
面格子をつけると泥棒に入られないって本当ですか?
掃き出し窓に面格子をつけると、物理的に外部からの侵入を阻止できますが、取り付ける前に知っておいていただきたい注意点もあります。
『玄関ドアマイスター』が、「面格子」の防犯性と種類、選ぶポイントから、メリット・デメリット、窓の防犯対策について考える時の注意点までについて詳しく解説します。
面格子の費用目安や窓シャッターとの比較、後付けの室内格子など、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
窓の面格子に防犯効果はあるのか|「意味がない」と言われる理由

面格子は、窓からの侵入を物理的にブロックできるだけではなく、侵入窃盗犯に「入るのに時間がかかりそう」と思わせる心理的な抑止効果もあります。
なぜなら、侵入窃盗犯の多くは侵入に5分以上かかると見つかるリスクを恐れて犯行を諦める場合が多いからです。
(引用:警察庁|住まいる110番)
警察庁の調査によると、空き巣・泥棒の被害事例のうち、戸建住宅は52.9%、マンションやアパートなどの共同住宅(3階以下)は38.4%は窓から侵入されており、ガラス破りによるケースが多いことから、窓の防犯対策は欠かせません。
(参考:警察庁|住まいる防犯110番)
しかし、SNSやブログなどでは、「面格子をつけても意味がない」という口コミを見かけます。
なぜなら、近年の住宅をターゲットにした侵入窃盗犯の手口が、手荒で狡猾になってきているためです。
面格子の防犯性が低いと言われる理由は、主に以下の6点です。
- 安価な面格子・古い面格子は、バールなどで簡単に破壊できるため
- 後付け面格子の中には、屋外から取り付けビスを外せるタイプもあるため
- 古いアルミ製面格子は、中空でアルミ厚が薄いため、簡単に切断できるため
- 古い鉄製面格子は、腐食して強度が低下しており、簡単に破壊できるため
- 高強度な面格子も、時間をかければ外せるため
- 防犯ガラスや窓シャッターとは異なり、明確な防犯性能の基準がないため
ただし、面格子の中でも材質やデザインなどにより、確かな防犯性能を備える面格子もあるため、一概に「意味がない」とは言い切れません。
LIXILやYKKAPの面格子は、屋外から取り付けビスが見えない仕組みになっていたり、通常のトライバーでははずせないワンウェイねじを採用していたりするため、短時間で取り外し窓から侵入することはできません。
>>>豆知識:このタイプの面格子は防犯にならないので要注意!
面格子の種類と選ぶポイント

後付けで窓に面格子を取り付ける際には、窓のサイズなどに応じてできるだけ防犯性能が高いものを選ぶことが重要です。
固定式・可動式
人が出入りする掃き出し窓には開閉できる「可動式」、通気や採光の目的で取り付けた腰窓には「固定式」を選びましょう。
一般的には、可動式の方が固定式と比べて防犯性能が劣りますが、出入りする窓には固定式を取り付けられません。
留守の間だけ掃き出し窓からの侵入をブロックしたい方は、可動式でもより防犯性能が高い窓シャッターがおすすめです。
材質の違い
住宅用面格子は、主に以下の材質を選べて、それぞれ特徴が異なります。
| 材質 | 特徴 |
|---|---|
| アルミ製 | 最も一般的で価格が安く、防犯性能は「中級」 |
| ステンレス製 | アルミ製より価格は高いが、防犯性能は「上級」 |
| 鉄・鋳物製 | 最近はあまり採用されず、高価で定期メンテナンスを怠り錆びると、防犯性能は低下する |
| 木製 | 簡単に切断できるため、防犯性能は低い |
デザインの観点から鋳物製や木製を選ぶケースもありますが、防犯性を重視するのであればステンレス製がおすすめです。
ただし、アルミ製の中でも金属が分厚く切断・破壊しにくい高強度タイプもあります。
デザインによる強度の違い
面格子はいくつかのデザインがあり、見た目だけではなく強度・防犯性にも違いがあります。
| デザイン | 特徴 |
|---|---|
| 縦格子 | シンプルで安価だが、枠付きのタイプより防犯性能は低い |
| 横格子 | シンプルで安価だが、枠付きのタイプより防犯性能は低く、よじ登りやすい |
| グリッド・井桁格子(枠付き) | 縦横に格子が組まれていて枠による形状保持性があるため、防犯性能が高い |
| ラチス・ヒシクロス格子(枠付き) | 縦横に格子が組まれていて枠による形状保持性があるため、防犯性能が高い |
防犯面では、枠付きのグリッド・井桁格子やラチス・ヒシクロス格子の面格子が有利ですが、横・縦格子と比べると視界を妨げる点には注意が必要です。
CPマークの有無
面格子を選ぶ際に最も重要なチェックポイントは、「CPマークの有無」です。
(引用:警察庁|住まいる防犯110番|CPマーク)
CPマークとは、官民合同で選定する「防犯性能の高い建物部品目録」に登録された建築部品のみに付けられるマークで、『侵入器具を用いた侵入行為に「7回以上」かつ「5分以上」抵抗できる』製品にのみ与えられます。
CPマークは2004年に制定されたため、それ以前に取り付けられた面格子は、防犯面での公的な基準はありません。
組織的な侵入窃盗犯が増えて手口のマニュアルが出回っているとも言われており、たとえ窓に面格子が付いていても「防犯性が低い」と判断されればターゲットにされるのでご注意ください。
窓に面格子をつけるメリット

面格子を窓に取り付けると、以下のようなメリットを得られます。
- 道具で外されるリスクはあるが、侵入までの時間を長引かせられる
- 比較的安価でDIYでの取り付けも可能
- 固定式は、常時状態が変わらないため、在宅か不在かが外から分からない
- 窓を開けたままでも外出できる
- 外から室内が見えにくくなる
- 台風や強風による飛来物がガラスに直接当たらない
- 2階以上の窓に取り付けると、落下防止になる
これらの点から、面格子を新築の際に設置する方は少なくありません。
面格子は窓を外部から物理的に守れますが、取り外しや破壊のリスクがゼロではないため、その性能を過信しすぎないように注意しましょう。
窓に面格子をつけるデメリットと注意点

窓に面格子をつけると一定の防犯効果がある一方で、設置前に知っておいていただきたいデメリットや注意点もあります。
| 種類 | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 固定式 |
|
| 可動式 |
|
災害時に室内側から簡単に格子を取り外せる「非常脱出(開放)面格子」もありますが、デザインやサイズの種類は少なく戸建住宅にはあまり採用されず、マンション用が大半です。
窓の防犯対策は「面格子」と「防犯ガラス」のどちらがいいのか

窓の防犯リフォームについて考える際、多くの方は「面格子」と「防犯ガラス」の選択肢が思い浮かぶはずです。
防犯ガラスとは、防犯合わせガラスや安全合わせガラスと呼ばれ、2枚の板ガラスで樹脂製の特殊中間膜(厚さ0.76mm以上)を挟み込んで、熱圧接着したものを指します。
防犯合わせガラスは、ハンマーやバールなどで叩くと割れるものの、貫通穴が開くまでに時間がかかるため、高い防犯効果があり、新築住宅を中心に多くの事例で採用されています。
ここで気になるのが、面格子と防犯ガラスの「防犯性能における違い」です。
| 種類 | 防犯面での違い |
|---|---|
| 面格子 |
|
| 防犯ガラス |
|
※防犯ガラスマーク:「ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準」を満たすガラスにのみつけることが許されているマーク
これらの特徴を踏まえると、以下の防犯リフォームがおすすめです。
- トイレや浴室など、常に窓を開けて換気したい場所には「面格子」
- 頻繁に出入りする掃き出し窓には「防犯ガラス」
- 景色を楽しみたい腰窓には「防犯ガラス」
- 窓からの視界はあまり気にならず、道路や隣家から見えにくい腰窓には「面格子+防犯ガラス」
ただし、古い面格子が付いていても防犯性能が高いとは言えず、古い窓サッシは防犯ガラスを入れても簡単に解錠・破壊できます。
また、都市部を中心に増えている狭小住宅では、面格子を付けると採光量が減り圧迫感が出て、室内の居心地が損なわれる場合も少なくありません。
そのため、最近は面格子をつける住宅が減っており、その代わりに内窓をつけて二重窓にしたり、外窓を防犯性の高いタイプへ交換するリフォームが主流です。
窓のリフォームを検討中の方には、家の防犯性と断熱性の両方を1度に高められる「防犯合わせ複層ガラス」をおすすめします。
最近、新築住宅・既存住宅問わず採用されているのが「防犯合わせ(安全合わせ)複層ガラス」で、一般的な防犯合わせガラスに空気層を組み合わせることにより、高い断熱性を発揮します。
>>>豆知識:戸建て住宅の一階は窓の防犯対策が必要|効果的な方法と費用目安を解説
窓の防犯対策は「内窓設置」「外窓交換」もおすすめ

>>>施工事例:これが正解!出入りする大きな窓は窓交換。開け閉めが少ない小さな窓には内窓。
最近、窓の防犯リフォームで一般的に採用されるのが、「内窓設置」と「外窓交換」です。
どちらも、窓からの視界が邪魔されず、建物の外観デザインにも影響しません。
また、内窓設置・外窓交換により、窓の断熱性が高くなると、補助金や減税特例の対象になる可能性もあります。
国の補助金額に加えて、都道府県など自治体でお得な制度が実施される可能性もありますので、玄関ドア・窓のリフォームを検討している方は、最新情報がわかる『玄関ドアマイスター』の公式LINEに今すぐご登録ください。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 内窓設置 |
既存窓サッシの室内側にもう1組の窓を設置し、二重窓にする
|
| 外窓交換 |
既存サッシの枠だけ残し、その上から新しいサッシ枠をつける(カバー工法※)
|
※カバー工法:既存窓サッシをそのまま残し、その上から新しいサッシ枠を被せる工法で、窓周りの壁・床を解体する必要がなく、短期間・低コストで窓リフォームできる
>>>豆知識:LIXIL・リプラスとは|窓サッシのカバー工法についてメリット・デメリットと費用目安、後悔・失敗しないためのコツを解説
住宅の築年数や既存窓の劣化具合、開閉方式によって、内窓設置と外窓交換のどちらが適しているか異なるため、窓リフォームを検討中の方は年間500件以上の窓・玄関ドアリフォームを手がける『玄関ドアマイスター』にご相談ください。
面格子に関するよくあるQ&A

ここで、『玄関ドアマイスター』のお客様から多くいただく面格子や窓の防犯リフォームに関するご質問を紹介します。
Q.面格子を設置するのにいくらかかる?窓の防犯リフォームにかかる費用目安は?
A.面格子の取り付けは2〜10万円/ヶ所が相場、ガラス交換・内窓設置・外窓交換はさらに費用が高くなります。
小窓・中窓サイズの面格子を設置する場合、アルミ製で約2~5万円、ステンレス製で約5~10万円かかるのが相場です。
| 工事の方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 面格子設置 | 「2〜10万円/ヶ所」 アルミ製もしくはステンレス製の一般的面格子設置 |
| ガラス交換 | 「8〜15万円/組」(サッシ1組)=ガラス2枚 単板ガラスから防犯合わせガラスへの交換 |
| 内窓設置 | 「10.3万円/ヶ所」 サッシ:2枚引き違い(LIXIL|インプラス) ガラス:アルゴンガス入りLowE安全合わせガラス(クリア) |
| 外窓交換 | 「27.5万円/ヶ所」 サッシ:2枚引き違い(LIXIL|リプラス) ガラス:アルゴンガス入りLowE安全合わせトリプルガラス(クリア) |
※腰窓サイズ(W1800H900)の場合
※内窓設置・外窓交換の費用は『玄関ドアマイスター』にご依頼いただいた場合の税込価格(2025年11月時点)
単純にコストだけ比較すると面格子は最も安価ですが、窓の位置・サイズ・使い方・部屋の用途によっては面格子の方法が適さない場合もあるため、費用だけで決めずベストなリフォームプランを選ぶことが重要です。
『玄関ドアマイスター』の簡単見積もりシミュレーションでは、内窓設置や外窓交換の費用がすぐに分かりますので、ぜひご活用ください。
>>>氏名・連絡先・住所の入力不要【内窓・窓】の簡単見積もりシミュレーション
Q.面格子と窓シャッターはどっちがいい?
A.防犯性だけ比較すると窓シャッターの方が有利ですが、開け閉めの手間がかかるのでご注意ください。
掃き出し窓など人が出入りする場所には、開閉できて防犯性の高い窓シャッターがおすすめですが、窓を開けたまま採光・通風したい場合は面格子の方が適しています。
ただし、どちらの場合も建物の外観に影響するため、スッキリ見せたい方は、窓サッシ本体とガラスの防犯性を高めるプランがおすすめです。
Q.格子窓は泥棒に入られないって本当?窓の内側に格子を後付けする方法は?
A.窓自体に格子が組み込まれているタイプは泥棒に狙われにくいですが、ガラスが破られたり壊されればあまり意味がありません。室内側から後付けで格子を取り付ける方法もありますが、窓の利便性や室内の快適性を損なう可能性があります。
格子窓は、主に大きなガラスが割れた場合の利便性(コスト削減など)やデザイン性アップが目的であり、窓の防犯性を高めるものではないのでご注意ください。
また、人が侵入できる最小寸法は「40cm×25cm」と言われており、それよりも大きい格子では外からの侵入を防げません。
室内側から格子をつける方法は、賃貸住宅などで採用されていますが、こちらは面格子と同様に緊急時の避難・救出を妨げる可能性があり、視界の邪魔になったり、掃除や窓の開閉が面倒になったりする点にはご注意ください。
Q.防犯フィルムは効果がある?
A.防犯フィルムを貼る方法は安価で済み、ガラスが打撃を受けても一定時間貫通を防止できますが、寿命が短く定期的な貼り替えが必要です。
また、防犯合わせガラスの中間膜と比べると耐打撃性は劣るため、補助的な防犯対策として採用することをおすすめします。
DIYで貼れる簡易的なフィルムは剥がれやすく、クレセント(窓の鍵)周りだけ貼ってもその他の場所を割られると防犯効果を発揮できないのでご注意ください。
Q.マンション(区分所有)でも窓に面格子はつけられる?
A.面格子を取り付ける外壁は、マンションの共用部にあたり、さらに外観にも影響するため、原則として個別工事は許可されません。ただし、窓ガラスの取り替えや内窓設置、外窓交換は、管理組合に申請して許可されれば工事が可能な場合が大半です。
国土交通省のマンション標準管理規約では、窓とそれに付随するもの(部品・ガラスなど)は全て共用部としていますが、2016(平成28)年の改定によって、「防犯・防音・断熱」の目的でリフォームする場合、管理組合の承認を得れば戸別でも工事できるようになりました。
ちなみに、内窓を取り付ける窓枠は専有部であるため、一般的な専有部リフォームの申請のみで工事できます。
ただし、マンションによっては国土交通省が作成するマンション標準管理規約を採用しておらず独自のルールを設けている場合もあるため、マンションで窓リフォームしたい場合は、事前に管理組合や管理会社に相談しましょう。
『玄関ドアマイスター』では、窓・玄関ドア・勝手口ドアの総合的な防犯リフォームを提案しております。知識豊富な施工スタッフが現地調査いたしますので、「どんなリフォームがベストか知りたい」と言う方は、弊社までお気軽にご相談ください。
東京・埼玉・千葉・茨城・神奈川・栃木・群馬にお住まいで、窓のリフォームや玄関ドアの交換を検討されている方は、是非お気軽にお問い合わせください。
インターネットでのお見積りやお問い合わせを不安に思う方も多いと思いますが、玄関ドアマイスターでは、お見積りやお問い合わせをいただいたお客様に勧誘や営業は決していたしません。お気軽にご利用ください。










