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窓の防音が暮らしの悩みを解決する理由
窓からは多くの熱が出入りする為、窓の断熱が室温調整に役立つことは多くの方がご存知ですが、同じように非常に多くの空気を通して伝わる音も出入りしています。
空気を通して伝わる音には、音楽や話し声、ペットの鳴き声、掃除機の音などがあり、これらの音は窓から入ってきたり、窓から出て行ったりします。
音にはこの他に、足音や大型車両が床や路面に与える振動で伝わる音があります。こちらの音は窓では防音対策ができませんが、ほとんどの生活音は空気を伝わる音なので窓で防音できます。
窓からの音の経路にはおもに二種類あり、ガラス面を通る経路と隙間を通る経路があります。引き違い窓には隙間が多く、サッシとレールの間、サッシと窓枠の間、サッシとサッシの間を音が出入りします。
その為、すべり出し窓が引き違い窓より断熱性が高い理由と同じで、引き違い窓は防音性もすべり出し窓より低いです。ただ、窓ガラスを通る音と、隙間を通る音の両方を防ぐことができれば窓の防音ができます。
DIYでの防音対策の種類と特徴
賃貸住宅にお住まいの方は、退去時に原状復帰をしなくてはならないので、窓のリフォームはできないことがほとんどです。その場合には、防音シートや防音ボードなど、ご家庭で取り付けも撤去もできる方法が向いています。
防音シート
窓ガラスにシートを貼ってサイズや厚み、材質の違いや厚みによって価格には幅があります。幅1800×高さ900mm程度のサイズなら1~3万円程度、性能が高いタイプだと5万円程度です。
注意点
隙間からの音の出入りは防げません。商品レビューを見ると、防音テープで隙間を防がないと十分な効果が出ないという意見も出ています。
窓用防音ボード
窓にはめ込んで防音します。窓のサイズに合わせて製作されるオーダー品なので、小窓で2万円程度、2枚建ての掃き出し窓なら20万円程度かかります。
注意点
窓を塞いでしまうので採光できなくなり、晴れた日の日中でも照明が必要です。
遮音カーテン
カーテンで遮音します。厚手なので光を遮りますが、自宅からの音への防音対策なら、音の流出の不安がない時間帯はレースカーテンだけにしておける良さがあります。
注意点
カーテンだけでは隙間からの音が充分に遮れません。
内窓を設置して二重窓にする防音対策の特徴
二重窓には外窓と内窓の間の空気層があります。この空気層が緩衝地帯となって音の出入りを遮ります。その為、内窓を設置するだけで防音効果は生まれるのですが、さらに防音効果を高める方法があります。
内窓の気密性を高める
窓のサッシにはアルミサッシと樹脂サッシ、アルミ樹脂複合サッシがあります。断熱の為に内窓を設ける場合は、熱を通さない性質の樹脂サッシが使われます。そしてこの樹脂サッシには、気密性を高める働きもあります。
築年数の長い住宅では外窓の窓枠とサッシの間に隙間ができていることが多いのですが、隙間が少ない内窓を設置することで、窓からの音の出入りを防ぎます。
空気層をひろげる
外窓と内窓の間の空気層は大きくなればなるほど防音効果が高まります。出窓ならともかくそれほど窓枠に奥行きがないという場合には、ふかし枠を使って窓枠の奥行を長くすると空気層を拡げられます。
ふかし枠とは、内窓を設置する際、窓枠の奥行が足りない場合に使う部材です。上記の画像はふかし枠を使ったインプラスの断面図です。
二重窓の取り付けに必要な窓枠の奥行き幅は、内窓によって異なります。リクシルインプラスを取り付ける場合には、引違い窓で70mm以上、開き窓・FIX窓で55mm以上必要です。内窓の取り付けだけなら十分である奥行きの窓枠に、ふかし枠を使うとその分空気層を拡げられます。
ガラスに防音効果を持たせる
窓ガラスの中には騒音を遮る働きをするガラスがあります。内窓を設置する際、音を遮る働きのあるガラスを使うとより防音効果が高まります。
基本的に断熱の為、内窓には複層ガラスが使われますが、複層ガラスは共鳴現象を起こしてしまうことがあります。共鳴現象とは複層ガラスを構成する同じ厚さの2枚のガラスの間で、周波数が共鳴して音が通りやすくなる現象のことです。
その為、防音性と断熱性の両方の効果を上げる為には、安全合わせ複層ガラスや真空ガラススペーシアが役立ちます。ただ、70~80デシベルの騒音であれば複層ガラスや、Low-E複層ガラスの内窓を取り付けるだけでも室内は図書館のように静かになります。
70~80デシベルの騒音とは掃除機の音~地下鉄の社内程度の騒音で、多くの人が不快に感じます。線路に面した寝室など、それ以上の騒音が入ってくる環境には、安全合わせ複層ガラスや真空ガラススペーシアが向いています。
音の大きさの目安はこちらのサイトで詳しくご覧いただけます。
>>>東京都環境局 生活騒音 音についての基礎知識
ガラスによる防音性の高さの違い
内窓に組みこむガラスによって防音性の高さが変わります。さらに室温を調節しやすくする断熱性も兼ね備えたガラスを選ぶと、静かで快適な部屋が生まれます。
防音性能 | 断熱性能 | |
真空ガラススペーシア | 高い | 最も高い |
安全合わせLow-E複層ガラス | 高い | 非常に高い |
安全合わせ複層ガラス | 高い | 高い |
安全合わせガラス | 高い | 低い |
複層ガラス | 低い | 高い |
単板ガラス | 低い | 低い |
二重窓とシートやボードの防音対策を比較
内窓を設置して二重窓にする防音対策と防音シートや防音ボードとの比較を確認してみましょう。
二重窓 | 防音ボード | 防音シート | 防音カーテン | |
防音効果の高さ | ◎ | ◎ | 〇 | △ |
断熱もできる | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
取り外しできる | × | 〇 | 〇 | 〇 |
耐久性 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
暗くならない | ◎ | × | 〇 | △ |
おおよその価格
1200mm×900mm |
6~14万円 | 8~10万円 | 1~2万円 | 5,000~8,000円 |
取り付け方法 | 業者 | はめ込むだけ | 両面テープや画びょう | カーテンレールに吊るす |
取り付け時間 | 1時間 | 1時間 | 数時間 | 30分 |
インテリア性 | ◎ | 〇 | △ | 〇 |
取りはずしができないことを除けば、持ち家には二重窓が最適です。防音ボードにはDIYで窓に合わせてご自宅でカットし部品を使って取り付けるタイプもあります。このタイプは取り付けに数時間かかりますが、費用は4~6万円程度に抑えられます。
防音に高い効果を発揮するリクシルの内窓インプラスの価格
断熱性の高さは防音性の高さには影響しませんが、シリーズと断熱性の違いによって内窓の価格が変わります。
インプラス
対応窓種やカラーが豊富で使い勝手に優れたシリーズです。
窓枠の幅1200mm×窓枠の高さ900mmの価格
製品名 | 選べるガラスタイプ | 窓の価格(税別) |
真空ガラススペーシアクール | 透明、型 | 11万1,000円 |
アルゴンガス入りLowE複層 | 透明、型 | 5万9,500円 |
アルゴンガス入りLowE複層 | フロスト | 9万100円 |
LowE複層 | 透明 クリア・グリーン | 5万5,250円 |
LowE複層 | 型 グリーン | 5万5,250円 |
LowE複層 | 型 クリア | 5万5,250円 |
和紙調アルゴンガス入りLowE複層 | 格子入り | 13万8,550円 |
和紙調アルゴンガス入りLowE複層 | 格子なし | 9万4,350円 |
グリーンとクリアの違い
上記表の中にあるグリーンとクリアは、お住まいの地域や窓の向いている方角などによって選べる断熱性の高さが異なるガラスです。どのガラスをお選びになっても防音性能の高さには影響ありません。
LIXIL インプラスforRenovation
優れたデザイン性を備えた現代のインテリアに馴染む窓です。
製品名 | 選べるガラスタイプ | 窓の価格(税別) |
アルゴンガス入りLowE複層 | 透明、型 | 8万5,850円 |
アルゴンガス入りLowE複層 | フロスト | 11万6,450円 |
型ガラスとフロストガラスの違い
上記価格表の中にある型板ガラスとフロストガラスは、外部からの見え方と質感の異なるガラスです。どのガラスをお選びになっても防音性能の高さには影響ありません。フロストガラスには視線を遮る他に、室内のインテリアを際立たせる高級感があります。
防音を目的に二重窓にするリフォームでは、断熱性や外部からの視線の遮断、インテリアへの影響なども並行して、内窓選びをすることが大切です。
外部からの騒音に悩んでいる、または自宅からの音の流出が気になっているという場合には、内窓が効果的です。さらに、断熱性も備えているガラスを選ぶと室内がより快適になり省エネもできます。また、高い断熱性を持たせると、断熱改修の補助金の対象にもなりますのでリフォーム費用を抑えられます。
詳しくはこちらからご覧いただけます。
>>>2024年窓リノベと子育てエコの補助額が決定
お見積もりからも補助額をご確認いただけますのでぜひご利用ください。ご自宅の窓のサイズや開き方タイプに合わせて、具体的なリフォーム費用をご確認いただけます。
関連コラム 内窓にリクシルインプラスを取り付けて断熱と防音ができる二重窓にリフォーム
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