玄関が寒い理由
玄関は暖房をしていない場所だから寒くても仕方がないと思われている方が多いと思います。その玄関が寒くなる理由には、玄関の向いている方角や玄関ドアの断熱性、家の中からの熱の流出と冷気の侵入が考えられます。
玄関の向いている方角
新築時、玄関は住宅が面している通りとの位置関係によって、どこに配置するかが決められます。もし2方向が通りに面している場合には、リビングへの日当たりを優先することがほとんどです。その為、南向きの窓が設けられるリビングを中心に間取り計画が進められます。
その結果、敷地の形状や周辺環境にもよりますが、玄関が北向きに設けられることになってしまいます。玄関に限ったことではありませんが、北向きの場所は直射日光が当たらないので、陽射しによって暖まることがありません。
書斎や勉強部屋にすると直射日光が当たらない良さが活かされ、集中力が上がると言われますが、北向きの玄関はただ寒いだけの場所になってしまいます。
玄関ドアの断熱性
近年は住宅の省エネ化が進んでいる為、新築住宅の玄関には、断熱性を備えた玄関ドアが設けられます。一方、省エネ化が今ほど推進されていなかった時代に建築された住宅には、アルミの玄関ドアが設けられています。
アルミの玄関ドアには、軽くて耐久性が高く安価であるという良さがあります。その為、人気の高かった木製玄関ドアに替わって、十数年前までは広く普及していました。ところが、このアルミの玄関ドアには、熱を通しやすいという問題点があるのです。
熱を通しやすいということは、家の中の暖かさが、ドアの面を通して逃げて行ってしまうということです。同時に外気の影響を直接的に受けるので、冬はドアが冷たくなり夏はドアが熱くなってしまいます。その結果、冬になると玄関は寒い場所になってしまうのです。
玄関ドアからの冷気の侵入
築年数が長くなった住宅では、住宅の重みや、地震の揺れから受けた影響の蓄積で、歪みが発生していることがほとんどです。その歪みは、家の中の様々な場所に建付けの悪い窓や、ドアを生み出します。開閉し難い窓やドアの原因の多くは、歪みによる建付けの悪さです。
そしてこの現象は玄関ドアにも起こることがあります。玄関ドアの建付けが悪くなると、鍵がかかりにくくなるなどの問題と同時に、隙間からの冷気の侵入という現象がおきます。玄関ドアと玄関ドアの枠の間の隙間から冷気が侵入してくるのです。
また、木製玄関ドアは古くなると塗装が剥げるなどの問題以外に、木が収縮したり歪んだりするので、やはり玄関ドアと玄関ドアの枠の間に隙間が生まれてしまいます。さらに、玄関ドアや袖にポストがついている場合には、そこからも冷気が侵入してきます。
床下からの冷気の侵入
日本の玄関には靴を脱ぎ履きする為に土間があります。その目的に合わせて、土間は土汚れが洗い流せる洗い出しやコンクリート、タイルなどで仕上げられています。このような水を流せる素材は、室内に使われるフローリングや畳と違い、温かみがなくヒンヤリとしています。その為、玄関では床から上がってくる冷えも寒さの原因の一つです。
玄関からの冷気がリビングや洗面所に影響する理由
住宅には換気の為、室内ドアの下部にわずかな隙間がつくられています。洗面所にはドアが設けられていない間取りもあります。
もし、玄関に隣接してリビングがある場合、暖房の熱が逃げないよう、出入りする度にこまめにドアを閉めていたとしても、冷気はドアの下部から床を伝って拡がります。その結果、足元がスースーする、部屋の中に温度差がある、設定温度を上げないと部屋が暖まらないというような状況が生まれてしまいます。
また、玄関の近くに洗面所がある場合には、洗面所にも同じ現象がおきます。洗面所は入浴の際には脱衣室としても使う住宅が多いと思います。その場合、エアコンがついていなければ玄関からの冷気で、冷えた場所で入浴前後の支度をしなくてはならなくなってしまいます。
このような環境は子どもが風邪をひきやすくなる、高齢者にヒートショックのリスクが高まるなど、家族の健康にも悪影響があります。冷暖房の効率上げて省エネ性を高める為にも、家族が心地よく朝や入浴前後の支度をする為にも、玄関からの冷気は遮断する必要があります。
ヒートショックが起こりやすいのは入浴時
ヒートショックは、特に冬季の入浴時に起こりやすいことが知られています。暖房をしていない脱衣場や浴室では室温が極端に低くなりがちで、こうしたなかで衣服を脱ぐと、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がります。
玄関からの冷気を遮断する方法
玄関を寒い場所にしないこと、冷気が発生しない場所にすることが玄関からの冷気が家の中に拡がらないようにする為に必要な対策です。
対策としては①玄関ドアからの冷気の侵入を防ぐ②玄関土間からの冷気の侵入を防ぐ③玄関ドアからの熱の流出を防ぐという3つの対策が考えられます。
玄関ドアからの冷気の侵入を防ぐ=隙間テープ
玄関の冷気は隙間から入ってくるので、隙間を防ぐ必要があります。隙間対策としては、ホームセンターなどで販売している玄関ドア用の隙間テープを貼る方法が役立ちます。
玄関土間からの冷気の侵入を防ぐ=床下断熱リフォーム
玄関の床下に断熱材を入れるリフォームで、土間に上がってくる冷えを減少させることができます。
玄関ドアからの熱の流出を防ぐ=断熱カーテンやのれん
玄関ドアの前面に断熱カーテンやのれんを下げることで、玄関ドアからの冷気を防げます。
ただ、この3つの方法には複数の問題点があります。隙間テープは、見栄えが悪くなってしまいます。玄関は家の顔とも言われる場所です。そのような場所に隙間テープが張られていると、家全体の印象が損なわれてしまいます。また、隙間テープは、シーズンごとに張り替えなくてはならないという手間もかかります。
床下断熱リフォームには、玄関内への隙間風と玄関ドアからの熱の流出を防げないという問題があります。床から上がってくる冷えは解消しますが、玄関内の空間全体を考えると、十分な効果が得られないかもしれません。
断熱カーテンには、玄関ドアの開閉がし難くなるという難しさがあります。玄関ドアを開閉する際に、カーテンの開閉もしなくてはならないからです。賃貸住宅で次の冬には引っ越す予定であるという場合には、隙間テープやカーテンが便利です。ただ、戸建て住宅の場合には、これからの数十年の快適さを考えると、玄関ドアで断熱をするという方法が最適な対策です。
玄関の冷気遮断に役立つ断熱玄関ドア
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断熱玄関ドアとはドア本体に断熱材が充填されている玄関ドアのことです。この玄関ドアは、冷気の侵入と熱の流出を同時に解決します。
玄関ドアからの冷気の侵入を防ぐ
断熱玄関ドアへの交換はカバー工法という工事で行われます。カバー工法とは、現在の玄関ドアの枠に新しい枠を被せ、新しい断熱玄関ドアを取り付けるという方法です。この工事の際に、玄関ドアの建付けの悪さが解消され隙間がなくなります。
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また、玄関ドア自体も気密性の高い構造なので、ガラスとサッシの間の隙間がありません。ポスト付きのタイプを選んだ場合にも、従来のポスト付き玄関ドアのような隙間風の侵入はありません。
玄関ドアからの熱の流出を防ぐ
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玄関ドア全体が熱を通さない構造になっているので、ドアの面から熱が逃げることを防ぎます。また、玄関ドアの内側は外気温の影響を受けないので、ヒンヤリすることもありません。
玄関ドアの交換では床からの冷気の侵入は防げませんが、隙間からの冷気と、玄関ドアからの暖かさの流出は確実に改善されます。その結果、玄関も玄関の近くにあるリビングや洗面所にも冷気が侵入しなくなります。
そして何より嬉しいことは、冷気対策をしたからと言って見栄えが悪くなったり、使い勝手が悪くなったりすることがないということです。交換前よりも玄関周りの雰囲気も、玄関の利便性もぐっと向上します。
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玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。
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