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火災保険で玄関ドア交換の対象となる破損の原因
玄関ドアが壊れてしまった時、「壊れた原因が補償の適用内にあった場合、火災保険で補償される」ことをご存じない方は意外に多くいらっしゃいます。
ソニー損保 災害リスクと火災保険に関する全国調査 2021年版 調査結果詳細レポート
加入の際にどの程度検討したのか聞いたところ、約9割(85.8%)が詳細まで検討せずに加入していることがわかりました。加えて、現在加入中の補償内容を完全に把握している人は約1割(13.5%)にとどまっています。
引用:火災保険の補償内容×自然災害のリスクがマッチしている世帯は微増も、依然6割超がミスマッチ 過不足のある世帯の割合が最も多いのは2年連続九州地方に
もし、プランや補償の内容を把握していないかもしれないという場合には、玄関ドアの交換が必要になった際に備えて確認しておきましょう。
火災保険ではプランによって保障される内容の詳細は異なりますが、基本的に破損の原因によって保障されるかどうかが変わります。
そして玄関ドアの交換が必要になるケースには大きく分けて老朽化による不具合と、災害や事故による破損があります。
この中で火災保険が玄関ドアの交換の対象となる可能性のある破損の原因には、自然災害と空き巣被害、他者が原因で発生した事故、不慮の破損・汚損などの被害が挙げられます。
くらしと保険
「火災保険」はその名のとおり火災による損害を補償する保険ですが、補償されるものは火災による損害だけではありません。
火災、落雷、破裂・爆発による損害、風災・雹(ひょう)災・雪災による損害を補償するプラン、これらによる損害のほかに盗難・水濡(ぬ)れ・車両の飛び込み等による損害を補償するプラン、さらに破損・汚損等まで補償するプランもあります。
引用:損保ジャパン株式会社 ご存知ですか?火災保険の補償範囲
災害で破損した玄関ドアが火災保険で交換の対象となるケース
火災保険には多くの場合、風災、雹災、雪災という3つの自然災害への補償がついています。
風災が補償対象になるケース
台風や強風、竜巻などによる損害が風災です。
屋根瓦が飛んで割れてしまった、硬い物が飛んできて壁に穴が開いてしまった、強風でカーポートが壊れたというような状況は風災にあたります。
その為、玄関ドアの袖ガラスが割れてしまったり、穴が開いてしまったりした場合には補償の対象になる可能性があります。
雹災(ひょうさい)が補償対象になるケース
雹(ひょう)やあられによる損害が雹災です。
雹があたって窓ガラスが割れたり、雨樋が壊れたり、屋根に載せた太陽光パネルが破損したりする状況が雹災にあたります。
その為、玄関ドアの袖ガラスが割れてしまったり、穴が開いてしまったりした場合には補償の対象になる可能性があります。
雪災が補償対象になるケース
大雪による損害が雪災です。
雪の重みでカーポートがつぶれてしまったり、雪崩が発生し家ごと倒壊してしまったりする状況が雪災にあたります。
その為、雪災で玄関ドアが補償の対象になるケースは考えにくいです。
3つのケースに共通する注意点
風や雹、雪によっては破損した部分から雨や雪が室内に吹き込み、家具や家電にも被害が及んだ場合には、家財も補償の対象になるのですが、もともと老朽化でできていた隙間からの吹き込みによる被害は補償の対象にはなりません。
窓や玄関などの開口部は老朽化で隙間ができやすい場所なので、日ごろから隙間を無くしておくことが大切です。
空き巣に壊された玄関ドアが火災保険で交換の対象となるケース
火災保険では契約内容によっては空き巣被害への補償が受けられることがあります。
ひとつは侵入の為に窓ガラスを割られたり、玄関ドアの鍵を壊されたりした被害に対する補償、もう一つは盗まれてしまった家財に対する補償です。
ただ、契約内容にもよりますが、被害に対して保証される割合は100%ではないので、日ごろから防犯性を高めて空き巣被害を受けないようにしておくことが大切です。
事故で壊された玄関ドアが火災保険で交換の対象となるケース
自然災害以外にも人為的に石をぶつけられて玄関ドアが凹んでしまったり、袖ガラスが割れてしまったりした場合には、補償を受けられることがあります。
また、自動車が敷地内に侵入してきて玄関ドアにぶつかったという場合も、相手から損害賠償を受けられなかった際には補償を受けられることがあります。
プランによっては、うっかり玄関ドアに何かをぶつけてしまった、といった偶然な事故が補償されることもあります。
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現在の玄関ドアより品質の高いドアが交換の対象となるケース
保険の補償の内容は、基本的に原状復帰です。
せっかく交換するなら断熱性のある玄関ドアにしたい、リモコンキー付きにしたいなどの希望がある場合、+アルファの希望は補償の対象外です。
ただしその分を自費で支払うという方法をとれば、最新の玄関ドアに交換できます。
火災保険で玄関ドア交換の対象にならないケース
火災保険の契約内容に自然災害や盗難による被害が含まれていない場合には、それらに対して補償されないことは当然なのですが、含まれている内容に対しても補償されないケースがあります。
過失による破損は補償の対象外、偶発的事故はケースバイケース
わざと壊した訳ではないが過失で壊してしまったという場合には、補償の対象になりません。
例えば火災の原因が調理中に鍋を火にかけたままその場を離れてしまったり、漏電の可能性があることを知っていながら修理していなかったりといったことであった場合、火災自体が補償の対象にならない為、玄関ドアの交換も補償の対象にはなりません。
ただしプランによっては、偶然な事故が補償される場合があります。玄関内の高い収納場所に物を入れようとしている時、うっかり落として玄関ドアにぶつけてしまったというケースが想定されます。