玄関引き戸の錠の種類
玄関引き戸は玄関ドアに比べて防犯性が低いという印象がありますが、玄関ドアより多くの位置に鍵を使う錠が取り付けられています。
取り付けられている位置の違いによる錠の種類
引き戸には引き戸と引き戸をロックする鍵と、引き戸と玄関枠をロックする鍵があり、取り付けられている位置が異なります。
召し合わせ錠
引違戸錠という名称もある2枚の引き戸が、重なる部分に設けられている錠で、3つのタイプがあります。
プッシュ栓錠
外出時に玄関の外から施解錠する鍵です。
施錠する際には鍵を押し込み、開錠する際には鍵を差し込んで回します。昔の木製建具に使われました。
内締まり錠
在宅時に玄関の内側から施解錠する鍵です。
内締まり錠には、内側のツマミやボタンを動かして施解錠する窓のクレセント錠などがあります。その中で、玄関の引き戸には、取り外しのできないねじ締り錠という鍵を使って施解錠するタイプと、ラッチ錠などのように内側のつまみを動かして施解錠するタイプがあります。
内外錠
万能引き戸錠という名称もある玄関の内側からも、外側からも施解錠できる鍵です。近年の玄関引き戸にはほとんどこの内外錠が使われています。
戸先錠
玄関枠と戸が当たる部分を戸先と言いますが、この部分に設けられている鍵が戸先錠です。2枚建て、4枚建ての引き戸には2か所、片引き戸には1か所についています。
彫り込み錠
引き込み戸の側面に埋め込むタイプの錠前です。玄関ドアにも標準的につけられています。面付錠と比較すると、見た目がすっきりしています。
面付錠
室内側の引き戸の内側に取り付けられているタイプの錠前です。彫り込み錠と比較すると、空き巣の手口のひとつであるこじ破りに強いという特徴があります。
ドア錠こじ破り
ドアと壁の隙間にバールなどの工具を押し込み、てこの原理でドア錠を破壊して侵入する手口。強引な方法ですが、通常のドアや錠では短時間で侵入されてしまいます。
錠のタイプによる玄関引き戸の鍵の種類
召し合わせ錠、戸先錠のどちらにも、玄関の外から施解錠する為には鍵を使いますが、この鍵には2タイプがあります。
ディンプルキー
セキュリテイキーとも呼ばれるほど、防犯性が高い鍵で、クボミがついていることからディンプルキーと名付けられています。
刻みキー
刻みキーには片側だけに刻みがついているピンシリンダーキーと、両側に刻みがついているディスクシリンダーキーがあります。ピンシリンダーキーには開発が進み防犯性が高いタイプもありますが、古いタイプは防犯性が高くありません。
また、ディスクシリンダーキーはピッキングに弱いため、現在廃盤になっています。ディスクシリンダーキーは一時期ほとんどの新築住宅に採用されていた為、昭和から平成にかけて新築された住宅には、現在でも使われている可能性があります。
ピッキング
ピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、ドアの錠を短時間で開けるという手口。ピッキング手口に対応した錠でなければ、1分もかからず開錠されて屋内に侵入されてしまいます。
玄関引き戸の鍵を交換する方法と費用
ディスクシリンダーキーやピンシリンダーキーなどの古いタイプの鍵を、最新のディンプルキーに交換すれば防犯性が上がるだろうと思っても、鍵だけは交換できません。鍵穴と鍵が合わなければ、施解錠できないからです。
玄関ドアの場合には、鍵と鍵穴を合わせる為にシリンダー交換をして鍵のタイプを変えることができます。ところが、引き戸の場合には、シリンダーと錠箱が一体化されているタイプが多いため、錠箱を交換しなくてはなりません。その為、玄関引き戸の鍵を交換する為には錠箱の交換が必要です。
ケース(錠箱)
錠前の機構の部分が納められている箱型の部分。ドアの中に納める彫込型とドア面に取付ける面付型があります。
錠箱の交換は、現在の錠前のメーカーと型番を調べて同じ製品を購入する方法と、専門の修理業者に依頼する方法がありますが、業者に依頼する方法をおすすめします。取り付けが難しいことと、適切な製品を入手することが難しいからです。
特に、築年数の長い家につけられている錠は、廃盤になっていて入手できないという可能性が高く、引き戸自体が劣化したり、歪んでいたりする恐れもあるからです。
自分で交換する場合には、製品代だけですむので費用を抑えられますが、合わない製品を購入してしまった、適切な製品を購入したが引き戸が歪んでいてうまくつけられなかったというようなことになれば、購入した製品が無駄になってしまいます。
製品代はメーカーによる違いもありますが2~3万円程度です。専門の修理業者に依頼する料金は作業の難易度によって変わり、1~2万円程度です。
手動キーからキーレスへの交換
玄関引き戸の鍵の交換には、従来の手動キーではなく、鍵を使わずに施解錠する電子キーや、暗証番号キーへの交換という方法もあります。キーレスには、施解錠の面倒さが軽減されることと、オートロックに設定できるという良さがあります。
引き戸の電子錠
戸先錠をキーレスにしたい場合には、リモコンやカードで施解錠できる電子錠に交換します。設定の方法でオートロックにすることができます。
電子錠には電池タイプと、電源タイプがあります。電池タイプは電池切れの心配はありますが、工事が手軽です。
一方、電源タイプは停電の際に使えなくなることと、工事が大掛かりになることから、電池タイプほど採用されるケースは多くありません、
引き戸の暗証番号キー
戸先錠をキーレスにするもう一つの方法は、暗証番号を打ち込んで解錠する暗証番号キーです。施錠時は引き戸を閉じると自動的に施錠されるオートロックです。
オートロックの防犯効果
泥棒の侵入経路で最も多い場所は窓、次が玄関や勝手口ですが、侵入手口の中で最も多い手口は無締りです。施錠されていない玄関から堂々と侵入するという犯罪が、最も多いということは、施錠忘れをする人が多いということです。
その為、オートロックには防犯効果を高める働きがあります。
防犯性向上とキーレスの便利さ、玄関内の暖かさを得られる玄関引き戸の交換
新築して間もない住宅であれば鍵の交換が良いと思いますが、築年数が長い住宅の場合、鍵の交換よりも引き戸の交換の方がより良い結果を得られます。玄関ドアマイスターが扱っているのはLIXILリシェントとYKKAPドアリモです。
関連コラム 玄関のスマートキーは引き戸にも取り付けられる?
防犯性がより向上する
防犯性を高めたいという目的で鍵の交換を検討されている場合、玄関引き戸は鍵を強化するだけでは、十分に防犯性を高められません。古い引き戸にはガラス部分の防犯性が低いという問題があります。
最新の玄関引き戸には格子のデザインやガラスの強化によって、鍵以外の部分にも防犯対策が施されています。また、電子錠も後付けするより、始めから引き戸に取り付けられているタイプの方が使い勝手が良く、見た目もすっきりします。
鍵の不具合が繰り返されない
鍵の不具合で鍵の交換を検討されている場合には、その不具合が玄関引き戸の歪みによって引き起こされている可能性があります。木造住宅には築年数が長くなると、経年劣化によって歪みが生じ、建付けが悪くなることがあるからです。
もし玄関枠の歪みによって玄関引き戸が圧迫され、鍵の開閉がし難くなっているとしたら、鍵を交換しても、一定の時期を過ぎると同じような不具合が発生する可能性が高いです。引き戸の交換では、交換の際に建付けの悪さが解消されるので、再びカギに不具合が起こる可能性は低いです。
玄関ドアの疑問解決 建て付けの悪い玄関でも、リフォーム専用ドアは付きますか?
鍵の不具合や防犯性への不安の他に、玄関の寒さや経年変化による見栄えの悪さなどのお悩みがある場合には、新しい玄関引き戸への交換をおすすめします。使い勝手も玄関周りの雰囲気もとても良くなりますよ!
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