目次
玄関の寒さの理由と対策① 床から冷えが上がってくる
玄関の土間は靴のまま立ち入れる場所なので、たたきやタイル、コンクリートなど汚れにくく、洗い流せる素材が使われています。赤土や砂利に消石灰とにがりを混ぜて塗るたたきも、コンクリートやタイルもすべて温かみの無い素材なので、どうしても冷えてしまうのです。
冷えを解消する為に、フローリングやコルクなどの温もりのある素材に変えてしまうと、土足のまま立ち入れない場所になってしまいます。
そこで考えられる床の冷えの対策には、ドアマットを敷く、床断熱をするという2つの方法が考えられます。ドアマットは床の冷たさは和らぎますが、玄関内の空気の冷たさには効果はありません。
床断熱をする方法には業者に依頼する方法と、DIYでする方法があります。
業者に依頼する方法
床下に防湿シートを敷いた上に発泡ウレタンを吹き付ける、床面に発泡ウレタンを吹き付けるなどの方法で床下から部分的に玄関土間部分の断熱をします。
DIYでする方法
玄関土間の上にスタイロフォームを敷き込み、ベニヤ板とクッションシートを敷くという方法です。
ドアマットよりは効果がありますが、ドアマットと同じように玄関内の空気の冷たさが完全になくなるわけではありません。
玄関の寒さの理由と対策② 玄関ドアや引き戸からの熱の出入り
玄関の出入り口から熱が出入りしてしまう場所は、ドア本体やガラスの面と隙間です。
玄関ドアや引き戸の面から熱が出入りする理由と対策
アルミの玄関ドアや単板ガラスが組み込まれている引き戸は、閉じていても、ドア本体や引き戸のガラスから、熱が逃げて行ってしまいます。
また、引き戸の場合は、ガラス面が多いので、玄関の向いている方角によっては、夏場は太陽の熱が強く入り込み、玄関内が暑くなることもあります。
面からの熱の出入りを防ぐ方法として最も有効な方法は、玄関の出入り口を断熱性のあるドアや引き戸に交換することです。
賃貸などで交換できない、数年後には退去するので費用をかけたくないという場合には、両面テープ付きの断熱シートを貼るという方法があります。そのままでは見た目が良くないので、壁などに貼るリメイクシートをその上から貼りつけたりもできます。
ただ、戸建て住宅の場合、この方法では玄関の印象がどうしても安っぽくなってしまいます。また、引き戸は開閉できなくなってしまうので、この方法は採用できません。加えて、玄関ドアや引き戸と交換する方法に比べると、断熱効果は高くはありません。あくまで一時しのぎの方法です。
玄関ドアや引き戸の隙間からの熱の出入り
新築から数十年経つと、家の重みで住宅に歪みが生じ、玄関の枠と、ドアや引き戸の間に隙間ができてしまうことがあります。また、新築間もなくても、地震の影響で歪んでしまうこともあります。
その結果、建付けが悪くなり、ドアや引き戸、窓の開閉がし難くなったり、鍵がかかりにくくなったりしてしまうのです。そしてできてしまった隙間から、暖かさや涼しさが出ていき、暑さや冷たさが入ってきます。
この隙間からの熱の出入りを防ぐ方法には、隙間テープを貼る、ドアや引き戸の前面に断熱カーテンを取り付けるといった方法があります。どちらも手軽にできる方法ではありますが、見栄えが悪くなることは否めません。
理想的な方法は、断熱性のある玄関ドアや引き戸への交換です。交換の際に建てつけの悪さが解消されるので、隙間風がなくなることはもちろんですが、それ以外に開閉し難い、鍵のかかりが悪いというような状況も改善されます。
玄関ドアや引き戸の断熱が家の中の寒さにも影響する理由
玄関から侵入した冷気は、室内ドアの下部の隙間を通ってリビングや洗面所にも侵入していきます。暖房をしているのに足元が冷えるという現象は、窓からのコールドドラフトにも原因がありますが、玄関からの冷気も影響しているのです。
特に、断熱リフォームで家中の窓に内窓をつけている住宅では、玄関のせいでその効果が低くなっている恐れがあります。理想の断熱リフォームは、家中の開口部を全て断熱することです。家中の開口部がすべて断熱されることによって、熱の流出を遮り、家の中を魔法瓶のような状態にできるのです。もし1か所でも熱の逃げ場があれば、断熱効果は低下してしまいます。
開口部の断熱
住宅の断熱で重要なのが、開口部の断熱性能を高めることです。なかでも窓は、熱の出入りが大きいので、断熱上の重要なポイントとなります。冬の暖房時に、室内に逃げ出す熱の約6割が窓などの開口部からで、夏の冷房時に、室外から侵入する熱の約7割は窓などの開口部からです。
引用:経済産業省 資源エネルギー庁 家庭向け省エネ関連情報 省エネ住宅
ドアや引き戸の交換での玄関の断熱方法
玄関の出入り口の選び方で、玄関の断熱状況が変わります。玄関ドアは引き戸より断熱性が高いのでは?と思われている方が多いと思います。確かに玄関ドアより断熱性の低い引き戸はありますが、それは玄関ドアも同じです。玄関ドアの中にも断熱性のないタイプもあるのです。
ただ、デザインの好みや使い勝手などを考え併せた上で、引き戸からドア、ドアから引き戸という選択肢もあります。
玄関引き戸からドア
2枚建て引き戸からは、両開きドア、袖付き親子ドア、両袖ドアに交換できます。
高断熱にしたい
玄関引き戸にも断熱タイプはありますが、玄関の向いている方角や玄関周辺の環境、間取りなどの関係から、一般的な断熱仕様よりさらに高い断熱をしたいという希望がある場合、玄関ドアなら高断熱タイプがあります。
メーカーの制限なくスマートキーを導入したい
リクシルの玄関引き戸にはスマートキーがつけられますが、YKKAP の引き戸には手動キーだけしかつけられません。YKKAPにこだわりがある場合には、玄関ドアにしてスマートキーを導入するという方法があります。
ロックしたまま風を通せる玄関にしたい
玄関引き戸は開ける幅を調整できるので、風通しの良い玄関の環境が調います。ただその際、引き戸にロックはかけられません。間取り上、家族のいる場所から玄関が視界に入らないので不安、夏は就寝中も風を通したいなどの希望がある場合には、通風機能のある玄関ドアに交換するという選択肢があります。
通風機能のある玄関ドアは「ロックしたまま風を採り入れられる」ので、安全に風を採り入れられます。玄関からの風は、2階の窓へと抜けていくので玄関内だけではなく、家中の換気が良くなります。
玄関ドアから引き戸
両開きドア、袖付き親子ドア、両袖ドアからは、2枚建て引き戸に交換できます。
通行の際に開けた状態を維持できる出入り口にしたい
玄関ドアは、扉が前方に出っ張ってきます。子どもを抱いている、ベビーカーを乗り入れる、車椅子で通行するというような時には、扉を押さえるのが大変です。引き戸なら必要な幅に開き、その状態を維持できるので、通行がしやすく便利です。
引き戸の夏の暑さの解消について
引き戸はガラス面が多いので、玄関内が明るいという良さがあります。ところがその一方、夏は玄関の向いている方角によっては、太陽の熱で玄関内の温度が上昇してしまいます。そのような玄関の場合には、Low-E複層ガラス遮熱タイプを選ぶと、冬の寒さはもちろん、夏の暑さ対策もできます。
玄関ドアや引き戸を断熱タイプに交換するだけで、玄関以外の場所への冷気の侵入が抑えられます。その際に、風を通すタイプを選ぶと、換気の良い家にもなります。そして何より、簡易的な断熱方法よりも、見栄えが良くなるという魅力があります。
玄関ドアマイスターから玄関の断熱について一言!
玄関の断熱と通風は家全体の暮らしやすさを調えます。
同時に、玄関は家の顔ともいわれる場所です。通りから見た家の外観の印象にも、家の中に足を踏み入れた来訪者が感じる家の雰囲気にも、玄関ドアや引き戸の見栄えの良さは大きく影響します。
夏は涼しく冬は暖かい玄関、外からも中からも見栄えの良い玄関へのリフォームを検討される際にはぜひご相談ください。玄関と玄関周りの環境、間取りに応じて、最適な玄関ドア、玄関引き戸をご提案いたします。
玄関ドアの疑問解決
関連コラム
- 玄関ドアをリフォームすることで得られるメリットとは
- 風通しの良い家への対策は玄関ドアへの見直し
- 最も手軽で効果の高い断熱リフォームは玄関と窓の交換
- 玄関ドアリフォームを徹底的に解説!玄関ドアの選び方から費用相場まで
玄関ドアマイスターは玄関ドアの交換を承っています。玄関ドアことなら何でもご相談ください。玄関の向きや玄関周りの環境に合わせて最適なご提案をさせていただきます。
お客様のご自宅に伺う仕事ですので、信頼を何よりも大切にしています。丁寧親切はもちろんのこと、マナーの徹底も行っています。仕事は、最後は人で決まるという部分があります。世界に唯一の商品やサービスを売っている会社なんて一握り。同じような価格、同じようなサービスは、他にもある。それでも「あの人に」と選んでいただける、そんな会社でありたいと思っています。
玄関ドアで困っていることがあれば、どんなことでもご相談ください。
玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。
家族にとっては、必ず毎日通る場所です。
きれいで快適な玄関は、生活の質を格段に向上させます。
新しい玄関で快適な生活を手に入れてください。