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コラム

公開日:2023年5月24日

/ 最終更新日:2024年07月24日

引き戸の玄関の防音対策は難しい?理由と対策を考える

引き戸の玄関の防音対策は難しい?理由と対策を考える

騒音が気になる、音が聞こえてくると頭が痛くなると音に悩んでいる方が多いでしょう。今、音・騒音対策として、窓の二重窓化(内窓の取り付け)が認知されつつあり、非常に有効性があります。
しかし、常にいる場所ではないけれど、玄関から聞こえてくる音も対策しておくと、より安心ではありませんか。防音対策を考えるなら、開口部の一つである玄関も一緒に考えましょう。

今回は、玄関、特に引き戸玄関において、有効な防音対策についてお話しします。

 

音はどこから聞こえる?

音はどこから聞こえる?

外の音・騒音がどこから聞こえてくるでしょうか。答えは、開口部(主に窓)です。

家にいる場合、リビングや部屋にいる時間が長いため、開口部を締め切れば音が小さくなる、だから窓を閉めれば大丈夫だと思っていませんか。

ですが、騒音に悩む方は、窓を閉め切っていても、音が聞こえてくる現状に悩まされています。

では、音を遮断する方法として、音が聞こえる仕組みから考えてみましょう。

【方法1】音が届くまでの厚み(障害物)を増やす

音は、音の起点から放射線状に広がっていきます。そして、距離が遠ければ、もちろん聞こえません。
では、近い距離にも関わらず、聞こえないのは、障害物(壁など)があるためです。厚みがあれば、あるほど障害物に音が吸収されて、聞こえにくくなります。

 

家の状態でも考えてみましょう。

壁より窓から音が聞こえてくるのは、それだけ厚みが違うからです。
一般的な戸建住宅の窓ガラスの厚みはわずか3mm前後であり、壁は13cm前後ですので、厚みが大きく異なることが分かりますよね。

だからこそ、音が窓から聞こえてくるのであり、窓を厚くすること、エコガラスやトリプルガラスにするために窓を交換する、内窓を取り付けて二重窓にすることが騒音対策として非常に有効なのです。

 

【方法2】隙間をなくす

音が届くまで障害物を増やすことは、非常に有効ですが、どこかに隙間があると、その隙間から音が伝わってしまいます。

だからこそ、隙間がない状態であることも、音を通さない重要なポイントです。

実は、窓はレール上を動く構造であるため、そのレールには隙間がありますし、劣化やズレにより壁と窓枠との間に隙間が生じていることがあります。

つまり音が届かない、室内に聞こえないようにするためには、単純に障害物(厚み)を増やすだけでは効果が十分に発揮されないのです。

 

引き戸玄関での防音は難しい

引き戸玄関での防音は難しい
玄関ドアは、引き戸のほかに前後に開閉する開き戸タイプの玄関ドアがあります。
先にお伝えしておきますが、防音対策において、引き戸は開き戸に比べてドアの構造上、防音効果は小さいです。

では、なぜ構造上開き戸より防音が劣るのか、理由に迫りましょう。

 

【理由1】ドア本体の厚み

引き戸の多くの製品は、ガラスとレール幅に合わせた薄い枠で構成されています。
一方で、開き戸は、パネルに窓部分がくり抜かれているような状態です。

となると圧倒的に厚みが違ってくるのです。

 

【理由2】レールの隙間

開き戸では、外枠の中に入るような構造であるため、ドアが閉まっている状態の場合、隙間がほとんどなく、密閉性が高くなります。

一方で引き戸の場合、ドアがスムーズに左右にスライドさせられる状態でないといけませんので、開き戸と比較して隙間があるのです。

しかし、既存の玄関ドアにズレなど不具合が生じている場合、ズレを直すことで、ズレから聞こえてくる音を減らすことができる可能性があります。

 

引き戸でできる防音対策

引き戸でできる防音対策

引き戸は、開き戸に比べて劣ることは否めませんが、対策を講じることで、防音性能を高めることが期待できます。

 

【対策1】きちんと施錠する

ドアをきちんと施錠することで、動かないようにピタッと止めることができますよね。
つまり、最小限の隙間に抑えることができ、音が入ってくる量を小さくできる可能性があります。

 

【対策2】防音カーテン

玄関を出入りする際、邪魔になると思いますが、室内側に防音カーテンをかけましょう。

ただし、玄関ドア全体を覆うように設置しなければなりませんし、カーテンを取り付けることで、玄関の中が暗くなることも予想されます。一つの防音対策ですが、あまりおすすめはできません。

 

【対策3】壁や床に防音材をはる

壁や床に防音材を貼って、音を吸収してもらいましょう。ドアで防音シートやカーテンを取り付けて玄関に不具合が生じるよりも、比較的差し障りなく、生活することができるでしょう。

 

【最善な対策】玄関ドアを交換する

既存の玄関ドアが引き戸であり、根本的な解決を目指すなら、開き戸の玄関ドアに交換しましょう。
ただし引き戸4枚建の場合は、開き戸に交換することはできませんが、2枚なら開き戸に交換することができます。3枚建の場合は、開き戸に交換できる可能性はありますが、横幅による可能性が高くなります。

また引き戸から引き戸の場合でも、現状より改善する可能性がありますので、前向きに検討してください。

 

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玄関リフォームは防音対策以外の効果も大きい

玄関リフォームは防音対策以外の効果も大きい

防音対策は、あくまできっかけに過ぎませんが、実は、玄関ドアをリフォームすることは、以下の面で効果があります。

●断熱化
●防犯強化
●快適性が向上する

 

断熱化

今、家を断熱化することが重要視されています。家を断熱化するためには、窓や玄関といった開口部を断熱化することが、効果的です。
例えば、窓に内窓の取り付ける、玄関ドアを断熱ドアにすることです。

 

省エネ基準レベルの断熱性能の住宅での試算例

さて、断熱化によって、何がよいか、知っていますか?

 

室内の気温が一定に保ちやすく、エアコンなどの空調を省エネで稼働させ、電気代の削減、エネルギーを使わないことでCO2が削減でき、自然に優しいのです。

また、室内の気温がほぼ一定であることは、冬に起こりやすいヒ-トショックのリスクも下げることができ、健康的に日々を過ごすことができるでしょう。

 

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防犯強化

空き巣被害や住宅侵入の犯罪は減少傾向にあるとはいえ、まだまだ数千件起きています。

参考:警視庁統計(窃盗の認知状況)

だからこそ、侵入することが難しい玄関ドアに交換することは、安全性を高めることができます。

例えば、玄関ドアであれば、スマートキーで鍵穴が見えないものや、標準装備でピッキング対策が講じられたものに変えることができます。

 

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快適性が向上する

築年数が長いお家の場合、劣化などの理由により、ズレが生じている場合があります。
玄関ドアがスムーズに開けられない、ギーギー音がする場合、ドアをリフォームすることで、解決することができます。

また玄関が暗い、風通しをよくしたいという場合でも、採光ドアや通風ドアもありますので、お悩みを一気に解決することができるでしょう。

 

築年数が長いお家は、特にあと数年しか暮らさないから、リフォームすること自体がもったいないと考えている方も少なくありません。
しかし、あと数年でも、その数年を快適に、かつ安全に暮らしていくことをぜひ考えてください。

 

マイスター社長
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お客様のご自宅に伺う仕事ですので、信頼を何よりも大切にしています。丁寧親切はもちろんのこと、マナーの徹底も行っています。仕事は、最後は人で決まるという部分があります。世界に唯一の商品やサービスを売っている会社なんて一握り。同じような価格、同じようなサービスは、他にもある。それでも「あの人に」と選んでいただける、そんな会社でありたいと思っています。

玄関ドアで困っていることがあれば、どんなことでもご相談ください。

玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。

家族にとっては、必ず毎日通る場所です。

きれいで快適な玄関は、生活の質を格段に向上させます。

新しい玄関で快適な生活を手に入れてください。

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著者情報

マイスター社長 中村 貴

中村 貴

玄関ドアマイスター社長
二級建築士
株式会社中村建硝(昭和5年創立)の三代目
建具のプロとして、当店のスタッフの知識と技術はどこにも負けないという自負があります。お客様の暮らしを快適にし、お悩みを解決することで社会に貢献したいと思っています。

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