玄関の幅は変えられないが通行の幅は変えられる
玄関の通行の幅は片開きドア以外であれば、玄関ドアの交換で変えられる可能性があります。
玄関の広さは住宅の面積と住宅全体の間取りに、玄関の幅は玄関の広さと形状に合わせて造られています。
住宅の面積
33坪以下の住宅では1~1,5坪、40坪未満の住宅なら1,5坪~2坪、40坪以上の住宅なら2坪以上というような割合で玄関の広さが決められています。
敷地の形状と敷地周辺の環境
平らな面に設けられるケースと、凹凸のある面に設けられるケース、深さのある玄関ポーチの奥に設けられているケースなど様々あります。敷地の形状から凹凸をつける必要が出てきたり、周辺からの視線を防ぐ為に奥行きのある玄関ポーチが必要だったりする為です。
間取り
玄関の位置は家族構成や家族の暮らし方に合わせて決められる間取りの中の一部です。簡単に位置を変えたり広さを変えたりすることはできません。リフォームで玄関を広くしたり玄関の幅を変えたりすることは、住宅全体の間取りに影響するので大掛かりな工事になってしまいます。
ただ、家族の中に車いすを使う必要性が出てきた場合には、車椅子で玄関の出入りができるようにしなくてはなりません。
このような緊急性のある問題以外にも、子どもを抱いたりベビーカーを乗り入れたりする時に窮屈に感じることもあれば、大型家電や家具が搬入し難いということもあるのではないでしょうか?
玄関ドアの交換で通行の幅を広げる方法
玄関内部の幅は玄関の造り方によって変わります。玄関ドアの両脇に余裕がある造りの玄関もあれば、玄関ドアの両脇は靴箱などの収納になっていてほとんど余裕がないという造りの玄関もあります。
そして玄関間口の幅は玄関ドアの幅と同じです。玄関ドアの幅には主に3種類あり、玄関ドアの幅によって複数の開き方タイプがあります。
玄関ドアの標準規格寸法
住宅に使われる玄関ドアや窓のサイズは、メーカーによって寸法の設定方法や表示方法が統一されていなかった為、平成19年4月から、標準規格寸法が導入されました。
画像出典:住宅サッシ/住宅出入り口商品「標準規格寸法」寸法設定と標準規格について
玄関ドアの開き方タイプと間口の平均的なサイズ
片開きドア | 親子ドア・片袖ドア | 両開き・両袖・袖付き親子 |
730~980mm | 1050~1500mm | 1210~1960mm |
この中で、1150mm以上の親子・片袖ドア、1600mm以上の両袖ドアは玄関ドアの構成によって通行の幅を拡げられます。
片開きドア
1枚の扉のシンプルな玄関ドアです。片開きドアは玄関ドアの交換で通行の幅を広げることはできません。もし、玄関ドアの横の壁に十分な幅があれば、アウトセット引き戸にできる可能性があります。※アウトセット引戸は弊社では取り扱っておりません
親子ドア
親扉と子扉で構成されたドアです。通常は子扉を固定し、親扉だけを開閉して通行します。玄関ドア交換の際に、子扉の幅を狭め、親扉の幅を広くすることで通行の幅を拡げられます。間口に120~131cmの幅があれば、リシェントやドアリモの親子ドアのデザインの種類が増え、選択肢が豊富になります。
そして親扉の標準的な幅である86cmがあれば車椅子で楽に通行できます。
片袖ドア
扉と袖で構成されたドアです。玄関ドア交換の際に、袖の幅を狭め、親扉の幅を広くすることで通行の幅を拡げられます。袖付きドアも間口が120以上あると、デザインの選択肢が増えます。
袖付き親子ドア
袖・子扉・親扉で構成されたドアです。両袖ドアと間口は同じですが、親扉の幅を広くすると、普段の通行の幅が拡がります。大型の荷物の搬入時には、子扉と親扉を同時に開放すると、より通行の幅を拡げられます。
両袖FIXドア
親扉と両脇の袖で構成されているドアです。玄関ドア交換の際に袖の幅を狭め、親扉の幅を広げて通行の幅を広げる方法と、袖付き親子ドアにする方法があります。大型荷物の搬入を考えると、袖付き親子ドアの方が使いやすいです。
両開きドア
2枚の扉で構成されたドアです。大型の荷物を搬入する際には、左右とも同時に開けるので、全ての開き方タイプの中で、最も広い幅を確保できます。ただ、日常的には片側のドアだけを使用する使い方がほとんどです。その場合には、片開きドアと通行の幅は同じです、既存のドアが両開きの場合は、リフォーム後のドア幅が既存よりも狭くなってしまいます。
両開きドアから袖付き親子ドア、又は両袖FIXドアに交換すると、親扉の幅を拡げられるので、通行の幅を拡げられます。
玄関引き戸への交換
両開きドアや両袖FIX ドアは2枚建ての玄関引き戸への交換もできます。通行の幅は片開きドアと同じですが、玄関前方のデッドスペースがなくなります。加えて引き戸は開放した状態を維持でき、ドアを抑えている必要がありません。その為、車椅子や介助者との通行、ベビーカーの乗り入れがしやすくなる良さがあります。
車椅子での通行には800mm以上の幅が必要です。そして800mmギリギリだった場合、介助する家族がドアを抑えつつ、車椅子で通行するとなると、もっと広い間口がある、又は前方にドアが飛び出てこないことが求められます。
その場合には、両開きドアにして左右のドアを開ける、親子ドアや袖付き親子ドア、片袖FIXドアにして親扉の幅を広げる、2枚建て玄関引き戸にするなど、複数の選択肢があります。その中から、玄関周辺と玄関内の状況に合わせて、最も通行しやすい方法を選ぶことが大切です。
そして様々な条件を考え併せた上で、最適な開き方タイプの玄関ドアや引き戸に交換すると、通行しやすい玄関に生まれ変わります。
バリアフリーに必要な幅
玄関をバリアフリーにする対策には、玄関アプローチをスロープにして段差をなくすことや、玄関内に手すりを設置すること、上がり框の段差を解消することが挙げられます。そしてそれらの段差解消と同時に、玄関ドアと廊下の幅を広くし、車椅子で通行できるようにすることも大切です。
車椅子のサイズは手動タイプで630ミリ以下、電動タイプは700ミリ以下とJIS(日本工業規格)で定められています。
日本産業規格(JIS)とは、産業標準化法に基づき制定される、我が国の鉱工業品、データ、サービス等に関する国家規格です。
車椅子のサイズが700mmと考えると、通行には800mm以上の幅が必要です。玄関ドア交換の際には、開き方タイプを選ぶと共に、親扉の幅を拡げられる限界も確認することが大切です。親扉の幅は標準的に86cmなので、親子ドア以上の幅があれば、バリアフリーの間口を確保できます。
親扉の幅を広げる際の注意点
通行の幅だけを考えて親扉の幅を決めてしまうと、視覚的にバランスが悪くなってしまうことがあります。玄関ドアの高さは200~240mmですが、ランマ付きの場合、高さによっては親ドアの幅を広げると縦横のバランスが悪くなってしまうことがあります。そのような場合には、ランマのないデザインにするとすっきりします。
玄関の幅を最大限活かせる玄関ドアであり、家の顔である玄関の印象をより良くする玄関ドアにする為には、玄関周りの環境や玄関内の状況に合わせた玄関ドア選びが重要です。通行しやすい玄関の幅にしたい…という場合には、お気軽にご相談ください。
玄関ドアに利用できる補助金情報
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