
「割れないガラス」があるって本当ですか?
「割れないガラス」というよりも、「割れても貫通しないガラス」はあります。窓の防犯対策を検討中の方は、ガラスの種類と特徴を押さえておきましょう。
『玄関ドアマイスター』が、「割れないガラス」の種類とメリット・デメリットから、窓の防犯ガラスをする際のポイントについて詳しく解説します。
防犯フィルムとの違いやマンションの窓リフォーム、価格目安など、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
「ハンマーで叩いても割れないガラス」はあるのか|種類と特徴

結論から言うと「ハンマーで叩いても割れないガラス」はありません。
ただし、叩いても「割れにくい」「ヒビは入るが貫通しない」ガラスは存在します。
防犯性が高いガラスを選ぶ際のポイントは、「CPマーク」の認定を受けているかどうかです。
(引用:警察庁|住まいる防犯110番|CPマーク)
CPマークとは、官民合同で選定する「防犯性能の高い建物部品目録」に登録された建築部品のみに付けることが許されているマークで、以下の性能基準をクリアした製品に付与されます。
- 工具などの侵入器具を用いた侵入行為(打ち破りの打撃)に「7回以上」抵抗できる
- 工具などの侵入器具を用いた侵入行為(こじ破り・焼き破り)に「5分以上」抵抗できる
では、CPマークがついている住宅用のおすすめ防犯ガラスを紹介します。
防犯合わせガラス
防犯合わせガラスは安全合わせガラスや防災安全合わせガラスとも呼ばれ、2枚の板ガラスで樹脂製の特殊中間膜(厚さ0.76mm以上)を挟み込んで、熱圧接着したものを指します。
防犯合わせガラスは、ハンマーやバールなどで叩いてもヒビは入りますが、貫通穴が開くまでに時間がかかるため、高い確率で外部からの鍵開けや侵入を防止できます。
防犯合わせガラスの耐貫通性は、中間膜の厚さによって異なり、「ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準」では、落球試験によってP1A〜P5Aまで5段階で評価されます。
最高グレードP5Aの対貫通性を保つ防犯ガラスは、中間膜の厚さが1.5mmのものもあります。
防犯合わせガラスの中間膜は、一定の厚さ以上であれば、防音・紫外線ブロックの効果もあります。
防犯合わせ複層ガラス
最近、新築住宅・既存住宅問わず採用事例が増えているのが「防犯合わせ(安全合わせ)複層ガラス」です。
防犯合わせ複層ガラスとは、従来の防犯合わせガラスともう1枚のガラスの間に空気層があるタイプで、高い断熱性を発揮します。
「防犯合わせガラス」も「防犯合わせ複層ガラス」も、割れない訳ではありませんが、叩かれても穴が開かないため、家の防犯性能を高めたい方におすすめです。
>>>豆知識:戸建て住宅の一階は窓の防犯対策が必要|効果的な方法と費用目安を解説
窓ガラスリフォームする重要性とメリット|防犯・災害対策とクマの侵入防止に

近年、窓ガラスを割れにくいガラスに交換する重要性が以前よりも高まってきています。
その理由は主に4つあります。
- 戸建住宅やマンション・アパートを狙う侵入窃盗事件が増えている
- 台風が増えており、飛来物によって窓ガラスが割れるリスクがある
- 地震の時に窓ガラスが割れて破片が飛散し、避難の時に怪我するリスクがある
- 首都圏の住宅地にもクマが出没し始めており、窓ガラスを割って家の中に侵入するケースが増えている
窓ガラスを「割れても破片が飛び散りにくい・貫通しにくい」タイプに変えると、これらの被害を受けるリスクを大幅に軽減できます。
東京・千葉・神奈川・埼玉では、一般住宅を狙う空き巣・強盗事件が増えており、山林から距離のある住宅地でもクマの目撃情報が報告されています。そのため、ご家族の安全を守るためには、窓ガラスの交換をご検討ください。
防犯合わせガラスの注意すべきデメリット

防犯合わせガラスは、防災面でも効果的なおすすめのガラスですが、採用する前に知っておいていただきたいデメリットもあります。
後悔しないための対策方法と併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
災害時の避難・救出に時間がかかる
防犯合わせガラスは外からの侵入を防げる反面、単板ガラスと比べると、災害時に室内からガラスを割って避難したり、救出してもらったりするのに時間がかかります。
そのため、地震の時にはすぐに窓やドアを開けるなど、日頃からご家族で万が一の時に備えた訓練やシミュレーションが欠かせません。
窓の開閉が重くなる
防犯合わせガラスは単板ガラスが2枚に、防犯合わせ複層ガラスは3枚になります。
掃き出し窓などガラス面積が多い窓は、開け閉めの際にこれまでよりも重く感じるケースは少なくありません。
そのため、重さが気になる方は事前にサッシメーカーのショールームなどで開閉の具合を確認しておくことをおすすめします。
古いサッシには入れられない場合がある
古いサッシで戸車が摩耗・劣化していると、重い防犯合わせガラスを入れられない可能性があります。
サッシのガラス溝が狭くてもリフォーム用部品(グレチャン)を取り替えれば厚いガラスは設置できますが、戸車がその重さに耐えられなければ、窓をスムーズに開閉できません。

住宅用アルミサッシの寿命は20〜30年程度ですが、戸車などの主要なパーツは15年程度で劣化する可能性があります。既に築年数が20年を超えているお宅や、窓の開閉に違和感があるお宅は、ガラスだけではなくサッシの交換もご検討ください。
>>>豆知識:窓リフォームは「LIXILリプラス+防犯合わせガラス」の組み合わせに|種類と強度、防犯効果、価格を解説
防犯合わせガラスは断熱性がない
防犯合わせガラスは2枚のガラスを接着しているため、通常の単板ガラスと比べて断熱性能が高いと思われがちですが、熱貫流率※や日射熱取得率を比較しても大きな差はありません。
※熱貫流率:物体を介して伝わる熱エネルギーを評価する指標で、1㎡あたりの通過熱エネルギー(W)を表し、数値が小さいほど断熱性が高い
※日射熱取得率:窓などの開口部から室内に入る日射熱の割合で、数値が小さいほど遮熱性が高い
| ガラスの種類 | 熱貫流率 (W/(㎡・K)) |
日射熱取得率 |
|---|---|---|
| 単板ガラス (FL3:フロートガラス厚さ3mm) |
6.0 | 88% |
| 防犯合わせガラス (FL3+FL3:フロートガラス厚さ3mm×2枚) |
5.8 | 81% |
| Low-E複層ガラス (FL3+A16FL3:フロートガラス厚さ3mm×2枚・中間層厚さ15mm) |
1.4 | 58% |
そのため、防犯性に加えて断熱性も高めたい場合は、必ず「防犯合わせ複層ガラス」を採用しましょう。
100%侵入を防げる訳ではない
防犯合わせガラスについて調べると「意味がない」などの口コミを見かけますが、その理由は「100%侵入を防げる訳ではない」点にあります。
CPマークがついているガラスは、強い打撃を受けても7回までは耐えられ、5分以上外部からの侵入をブロックできますが、逆に言うと、時間をかければ侵入できるということです。
実際に、古いサッシでは、ガラスを割らなくても振動を加えて鍵(クレセント)を開けたりする手口で侵入されたケースが報告されています。
そのため、防犯合わせガラスの性能だけを過信せず、窓サッシや玄関ドア・勝手口ドアを含めたトータルの防犯リフォームを検討しましょう。
『玄関ドアマイスター』では、窓・玄関ドア・勝手口ドアの総合的な防犯リフォームを提案しております。知識豊富な施工スタッフが現地調査いたしますので、「どんなリフォームがベストか知りたい」と言う方は、弊社までお気軽にご相談ください。
窓の防犯対策はガラス交換だけでは不十分な場合も

>>>施工事例:【危険・不便を解消!】80~90年代に流行したガラスルーバー窓は「外窓交換」で安全・快適に!
警察庁の調べによると、戸建住宅・共同住宅のどちらも、侵入窃盗犯が侵入口として選ぶ場所は窓が最も多く、戸建住宅の場合はガラスを破って侵入するケースが35%を超えています。
(参考:警察庁|住まいる防犯110番)
そのため、家の防犯対策としてガラス交換を選ぶ方は少なくありません。
しかし、古いサッシはいくらガラスを破りにくいものに変えても外から壊される可能性があり、40年程前まで一般的だったルーバー窓は、外から簡単にガラス板をはずせてしまいます。
(参考:LIXIL|なるほど1ミニッツ|リプラス ガラスルーバー窓【取替窓】)
ルーバー窓は防犯性が低いだけではなく、断熱性・気密性もなく、掃除がしにくいため、近年はほとんど採用されていません。
窓の防犯対策としておすすめするのが、「内窓設置」と「外窓交換」です。
| 方法 | メリット・デメリット |
|---|---|
| 内窓設置 | 既存窓サッシの室内側にもう1組の窓を設置し、二重窓にする 【メリット】 窓を壊す手間が2倍になって防犯効果があるだけではなく、外窓との間に空気層ができて断熱効果も高まる 【デメリット】 窓の開閉や掃除の手間が増え、外窓の気密性が低いとあまり断熱効果を実感できない |
| 外窓交換 | 既存サッシの枠だけ残し、その上から新しいサッシ枠をつける(カバー工法) 【メリット】 窓の見た目と建て付けが両方とも良くなり、既存窓から開閉方式を変更可能で、新しいサッシは気密性・断熱性・防犯性が高い 【デメリット】 内窓設置よりもコストがかかる |
住宅の築年数や既存窓の劣化具合、開閉方式によって、内窓設置と外窓交換のどちらが適しているか異なるため、窓リフォームを検討中の方は年間500件以上の窓・玄関ドアリフォームを手がける『玄関ドアマイスター』にご相談ください。
>>>豆知識:LIXIL・リプラスとは|窓サッシのカバー工法についてメリット・デメリットと費用目安、後悔・失敗しないためのコツを解説
『玄関ドアマイスター』の簡単見積もりシミュレーションでは、内窓設置や外窓交換の費用がすぐに分かりますので、ぜひご活用ください。
>>>氏名・連絡先・住所の入力不要【内窓・窓】の簡単見積もりシミュレーション
窓の防犯リフォームに関する「よくある質問」

>>>施工事例:築30年超の不安を解消!窓の「断熱」と「防犯」を両立したLIXILリプラス外窓交換事例
最後に、多くのお客様からいただく「窓の防犯リフォーム」に関するご質問を紹介します。
Q.網入りガラスやトリプルガラスは防犯効果がないって本当?
A.網入りガラスは割れた時に破片が飛散するのを防止するためのものであり、トリプルガラスは断熱が目的であるため、どちらも防犯効果はあまり高くありません。
網入りガラスは単板ガラスよりも大きな貫通穴が開くまでに時間がかかりますが、ワイヤーはペンチなどで簡単に切れるためご注意ください。
Q.防犯ガラスと強化ガラスの違いは?
A.強化ガラスは加熱後急冷によって耐衝撃性をプラスしたガラスで、ある程度打ち破りに抵抗できますが、小さなキズがついただけで、簡単に全体が破損してしまいます。
対して防犯ガラスは、小さな力でも表面のガラスは割れますが、ヒビが一斉に全体に広がることはなく、ガラスが割れても中間膜で貫通を防ぐことが可能です。

Q.防犯フィルムは効果がある?
A.防犯フィルムは既存ガラスの上に貼るフィルムで、防犯合わせガラスよりも安価で、打撃を受けても貫通を防止できますが、寿命が短く定期的な貼り替えが必要です。
また、防犯合わせガラスの中間膜と比べると耐打撃性は劣ります。
特にDIYで貼れる簡易的なフィルムは剥がれやすく破れやすいためご注意ください。
Q.マンション(区分所有)でも窓リフォームできる?
A.マンションの窓サッシやガラスは、専有部の範囲にあっても共用部に該当するため、区分所有者の意思だけではリフォームできませんが、管理組合に工事申請して許可されれば交換が可能です。
国土交通省のマンション標準管理規約では、窓・玄関ドアとそれに付随するものは全て共用部としていますが、2016(平成28)年の改定によって、窓(ガラス含む)と玄関ドアを「防犯・防音・断熱」の目的でリフォームする場合、管理組合の承認を得れば戸別でも工事できるようになりました。
ただし、お住まいのマンションがこの標準管理規約を採用しているとは限らないため、マンションで窓リフォームしたい場合は、事前に管理組合や管理会社に相談しましょう。
マンションで外窓やガラスの交換が難しい場合は、「内窓の設置」がおすすめです。内窓を取り付ける窓枠は専有部に含まれるため、管理組合への簡単な工事申請でリフォームできます。
Q.窓の防犯リフォームにはいくらかかる?価格目安は?2026年に使える補助金は?」
A.ガラス交換・内窓設置・外窓交換ではかかる費用が大きく異なります。窓リフォームを対象とした『先進的窓リノベ事業』は2025年で終了しますが、2026年度も住宅の省エネリフォームを対象とした補助制度が実施される見込みです。
| 工事の方法 | 費用目安 |
|---|---|
| ガラス交換 | 「8〜15万円/ヶ所」(サッシ1組)=ガラス2枚 単板ガラスから防犯合わせガラスへの交換 |
| 内窓設置 | 「10.3万円/ヶ所」 サッシ:2枚引き違い(LIXIL|インプラス) ガラス:アルゴンガス入りLowE安全合わせガラス(クリア) |
| 外窓交換 | 「27.5万円/ヶ所」 サッシ:2枚引き違い(LIXIL|リプラス) ガラス:アルゴンガス入りLowE安全合わせトリプルガラス(クリア) |
※腰窓サイズ(W1800H900)の場合
※内窓設置・外窓交換の費用は『玄関ドアマイスター』にご依頼いただいた場合の税込価格(2025年11月時点)
国の補助金額に加えて、都道府県など自治体でお得な制度が実施される可能性もありますので、玄関ドア・窓のリフォームを検討している方は、最新情報がわかる『玄関ドアマイスター』の公式LINEに今すぐご登録ください。
>>>豆知識:先進的窓リノベ事業の補助金はなくなるのか|2025年度概要と2026年度予測、関連補助金情報を解説
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