目次
玄関ドアの枠ごと交換と玄関ドアだけ交換のリフォーム費用の違い
玄関ドア交換にはドアの不具合を直したい、きれいなドアにしたいなどの一般的な目的の他に、間口を広げたい、開き方タイプを変えたいといった目的もあります。
不具合を直したり、新品のきれいなドアにしたりすることは、玄関ドアの交換だけで目的が達成できます。一方、現在より間口を広くしたい、片開きドアを親子ドアにしたいなどの目的は、壁を壊して玄関ドアの枠ごと交換する必要があります。
それぞれの交換方法の違いについて確認していきましょう。
玄関ドアだけ交換するカバー工法でのリフォーム方法と費用
現在の玄関枠は残し、新しい枠を被せた上で新しい玄関ドアに交換するリフォームです。この工法はカバー工法という近年開発された工法で、窓交換にも採用されています。
ドアは取り外しますが、壁に埋め込まれている玄関ドアの枠は残すので壁を壊す必要がありません。その為、騒音や粉塵がない上に、1日で工事が完了します。工事にかかる費用は玄関の間口や開き方タイプによって異なりますが、一般的に古いドアの処分費用も含めて10万円程度です。
リフォーム全体にかかる費用は、この工事費と玄関ドアの製品代です。製品代は開き方タイプと機能の違い、リモコンキーの有無によって変わり、およそ10~40万円です。防火戸以外は、断熱・通風・リモコンキーをつけても、工事費込み価格40万円程度で、交換ができます。
カバー工法での交換には、カバー工法専用の玄関ドアが使われます。YKKAPでは、新築住宅で人気が高い新築用玄関ドアヴェナートD30と同じ断熱性能を備えています。また、ヴェナートD30とほぼ同じデザインとカラーバリエーションが揃っています。
玄関ドアを枠ごと交換するリフォーム方法と費用
間口が狭く、通行がし難いので間口を広げたいという場合には、壁を壊して枠ごと交換するはつり工法でのリフォームが行われます。
この工法では、玄関ドア取り付け以外に、玄関ドア回りの壁の解体と壊した壁の廃棄物処理、玄関ドア内部の壁や床の貼り替えなどが必要なので、多くの業者さんが関わります。その為、工事完了には数日かかり、業者間のスケジュール調整がうまくいかなければ、1週間以上かかることもあります。
カバー工法が開発される以前は、玄関ドアの交換はこの方法しかありませんでした。枠ごと交換は大掛かりな工事なので、費用も100万円以上になることがある為、玄関ドアが古びて見栄えが悪くなっても、不具合が起きても、修理しながら使い続ける住宅がほとんどでした。
現在でも、壁を壊してでも間口を広げなくてはならない必要に迫られている場合や、枠の状態が修復できないほど劣化している場合、また、壁ごと解体する住宅のリノベーションなどを行う場合には、この方法が採用されます。
枠ごと交換するはつり工法の工事費は高額ですが、新築用玄関ドアを使うので玄関ドアの製品価格は多少抑えられます。
ドア枠を交換せず開き方タイプ変更で費用を40万円以内に抑える方法
間口を広げて通行しやすくしたかったけれど、枠ごと交換はそんなに費用がかかるのか…とガッカリされたかもしれません。ただ、玄関ドアだけ交換でも、玄関ドアの開き方タイプを変更すれば、間口の幅は変わりませんが、片開きドア以外は通行の幅を広げることはできます。
どの開き方タイプに交換した場合も工事費込みで、防火ドア以外は40万円以内の玄関ドアが見つかります。玄関ドアの開き方タイプ別に、変更する方法を見ていきましょう。
親子ドア
親扉と子扉が組み合わされた玄関ドアです。子扉の幅を狭くし、親扉の幅を広げることで通行の幅が拡がります。
袖付きFIXドア
親扉と袖が組み合わされた玄関ドアです。袖の幅を狭くし、親扉の幅を広げることで通行の幅が拡がります。さらに、玄関ドア交換の際に親子ドアに開き方タイプを変えれば、間口いっぱいの通行の幅を得られます。
両袖FIXドア
親扉の両脇に袖がついている玄関ドアです。袖のサイズを狭くし、親扉の幅を広く調整して通行の幅を拡げられます。両開きドアや袖付き親子ドアに交換すると、全開放した時にはさらに通行の幅を広げられます。
袖付き親子ドア
親子ドアと袖が組み合わされた玄関ドアです。YKKAPだけの開き方タイプで、リクシルにはありません。子扉も開放できるので両袖FIXドアより通行の幅が拡がります。両開きドアや両袖FIXドアに交換できます。
両開きドア
左右同じサイズの扉が組み合わされている玄関ドアです。全開放した際には間口いっぱいの通行の幅が得られます。
片開きドア
ドア本体だけのシンプルが玄関ドアです。アウトセット玄関引き戸という横に引いて開閉するドアに交換する方法があります。
間口の幅は変わりませんが、ドアが前方に飛び出てこない分、通行しやすくなります。ただし、開口部の横の壁にドアを引き込むだけの幅が必要です。(玄関ドアマイスターでは取り扱いがありません。)
下枠交換はしなくても段差はなくせる
カバー工法で交換すると下枠を交換しない為、下枠に段差が出ると聞いたが、ベビーカーや車いすで通行できるのだろうか?と不安に思われる方もいらっしゃることと思います。
確かに、ほとんどの場合、玄関ドアにはもともと下枠の部分に雨水が侵入しないように段差があります。さらにカバー工法で新しい枠を被せるので、差はより高くなってしまいます。
この部分を心配される方が多いのではないでしょうか?せっかく通行の幅を広げても、段差ができてしまうとバリアフリーとは言えなくなってしまいます。
ただし、その心配はありません。カバー工法でのドア交換では、必要があれば下枠の段差をなくす工事も同時に行います。まず、段差をなくすため、メーカー側では段差緩和材を複数用意しています。さらに状況によっては、下段のドア枠を削って全く段差を生み出さないという下枠を交換する工事の方法もあります。