッシよりも断熱性は高いですが、ガラスをはめた状態では熱の出入りにほとんど差は出ません。
外窓は「アルミ樹脂複合サッシ」がおすすめ|理由と費用目安
>>>窓リフォームの施工事例「雨戸付きの窓に内窓は付けないでください!なぜなら・・・」
比較的気候が安定している関東・中部から西のエリアではアルミ樹脂複合サッシがおすすめです。
樹脂サッシに費用をかけるよりもアルミ樹脂複合サッシに断熱性の高いガラスを組み合わせるプランの方がコスパが高いためです。
アルミ樹脂複合サッシをおすすめする理由は3つあります。
耐候性・断熱性の両方が高い
アルミ樹脂複合サッシは、屋外側が紫外線に強いアルミ製、室内側は高断熱で結露しにくい樹脂製なので、耐候性と断熱性の両方を兼ね備えています。

関東・中部より西のエリアでは、複層ガラスと組み合わせれば屋外側がアルミ製でも十分な断熱効果を得られます。
樹脂サッシより価格が安い
アルミ樹脂複合サッシは樹脂サッシより2〜3割くらい価格が安いため、窓の数が多くなるほど金額の差が開きます。
窓は1カ所だけ断熱リフォームしてもあまり効果がなくて、部屋ごと・家ごと交換しないと暑さや寒さ、結露はほぼ変わりません。
そのため、1カ所だと数万円の差でも、全体で考えると数十万円の違いになる点が樹脂アルミ複合サッシをおすすめするポイントです。
樹脂サッシよりフレームが細くてすっきり
(引用:LIXIL|樹脂窓 EW、LIXIL|高性能窓 TW・高性能窓 TW防火戸)
アルミ樹脂複合サッシは樹脂サッシよりもフレームが細く、見た目がすっきりします。
なぜなら、アルミと樹脂の比重を比べると樹脂の方が軽いものの、強度はアルミの方が高いためです。
材質 | 比重 | 比強度 (引張り強度kg/㎟) |
---|---|---|
アルミニウム合金 | 2.7 | 7〜11 |
PVC(塩化ビニル) | 1.35〜1.45 | 3.5~6.3 |
大きな窓だとフレームの太さはあまり気になりませんが、小さい窓だと採光面積に差が出るので注意しましょう。
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「樹脂サッシ」の内窓をつける方法も
窓の断熱リフォームは外窓の交換だけではありません。
既存窓の室内側に内窓をつける方法もあります。
(引用:先進的窓リノベ2025事業|内窓設置)
内窓は外窓ほど紫外線による影響を受けないので、樹脂サッシが原則です。
外窓の寿命は20〜30年程度なので、まだ比較的新しいお宅や既に1度外窓を交換しているお宅は、樹脂製の内窓を設置する方が外窓交換よりコストを抑えられます。
ただし、外窓の気密性が低いと高断熱な内窓をつけても暑さや寒さ、結露が軽減しない場合もありますので、外窓交換と内窓設置のどちらにしようかお悩みの方は、専門家に相談しましょう。

「玄関ドアマイスター」は、埼玉県・東京都を中心に数多くの窓リフォームを手がけるプロ集団です。全国から1万社以上が参加するLIXILのリフォームコンテストの窓サッシ・リプラス部門で全国上位を獲得している実績もありますので、窓のお悩みはぜひお気軽にご相談ください。
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窓リフォームするなら2025年が大チャンス!費用目安とお得な補助金情報
今年2025年は、窓を断熱リフォームをする絶好のチャンスです。
特に注目すべき補助金は、全国対象の「先進リノベ2025事業」と東京都に在住の方限定の「既存住宅における省エネ改修促進事業」です。
それぞれを申請すると、外窓交換も内窓設置もかなりお得になります。
全国対象の「先進リノベ2025事業」
「先進的窓リノベ2025事業」では、工事の方法・窓のサイズ・断熱性能グレードに応じて、1ヶ所につき最高22万円の補助金が支給されます。
窓の断熱性能グレード |
大サイズ (面積2.8㎡以上) |
中サイズ (面積1.6㎡以上2.8㎡未満) |
小サイズ (面積0.2㎡以上1.6㎡未満) |
P(SS) |
外窓:¥220,000/ヶ所 内窓:¥106,000/ヶ所 |
外窓:¥163,000/ヶ所 内窓:¥72,000/ヶ所 |
外窓:¥109,000/ヶ所 内窓:¥46,000/ヶ所 |
S |
外窓:¥149,000/ヶ所 内窓:¥65,000/ヶ所 |
外窓:¥110,000/ヶ所 内窓:¥44,000/ヶ所 |
外窓:¥74,000/ヶ所 内窓:¥28,000/ヶ所 |
A |
外窓:¥117,000/ヶ所 内窓:¥26,000/ヶ所 |
外窓:¥87,000/ヶ所 内窓:¥18,000/ヶ所 |
外窓:¥58,000/ヶ所 内窓:¥12,000/ヶ所 |
【外窓交換】
腰窓 (幅180cm×高さ120cm) |
LIXIL リプラス・複層LowEガラス:約26万円/ヶ所 |
【内窓設置】
腰窓 (幅180cm×高さ120cm) |
LIXIL インプラス・LowE複層ガラス:約9万円/ヶ所 |
※引き違い(2枚)の場合
※上記金額は、玄関ドアマイスターにご依頼いただいた場合の税込価格です(2025年7月時点)
東京都内在住の方限定「既存住宅における省エネ改修促進事業」
東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」では1カ所につき最高で11万円の補助金が支給されます。

「先進的窓リノベ2025事業」と東京都の「既存住宅における省エネ改修促進事業」は併用できます!東京都内にお住まいの方は、1つの窓リフォームで2つの補助金をもらえるので、ぜひ活用してください。
窓の断熱性能グレード |
大サイズ (面積2.8㎡以上) |
中サイズ (面積1.6㎡以上2.8㎡未満) |
小サイズ (面積0.2㎡以上1.6㎡未満) |
P(SS) |
外窓:¥110,000/ヶ所 内窓:¥53,000/ヶ所 |
外窓:¥81,000/ヶ所 内窓:¥36,000/ヶ所 |
外窓:¥54,000/ヶ所 内窓:¥23,000/ヶ所 |
S |
外窓:¥99,000/ヶ所 内窓:¥43,000/ヶ所 |
外窓:¥73,000/ヶ所 内窓:¥29,000/ヶ所 |
外窓:¥49,000/ヶ所 内窓:¥18,000/ヶ所 |
A |
外窓:¥78,000/ヶ所 内窓:¥17,000/ヶ所 |
外窓:¥58,000/ヶ所 内窓:¥12,000/ヶ所 |
外窓:¥38,000/ヶ所 内窓:¥8,000/ヶ所 |
【外窓交換】
腰窓(幅180cm×高さ120cm) |
LIXIL リプラス・複層LowEガラス:約26万円/ヶ所 |
※引き違い(2枚)の場合
※上記金額は、玄関ドアマイスターにご依頼いただいた場合の税込価格です(2025年7月時点)
【内窓設置】
腰窓 (幅180cm×高さ120cm) |
LIXIL インプラス・LowE複層ガラス:約9万円/ヶ所 |
※引き違い(2枚)の場合
※上記金額は、玄関ドアマイスターにご依頼いただいた場合の税込価格です(2025年7月時点)

「先進的窓リノベ2025事業」と「既存住宅における省エネ改修促進事業」はどちらも今年度の事業ですが、かなり注目度が高いため、申請締め切りを待たずに予算がなくなり受付終了となることが予想されています。そのため、窓リフォームをご検討中の方はお早めに施工業者へご相談ください。
まとめ
今回は、住宅用窓サッシの種類と樹脂サッシの劣化、さらにおすすめの窓サッシと費用、お得な補助金について解説しました。
2025年は費用を抑えて窓リフォームできるチャンスの年です。
「どんな窓リフォームがベストか知りたい」という方は、東京・千葉・茨城・埼玉・神奈川・栃木で多数の窓リノベ実績がある昭和5年創業の「玄関ドアマイスター」にご相談ください。

私たち「玄関ドアマイスター」は、“昭和5年の創業”の窓・玄関ドア・勝手口ドア直販会社です。自社スタッフによる高品質な施工と対応・どこにも負けない明瞭価格・安心のアフターサービスの3点が揃っています。


