プッシュプルハンドルとプッシュプル錠の違いと交換費用
プッシュブルハンドル | プッシュブル錠 |
プッシュプルハンドルとは、ハンドルを引くことでラッチを動かしドアを開閉する玄関ドアの取手のことです。ドア本体のハンドルの上下に鍵穴が取り付けられています。
プッシュプル錠とは、ハンドルの上下に鍵が内蔵されている玄関ドアの取手のことです。上記右の画像は電子錠タイプのプッシュプル錠です。
鍵は正常に施解錠できるが、ハンドルが動かなくなって開閉できなくなったという場合、プッシュプルハンドルなら、ハンドルの交換だけですみます。
ハンドルだけの交換なので、製品価格は3万~6万円程度、業者に依頼すると技術料や出張料が2万円程度かかります。
プッシュプル錠の製品価格は、内蔵されている鍵も含まれるので、メーカーによる違いはありますが5万~10万円です。こちらも業者に依頼すると技術料や出張料が2万円程度かかります。
プッシュプルハンドルが動かなくなる理由
玄関ドアの使用年数が長くなると、徐々に経年劣化による不具合が発生し始めますが、その中には、プッシュプルハンドルに影響する不具合もあります。
具体的にどのような不具合がプッシュプルハンドルの動きを悪くするのか確認していきましょう。
ラッチの故障
ラッチとはハンドルを動かすと出入りするドアの側面に取り付けられている部品を指します。ドアを閉じている時はラッチが飛び出てカンヌキをかけた状態になり、ドアを開ける時はラッチが引っ込みます。
ただ、ラッチが故障して出っ張ったままになってしまうと、ハンドルを引いても作動しなくなり、かんぬきがかかった状態が持続するのでドアが開けられなくなってしまいます。
反対にラッチが引っ込んだままになると、ドアを閉じても扉が固定されず、軽く触れたり、風が吹いたりしただけでドアが開いてしまいます。
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玄関ドアの建付け
木造住宅では築年数が長くなると、住宅の重みでドアや窓の枠が圧迫され歪む為、ドアの開閉がしにくくなることがあります。これは室内ドアや窓だけではなく、玄関ドアにも発生する不具合です。
その結果、プッシュプルハンドルを引いているのにドアが開かないという状況になることがあります。その場合には、プッシュプルハンドルを交換しても問題は解決しません。
「プッシュプルハンドルを引いてもドアが動かない」「ドアとドア枠の間に取り付けられているヒンジのネジを締め直しても不具合が解消しない」という場合には、建付けの悪さが原因であると考えられます。
建付けの悪さはドアの部品を交換しても解消できません。理想的な解決方法は玄関ドアを交換して玄関ドアの枠の歪みを直し、玄関ドアと枠を正常な位置関係にすることです。
プッシュプルハンドルが動かなくなった時の対処法
玄関の内部にいる時にプッシュプルハンドルが動かなくなった時には、マイナスドライバーなどを使ってラッチを引っ込めたり、丁番のネジの緩みを直したりできます。
その上で、プッシュプルハンドルの交換作業に移れますが、帰宅時にプッシュプルハンドルが動かなくなった時には、業者に依頼して修理、又は交換してもらいましょう。
プッシュプルハンドルの交換をDIYでする手順
交換用のプッシュプルハンドルは、交換しようとしている製品メーカーのオンラインショップや玄関ドア部品の通販サイト、ホームセンター、金物店などで購入できます。その際、正しい製品を購入する為、玄関ドアの側面に取り付けられているプレートでメーカー名、型番、ドアが開く向きを確認します。
適切なプッシュプルハンドルが購入できたら交換作業を始めます。
玄関ドアは万が一の閉め出しを防ぐ為、必ず開いた状態で作業を進めましょう。
まず室内側のハンドルを外し、次に室外側のハンドルを外します。
ハンドルはプラスドライバーでネジを外してから引き抜くのですが、その際に反対側のハンドルが落ちてしまうことがあるので、注意しましょう。
ドア側面のラッチも上下のネジを緩めると取り外しができますので、新しいラッチに交換します。
室内側、室外側の順でハンドルを取り付け、ネジで固定します。
DIYでは対処が難しいプッシュプル錠交換
プッシュプル錠が動かなくなる原因はプッシュプルハンドルとほとんど同じですが、唯一異なる点は、施解錠もできなくなることです。ラッチが動かなくなった場合、プッシュブル錠は鍵を回してもラッチが作動しなくなる為、施解錠できなくなってしまいます。
鍵が内蔵されている為、プッシュプルハンドルと比較して構造が複雑なプッシュプル錠は、DIYでの交換が難しいです。
また、鍵付きなので製品選びを間違ってしまった場合、防犯上の理由から交換や返品ができません。プッシュプル錠が動かなくなった時には、DIYではなく専門の業者に依頼することをおすすめします。