カバー工法と壁を壊す工法の工事の手順の違いやメリットデメリットについて確認するとともに、カバー工法で交換するリフォーム用玄関ドアの特徴についても見ていきましょう。
玄関ドアをカバー工法で交換すると1日で工事が完了
近年、玄関ドアを交換するリフォームでは、カバー工法が主流です。その為、玄関ドアを交換する為の情報を探していると、カバー工法という言葉をよく目にすることと思います。
カバー工法が主流になった理由は、以前に採用されていた工事方法に比べて、工事期間が短縮される、工事費用が抑えられるなどの利便性です。従来の玄関ドアリフォームとの違いを比較すると、工期が短縮される理由が明確になってきます。
従来の玄関ドアリフォームとの違い
カバー工法が開発される以前に、玄関ドアを交換する際には、玄関ドアを取り外すだけではなく、玄関ドアの枠も取り外さなくてはなりませんでした。その為、工程が複雑で複数の職人が関わり、期間も長くかかりました。
従来の工法① 壁を壊す
玄関ドアの枠は壁に埋め込まれているので、それを取りはずす為には、壁や床を壊す必要があります。壁を壊す仕事は建具屋の領域ではないので、専門の業者が壁を壊し、廃棄物を処理します。
さらに大掛かりな工事にはなってしまいますが、耐震性に影響のない範囲であれば、今よりも間口を広げたり、背を高くしたりすることもできます。例えば、片開きドアという最も間口の幅の狭い玄関ドアから、バリアフリーにする為、親子ドアにするといったこともできます。
従来の工法② 枠と玄関ドアを取り付ける
新しい枠を取り付け、新しい玄関ドアを設置します。カバー工法ではカバー工法専用の玄関ドアしか取り付けられませんが、壁を壊す場合には、新築用の玄関ドアを取り付けられます。
従来の工法③ クロスと床を貼りなおす
壁や床を壊すと、玄関内のクロスや床も張り直さなくてはなりません。クロス職人がクロスを貼り替え、左官職人が土間のコンクリートやタイルを修復します。
玄関ドアを交換するだけのことに、大工はもちろん、建具やクロス、タイルなどそれぞれに関わる専門の職人が、入れ替わり立ち替わり工事をします。
職人がチームを組んでいるわけではないので、それぞれの職人に依頼し、工事日程に合わせて、スケジュールを調整しなくてはならず、調整がうまくいかなければ、日数はさらに伸びてしまいます。加えて、壁を壊すので、騒音や粉塵でご近所に迷惑がかかるという面もありました。
その為、玄関ドアの塗装が剥げてしまったり、袖ガラスにヒビが入ってしまったりしても、そのままにしている家は少なくありませんでした。
カバー工法の流れ
カバー工法なら、朝始めて夕方には工事が完了します。その理由は、壁を壊さないからです。カバー工法に関わる職人は1チームだけです。実際の工事日の前に、現地調査におよそ30分と、工事日の1日だけの手軽な工事です。
カバー工法① ドア撤去
もとからあるドアを取り外します。
カバー工法② 袖やランマ撤去
ドア本体以外の袖やランマをドアを取り外します。
カバー工法③ 枠とドアの取り付け
もとからあった玄関ドアの枠の上に新しい枠と玄関ドアを取り付けます。
カバー工法④ 額縁取り付け
室内側と室外側の玄関ドアの枠に額縁を被せます。
カバー工法⑤ 仕上げ
細かな調整をし、開閉や施解錠の具合を確認して工事が完了します。
現地調査とは?
工事の前におこなわれる現地調査では、ヒアリングと玄関周りの環境と玄関枠の採寸を行います。
ヒアリング
リフォームの目的を達成するため、玄関の交換に対しての希望をお伺いします。
玄関周りの環境と玄関内の環境
玄関ドア交換の際には開き方を左右逆にすることができます。通りとの位置関係や、門からの動線、玄関内の環境、廊下や隣接する部屋との位置関係などによっては、左右を逆にした方が使い勝手が良くなることがあるため、現地調査ではその確認をします。
玄関枠の採寸
築年数が10数年になっている住宅では、住宅の重みや地震の揺れで受けた歪みなどによって、玄関枠が歪んでいます。隙間風をなくし気密性の高い玄関にする為には、玄関ドア交換の際に玄関枠の歪みを正確に解消する必要がありますので、玄関枠の綿密な採寸を行います。
カバー工法工事当日の流れ
- 古い玄関ドアを取り外す (朝9:00)
- 袖やランマを取りはずし、元からある枠だけの状態にする
- 新しい枠と玄関ドアを取り付ける
- 室内側と室外側に額縁を取り付ける
- 完成(夕方4:00)
カバー工法のメリット
玄関ドアを取り外した後、今ある玄関ドアの枠に、新しい枠を取り付け、その枠に玄関ドアを取り付ける方法がカバー工法での玄関ドア交換の工事です。もとの玄関ドアによって、枠の幅は異なりますが、どんなタイプの枠であっても、ピッタリと枠を被せることができるので、非常にきれいな仕上がりです。
リクシルやYKK APなど大手メーカーのカバー工法用玄関ドアには、機能性と防犯性が高くおしゃれなドアが豊富に揃っているので、色やデザインも好みに合わせて選べます。
夜を跨がないので防犯的に安心
壁を壊す玄関ドアの交換は数日を要する為、工事途中の段階で夜を過ごすことになってしまいます。季節によっては寒風に晒されることも心配ですが、何よりも完全にロックできない玄関ドアのまま、夜を過ごすことになる不安が大きいです。
カバー工法なら朝始めて夕方には工事が完了しますので、夜を跨ぐ心配がありません。
スケジュール調整の手間がない
電話やメールで都合の良い日に工事を依頼し、現地調査を受けるだけで工事日を迎えらえます。
騒音や粉塵が少ない
壁を壊さないので騒音や粉塵が少なく、ご近所迷惑がほとんどありません。
玄関ドア交換の費用を抑えられる
カバー工法が開発される以前の壁を壊す工事では、工事費用が100万円から200万円かかります。複数の職人さんに支払う工事費と、新しい玄関ドアの購入費用、さらに壊した壁や床の廃棄処分にも費用がかかります。
ただ、片開きドアを親子ドアにしたいなど、現在の玄関ドアより間口を広げたい場合、壁を壊す玄関ドアの交換の方法は有効です。リフォーム用玄関ドアにはないデザインの新築用玄関ドアに交換できるという魅力もあります。
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しかし、間口の幅を変える必要がない場合には、カバー工法での玄関ドア交換が最も価格を抑えられる方法です。カバー工法の工事価格は、間口によって変わってきます。
片袖ドアは7~8万円、親子ドアや片袖ドアは10~11万円、両開きドアや片袖親子ドアは、12~13万円程度です。具体的な工事価格は、施工をする会社やホームセンターによって異なりますが、それほど大差はありません。
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玄関引戸もカバー工法で交換
玄関引戸もカバー工法で交換できます。引き戸から引き戸への交換はもちろんですが、両袖ドア、両開きドア、袖付き親子ドアにも交換できます。
カバー工法のデメリット
カバー工法には間口と段差に関するデメリットがあります。ただしどちらの問題点も、施工の工夫で解決できます。
ドア枠の内側の幅が狭くなる
現在の枠の上に、新しい枠を被せる為、ドア枠の内側で、幅が約5cm、高さが約3cm小さくなります。その為、片開きドアの場合、間口の幅が5cm狭くなってしまいます。
ただし、通行の幅に関しては解決策があります。
玄関ドアには↑の枠タイプがあります。左から順に片開きドア、親子ドア、片袖ドア、両袖ドア、袖付き親子ドア、両開きドアです。
片開きドアと両開きドア以外は、袖や子扉の幅を調整できるので、通行の幅を広げられます。その結果、枠の間口幅が狭くなっても通行の幅は広がり、バリアフリーの基準は満たせます。
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下枠の状態によっては段差緩和材が必要
下枠の立ち上がりが20mm未満の場合、下枠に段差が付く場合があります。この場合は室内側に、段差緩和材を取り付けて段差を抑える、またはリフォーム前のドア枠の下側のみを撤去して段差をつけないといった方法で、段差を解決します。
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アパートやマンションでは個人で交換できない
一概には言えませんが、一般的にアパートやマンションなどの集合住宅では、壁を壊さないカバー工法であっても個人で玄関ドアの交換ができません。
集合住宅用のカバー工法専用玄関ドアはあるのですが、アパートの所有者、又はマンションの管理組合でなければ、玄関ドアの交換はできないことがほとんどです。
ただ、分譲マンションの場合、管理規約で許可されていたり、築年数の古い賃貸集合住宅では、交換しても良いことになっているケースもありますので、規約を確認してみることをおすすめします。
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カバー工法でする玄関ドア交換の費用
玄関ドア交換の費用とは、交換用玄関ドアの製品価格と工事費用を併せた工事費込み費用で、玄関ドアの枠タイプの違いで価格が変わります。
玄関ドアマイスターの玄関ドア工事費込み価格 追加
枠タイプと、機能性によって価格に幅が出ます。
玄関ドアの枠タイプ |
ランマなし |
ランマ有 |
片開きドア |
35万5,850円~41万1,950円 |
37万1,800円~41万6,900円 |
親子ドア |
57万900円~50万1,600円 |
51万8,100円~56万9,800円 |
袖付き親子ドア |
32万8,955円~45万5,675円 |
34万8,755円~48万425円 |
袖付きドア |
32万8,955~45万5,675円 |
34万8,755円~48万425円 |
両袖ドア |
30万740円~41万5,580円 |
32万4,995円~43万5,875円 |
両開きドア |
61万4,350~66万6,050円 |
630,850円~68万2,550 |
枠タイプによる製品価格の違い
製品によって一概には言えませんが、基本的には片開き→袖付き→親子→両袖→袖付き親子→両袖の順に価格が上がります。
機能による製品価格の違い
防火ドアはその他のドアに比較すると価格が上がります。例えば、リクシルリシェント G82型は、通風と断熱機能を備えたタイプで、親子ドアの工事費込み価格は40万7,165円、防火機能も付いているタイプは62万6,450円という大きな差があります。
防火ドアほどの大きな差はありませんが、通風や断熱等の機能が多く備わっている玄関ドアは、機能なしのドアより数万円程度価格が上がります。ただ、売れ筋商品では、デザイン、機能性が優れているのに、他製品より比較的価格が抑えられているという玄関ドアもあります。
玄関ドアマイスターの玄関引き戸工事費込み価格
玄関引戸は戸の本数と、断熱性、ランマの有無によって価格が変わりますが、玄関ドアほど複雑な価格構成ではありません。
戸の本数 |
ランマ無し |
ランマあり |
2本 |
36万525円~43万2,795円 |
39万225円~46万2,495円 |
4本 |
49万6,155~57万9,315円 |
54万7,635~63万795円 |
玄関ドアカバー工法のリフォーム費用を抑えるポイント
カバー工法の工事費は、壁を壊す工事に比べると、10分の1以上低く抑えられます。そして、カバー工法の工事費用は、どこに依頼してもほとんど横並びです。
では何が玄関ドア交換の費用に大きく影響するのでしょうか?それは玄関ドアの製品価格です。玄関ドアの製品価格に影響する要素は2つあります。玄関ドアの機能性と、仕入れ価格です。
玄関ドアの機能性
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断熱・通風 リシェント G82型 |
高断熱 リシェント 41N型 |
断熱・防火 リシェント M27型 |
玄関ドアは、日々進化しています。ほとんどのメーカーでは、標準仕様として、非常に高い防犯性能を備えていますが、断熱、風通し、防火の機能は、備えているドアと備えていないドアがあり、機能を備えているドアほど、製品価格が高額になっていきます。
特に防火ドアは他のドアより10万円以上高額です。また、断熱性を備えたドアの中でも、断熱性の高さによって、ドアの価格が変わります。
加えてドアの枠タイプも製品価格に影響し、幅が広くなるほど、ドアの価格も上がっていきます。さらに、標準仕様では手動キーですが、リモコンキーに変えると、その分製品価格も上がります。ただし、カードキーやタグキーは、リモコンキーよりオプション価格を抑えられます。
例えば、片開きドアで、非断熱のドアであれば、価格を抑えることができ、両開きドアや片袖親子ドアで、断熱、通風、防火機能を備え、さらにオプションでリモコンキーを選ぶと、製品価格が高額になっていきます。
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玄関ドアの豆知識 リフォーム用玄関ドアの特徴
玄関ドアの仕入れ価格
「メーカーも型番も同じ玄関ドアなのに、なぜ店舗や会社によって製品価格が違うのだろう…?」玄関ドアの交換を計画中に、そんな疑問を持つことはありませんか?その理由の一つはメーカーからの仕入れ値の違い、もう一つは売値の決め方の違いです。
玄関ドアに限らず、家電や食料品などでも、仕入れ量が多い量販店ほど、製品価格は抑えられています。仕入れ量が多いほど、仕入れ値が抑えられる傾向にあるからです。
仕入れ値が抑えられた分、低価格で提供しようという考え方の基に、製品価格が決められた玄関ドアもあれば、仕入れ値は抑えられているが、相場価格で提供しようという考え方の基に、製品価格が決められた玄関ドアもあります。
そもそも、仕入れ価格の時点で高額な場合もあります。そのような差が、メーカーも型番も同じ玄関ドアなのに、価格が違うという現象を生みます。
また、同じ枠タイプ、同じ機能性を持つ玄関ドアの製品価格を比較してみても、価格が異なります。この違いは、流通量の違いです。人気があり、たくさん流通しているドアと、あまり出回っていないドアの価格を比較すると、人気のあるドアの方が、製品価格が抑えられている傾向にあります。
玄関ドアの交換を、できるだけ費用を抑えてしたい場合には、カバー工法の工事費を比較するより、製品代を比較した方が、効果的に費用を抑えられます。良心的な価格で製品を提供している施工先を選ぶことに加えて、売れ筋商品から選ぶという方法です。
玄関ドアマイスターは、LIXIL主催リフォームコンテストのリシェント部門で6年連続全国1位の玄関ドア出荷数を誇る玄関ドア専門の会社です。その為、どこよりも価格を抑えた製品代で玄関ドアを提供しています。
玄関ドアの交換でより快適で便利な暮らしが始まります。間取りや玄関周りの環境、ご家族の暮らし方に合わせて玄関ドアの交換を計画されませんか?
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東京・埼玉・千葉・茨城・神奈川・栃木・群馬にお住まいで、玄関ドアの交換を検討されている方は、是非お気軽にお問い合わせください。必ず納得できる玄関ドアリフォームをいたします。
インターネットでのお見積りやお問い合わせを不安に思う方も多いと思いますが、玄関ドアマイスターでは、お見積りやお問い合わせをいただいたお客様に、勧誘や営業は決していたしません。お気軽にご利用ください。
お客様のご自宅に伺う仕事ですので、信頼を何よりも大切にしています。丁寧親切はもちろんのこと、マナーの徹底も行っています。仕事は、最後は人で決まるという部分があります。世界に唯一の商品やサービスを売っている会社なんて一握り。同じような価格、同じようなサービスは、他にもある。それでも「あの人に」と選んでいただける、そんな会社でありたいと思っています。
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玄関ドアは家の顔、お客様が初めに訪れる場所です。
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新しい玄関で快適な生活を手に入れてください。